春のメッセージ - ワイルドフラワーの囁き
毎年9月になると、パースの一番の名所キングスパークでは、春の祭典、ワイルドフラワーの祭典が一ヶ月間開かれます。
今年は、この40年で一番乾燥している気候とのことで、ワイルドフラワーが例年以上に長く咲きほこり、9月の初めから、開花し始めた花は、徐々にその種類を増し、9月いっぱいまで、その美しい姿で、訪れる人々を、楽しませてくれました。
我々家族も、毎年、その祭典に訪れますが、今年は、家族で三回、私は一人で二回と、例年以上に足を運びました。
家族では、妻の英語学校が休みの金曜日に、シティーのビジネス街へCat-Busで行き、ビジネス街通りのレストランで昼食を済ませてから、キングスパークまで乗り入れているトランスバスに乗っていくことにしました。
バスは市内なら無料で乗れますので、大変便利です。
ビジネス街通りは、スワンリバーに近い、一番のメインストリートで、通りの両サイドには、レストラン、カフェ、バンク、ショッビングストア、教会や、高層ビルが立ち並んでいます。
キングスパークに着くと、平日にも関わらず多くの市民と、観光客が来ていました。
それでも、この公園は、原生林をもつ、広大なエリアに及ぶ広さを有するため、混雑することはありません。人々は、のんびりと芝生の上でくつろぐ人、ワイルドフラワーを観察しながら遊歩道を散策する人、花の写真をとっている人、水彩画を描く人と、人それぞれに楽しんでいます。
我々家族は、今年は、それぞれのカメラを持参して、去年以上の花の写真を撮ろうと、心を弾ませてやってきました。
我々家族は、今年は、それぞれのカメラを持参して、去年以上の花の写真を撮ろうと、心を弾ませてやってきました。
私は、300mmのズームレンズを付けたNikonDfと、105mmのマクロレンズを付けたD800のNikonの二台を持参して来ました。
土産物を売っているギャラリーショツプの近くにあるボタニカルガーデンが、ワイルドフラワーの種類も多く、一番のスポットになっています。
今年もたくさんの花が咲き乱れ、生命の息吹と躍動を感じます。
去年まで気付かなかったワイルドフラワーもいくつかありました。それに我々は宝物を見つけたように喜んで、夢中でシャッターを押しました。
公園をさらに奥に進むと、噴水のある大きな広場があり、その近くにワイルドフラワーの群生したエリアがありました。
また、その横には、絵を描く人たちのためのギャラリーもあり、その周りでは、楽しそうに水彩画を描く人たちがキャンバスを立てていました。
私たちは、群生地で写真をとってから、ギャラリーの中に入り、展示してある水彩画を鑑賞しました。
さらに橋を渡って奥に進むと、原生林が続き、色々な野鳥を見ることができますが、今回はこのエリアまでの探索で十分に満足したので、ショップに戻ることにしました。
その道すがら、今年はあの水彩画ギャラリーで見かけた絵のように、幻想的な写真を撮ることができたのではないかと、満足げな気持ちとなり、足取りも軽やかかになっていました。
ショップまで戻り、少し休憩してから、バス停へ向かって歩いていると、すでに暗くなった夕闇の空に、満月が浮かんでいました。
この時期は、日本で言えば、仲秋の名月の時期で、南半球のオストラリアでは、春の名月ということもできます。
この地では、名月を愛でるという日本のような風流な習わしは無いようですが、このキングスパークからの名月の眺めを、この地の人たちも楽しんでいるようでした。
そして、この時、私は、日本でこの名月を愛でている人たちへ、地球の反対側のこの地から、エールを送っていました。