モー吉の悠悠パース留学絵日記

この日記では、パースでの留学生活での出来事を中心に、心象風景を交えて、写真とエッセイにより、絵日記風に綴っています。

2016年を振り返って- 卒業展示の終了

2017-01-05 23:15:15 | 今日を旅する
2016年を振り返って
 卒業展示の終了

 オープンデーの翌日、わたしはじっくりと展示の作品を見るために、家族とともにギャラリーを訪れることにしました。
 その日は、予想どおりギャラリーがすいていたため、一人一人の作品のキャプションをゆっくりと読むことができ、改めてクラスメートの各々の写真とその製作意図を確認することができました。
 それぞれの作品は、彼らの個性が強く表現されたものばかりで、とても見がいがありました。また、この3年間の彼らの技量の成長は、目を見張るものがあることを、改めて実感することとなりました。
 私の家族も、彼らの写真はそれぞれ個性があり、どれもすばらしく見がいがあったと感想を述べていました。


















 すべての写真を見終わり、帰ろうとしていたところ、ちょうど我々の展示を指導してくれたLectureのJulianに、ばったり遭遇しました。
 彼はフリーランスのカメラマンで,今年の我々の展示、Cyanotype Photo、Bookづくりなどを担当してくれていました。
 いつもジーンズ、シャツといったラフな服装ですが、その日はパートナーと一緒だったからか、いつもよりすこしおしゃれをしているようでした。
 かれが彼女を紹介して、あいさつしてきましたので、私も家族を紹介してあいさつをすることになりました。
 せっかくの機会でしたので、以前から良く話しをしていた、このギャラリーのマネージャーのセビリア人の彼に、記念撮影をお願いしました。
 彼は、サッカー選手のストイコビッチと同国の出身ということで、ストイコビッチが名古屋グランパスにいたころ、名古屋へ行ったことがあると、言っていました。また、奥さんが横浜出身の日本人ということで、以前、話がはずんだことがありました。




 最終日の土曜日、私と親しいclassmateのJとで会場の係員を担当しました。
 展示会の終わるのが名残惜しいのか、数人のclassmateが、友人などと一緒に訪れてきました。彼らは最後まで、会場に残り、一緒に来ていた、その中の一人の可愛い少女が、終了時間とともにシャットアウトのポーズを、楽しんでとってくれました。




 翌週の月曜日は、会場のクリーンアップの日で、全員集まり、それぞれの作品を壁から外し、持ち帰るための荷造りをするとともに、会場の後片付けをしました。
 その後、みんなで、休憩をとるために近くの珈琲ショップへいくことになっていましたが、私は、お世話になった先生や備品管理の人、技術屋さんにお礼のあいさつをしたいと、思っていましたので、そちらを優先することにしました。

 あいさつを済ます、丁度クラスメートの一部が休憩からもどってきました。
 そこで、最後まで残っていた彼らと終わりを惜しみ、記念撮影をしました。
みな、やり終えた満足感とともに、終わってしまった寂しさもまじった雰囲気がただよっていました。
 この日,私はお別れの記念として、Photo Bookの交換をしたいと願って、みなに自分のものをプレゼントしました。既に二人とは交換していましたが、あと何人と交換できるのか、楽しみにしています。







2016年を振り返って- 卒業作品展示

2017-01-04 15:03:30 | 今日を旅する
2016年を振り返って
 Graduate Exhibition

 卒業作品製作は、一年を通しての作品集づくりのプロセスをまとめたビジュアルダイアリー、PHOTOBOOK、Videoの三点を提出することが義務とされていました。

 その最後をかざるのが卒業展示です。
 展示は11月22日から26日にかけて、学校の一番大きなGalleryで行われました。
 展示のために我々は、それぞれ5点のイメージを選択する必要がありました。5点は3年間に撮影したイメージから選び、テーマは一つである必要はありません。
 5作品を決めてから、印刷、Framingをしますが、今回は学校の技術者がプリントをしてくれ、Framingは業者にたのみました。カタログのデザインは、若いオージーグループが担当しました。作品のインストール、会場づくりは全員で楽しく行いました。






 オープニングデーの22日の夕方からは、セレモニーがあり、スポンサーの招待客、友人、家族、写真家などが沢山きて、会場は一杯になりました。
 クラスメートの若いオージガールたちは、ドレスアップし、華やかな服装で、恋人や友人達と楽しんでいました。

 Head Teacherのあいさつの後、生徒を代表してオージーガールのLさんが、お礼のあいさつをしました。
 彼女はクラス一番の人気者で、彼女がいるとクラスの雰囲気が明るくなります。21歳の若さですが、頭の良い、しっかりもので、このクラス展示会の書記を務め、いつもMeetingの記録を要領よくまとめ、みなに提供してくれていました。
 この日のあいさつもユーモアを交えた素晴らしいものでした。







 私の5作品は、これまでに取り集めた作品の中から、
 1  これまで展示会にだしていないもの 
 2  Cyanotype Photoのもの 
 3  Photobookのもの 
といった基準をもとに五点をえらんだものです。
 
 私はこの展示のためのキャプションとして、つぎのようなArtist Statementを添えることにしました。
Artist Statement

This exhibition is a compilation of the study on photography 
I undertook 3 years.
Each work shows a style that I am pursuing.

この展示は、3年間に培ってきた写真の勉強の集大成です。
一つ一つの作品は、私が探し求めているスタイルを示しています。

“Passing Maiko” shows the movement of time, not a single moment.
It is a main theme on my photography.

"過ぎ行く舞妓"は、一つの瞬間ではなく、時間の動きを表しています。
それは、私の写真についての主眼であるテーマです。

“Mirror Street” and “Rainy Street” show the existence in the street 
by light and shadow. 
Both works are selected from my photo book “ After Dream Before”. 

"鏡のようなストリート""雨のストリート"は、光と影によって、ストリートの存在たちを映し出しています。二つの作品とも、私のフォトブック"夢のあとさき"からのイメージです。

“Illusionary Maiko” and “Harmony” show nostalgic mood created 
by cyanotype.
Both works are selected from a series work by cyanotype 
“Remaining Longing”.

"幻想の舞妓"と、"和"は、青写真によって、ノスタルジックな情緒を醸し出しでいます。
二つの作品とも、青写真によるシリーズ作品"残された憧憬"からのイメージです。

It is only because of warmhearted value by my classmates and
 great support by my lectures that I could create these works.

これらの作品を創り上げることができたのは、先生たちの大きな助け、助言と、学友たちがあたたかく見守ってくれたことにつきます。

And now, I think on photography.
“Photograph is a fossil marked by light and time.”*
Each of these works shows a page of their history, 
and also the scenery in my mind’s eyes.

そして、今、写真について、こう考えています。
"写真は、光と時間によって記された化石である。"*と。
これらの作品の各々は、彼ら自身の歴史の一コマ、一コマであり、また、私の心の眼が捉えた風景でもあります。

In addition, photograph is created by photographer’s emotion.
That is exactly why image never separates people.
Photograph is just Universal Language.

付け加えて言えば、
写真は、写真家の感情、情緒によって創造されます。
それが、まさに、イメージが、決して人々を分け隔てないところの理由です。
写真は、まさに万人共通の言語なのです。

Since I arrived in Perth, four years had passed.
Even so, I didn’t know the city very well, but now I am sure I could 
come to know it through my photographs.

私は、パースに来て以来、四年になりました。
それでもなお、私はこの街をよくは理解していませんでしたが、今は、私の写真を通して、この街を分かり得たと、確信しています。

Now,  I greatly appreciate all of you and the Kamisama of photography.

今、私は、あなた方すべてと、写真の神様に深く感謝しております。   

Tatsuro
   *森山大道







 展示会に出品された作品群について、ギャラリーのオーナーからギャラリーの永久コレクションとして、三点を買いたいとの申し入れがありました。
 私の作品" Passing Maiko"も、幸運にもその中に選ばれることになりました。後日、200ドルが支払われるとのことですが、お金よりも、私の作品が、ギャラリーのコレクションとして飾られることの方が、大変嬉しかったので、私は自分のPhoto Bookを、オーナーにプレゼントしたところ、それも大変気に入ってくれ、それも、ギャラリーの蔵書として、展示してくれることとなりました。








2016年を振り返って- Cyanotype Photo- 青写真

2017-01-03 17:36:07 | 今日を旅する
2016年を振り返って
  Cyanotype Photo- 青写真

 2016年の授業で、最も興味がわき、楽しかったものは、Cyanotype Photography
でした。
 これは、日本で言うところの青写真です。よく設計図などで印刷されるものです。フイルム写真のネガティブフィルムを現像する過程に良く似ています。




 プロセスは、まず、デジタルデータをPhotoshopでネガティブフィルム化します。
次に、、二種類の化学液から作った感光液をペーパーに塗り、印画紙を創ります。
 この二つの過程を経た後、A4サイズのネガティブフィルムとその印画紙を重ね、太陽光か、暗室で光線をあて印画した後、その感光した印画紙を水で洗い流すと、青色のイメージが浮かび上がってきます。
 最後にそれを乾燥室で乾かすと、青写真が完成します。

 ネガティブフィルムは日本のメーカー「PICTORICO」のデジタルネガフィルムを使います。
 今回は学校が全て用意してくれましたので、助かりました。学校には暗室や乾燥室、感光室などの設備が揃っており、今回初めてそこを使うことになりました。
 
 私は,若い頃、フィルムの現像、感光を風呂場でやった経験がありましたので、むかしを思い出し楽しい作業となりました。また、設備が完備していましたので、昔に比べれば、はるかにやりやすい環境でした。



 この授業では、Cyanotype Photoで、自分のテーマを決め、シリーズ作品として完成させることが要求されていました。
 私は、取り集めていた京都の写真を素材として、シリーズ作品を創り上げることとしました。
 Cyanotype Photoはノスタルジックな雰囲気をかもしだすので、私は、このシリーズを「Remained Longing-残された憧憬」と題して作品をつくりあげました。
 
 このシリーズ作品には、Artist’s statementにより、作品のテーマを説明する必要がありました。そこで、私は次のようなStatementを書き上げ、プレゼンテーションの折りに説明しました。

Artist’s statement

Remained Longing  
 残された憧憬

On the series of work, I aimed to express about “Remained longing”.

私は、この青写真のシリーズ作品において、"残された憧憬"を表現しようと試みました。

I find out it in the typical Japanese existences in Kyoto where many 
traditional customs and lifestyles still remain now.

私は、それを京都における日本の典型的な存在の中に見つけ出すことができます。
そこには、今なお、多くの伝統的なしきたりや生活様式が残っています。

Why I am fascinated deeply by their existences is, exactly that they are 
not only memories of remote days, but also keeping existence 
continuously up to the present.
It is such as appearance of time-honored shrines, Buddhist temples, 
traditional private houses called as Machiya 町家, and traditional festivals.
Also I think the most typical existence embodying it is just Maiko.
 It is why Maiko is keeping a time-honored custom and lifestyle, 
 in addition, is a symbol of Japanese beauty and hospitality.

私がそれらの存在に強く惹かれるのは、それが単に遠い日の記憶だけではなく、今もなお連綿と続く存在として保たれているからです。
それは、例えば、由緒ある神社やお寺の佇まいであったり、町家と呼ばれる伝統的な家屋や、古くから受け継がれている祭りであったりします。 
舞妓もまた、正にそれをもっとも体現している存在てあり、日本的な美とおもてなしの精神の象徴でもあります。

Once each of them is covered with soft ray of sunlight or moonlight, 
it gives me a nostalgic atmosphere with dim image, and calls back 
a dear old memory to my mind.

それらの一つ一つが、一度、柔らかい太陽光や月光に包まれた時、それは、私におぼろげなイメージと一緒に、懐かしい情緒をもたらします。そして、また私の心に、愛しい古い記憶を呼び戻します。

This time, on the series, I purpose to create in photographic images 
“ Remained Longing” hiding in the existences by blurry image and 
Cyanotype print.
The reason is that I’m sure the both ways are most suitable for expressing
 “ Remained Longing” in photographic image.

今回、この作品において、ぼやけたイメージと青写真の方法によって、それらの存在たちの中に隠されている"残された憧憬"を、写真のイメージのなかに創り出そうと思い立ちました。
それは、写真のイメージのなかにこの"残された憧憬"を表現するには、この二つの表現方法がもっとも適していると確信したからです。

Why I got the idea creating the photographic series is that I am incited 
by nostalgic and oldish photograph and picture over 100 years ago, and 
by verse of poem and song by Ogura Kei 小椋佳, “ Nokosareta Akogare
残された憧憬Remaind Longing ”.

私が、この写真集を思い立ったのは、100年以上前の懐かしい古びた写真や、昔から親しんでいた小椋佳さんの詩"残された憧憬"の一節に触発されたからです。

The process of creating the series was visiting “Remained longing”,
 walking in my mind. And finally, I could find the figure.

この作品を創造する過程において、私はこの"残された憧憬"の世界を訪ね歩き、心の中を彷徨していました。そして、ついにはその姿を見つけることができました。

I state with confidence.
A kind of pictorial figure of remote days keeping sleep in blanket of time,
Shaken out of sleep by exposed to the ray of sunshine,
Revives like a shadow picture of revolving lantern flared by the wind,
Finally、“ Remained Longing”, as becoming dear and nostalgic and
 reminiscent figure,will certainly appears.

私は、確信を持って言えます。
それは、はじめは、時の毛布に包まれて眠り続けるおぼろげな絵姿の様でしたが、太陽の光を浴びて、眠りから覚めたその時、風に揺らめく走馬燈の影絵の様に浮かび上がり、愛しい懐かしい姿となって、青色の古びた色彩の中に、"残された憧憬"が確かな存在として浮かび上がりました。
と。















2016年を振り返って- コンテスト出品

2017-01-03 01:09:02 | 今日を旅する
2016年を振り返って
 コンテスト出品

 今年も、APPA(Australia Professional Photographer Association)のコンテストが5月にありました。
 作品の提出は、授業の課題にもなっております。提出された作品の中から、学校でコンテスト出品のための作品が選出されます。、
 私も代表に選ばれ、三枚の写真を出品することになりました。去年はWAの大会で銅賞に終わり、全国大会には出品できませんでしたが、今年は一つが銀賞の上級に選ばれ、全国大会に出品することとなりました。

 WA出品作品




 WAの大会のJudgeing Dayは、パースから列車で二駅目の、TEFEのイベント会場で三日間にわたり行われました。
 プリントイメージとスクリーンイメージで、六人のJudgeにより最終的な点数が決まり、判定されます。
 私の入賞したイメージは、点数が分かれましたが、90点近い高得点に評価してくれた写真家Tonyの、この作品を擁護してくれた、あついコメントにより、85点のシルバーの上級に入賞することができました。
 それが決まった時、このイベントの手伝いをしていたクラスメートの二人が飛び上がって喜んでくれ、座ってJudgeの成り行きをみていた私のもとに駆け寄り、祝福してくれました。中国人のIとオージーのLさんでした。
 この日、会場のそとのベランダでは、我々の卒業展示の資金集めのBBQもやっており、彼らもともによろこんでくれました。
 私は帰りの途中にみつけたレストランにより、今日の入賞を祝い、ひとりグラスをかたむけ、祝杯をあげました。





 後日、Cityのナイトクラブで表彰の祝賀会があり、私も今年は出席することにしました。会場には、Judging dayの当日、飛び上がって喜んでくれた二人もきており、楽しい時間を過ごすことができました。
 また、私の作品を高く評価してくれたAPPAの役員でもあるTonyもきていましたので、私はそのお礼を彼に言うと、彼は私の作品を良く覚えており、当日とおなじように、コメントをしてくれました。私は帰り際に彼と固い握手をして会場を後にしました。






 8月には、オーストラリア全体でのコンテスト(Wild Card)がメルボルンで行われ、シルバー賞以上の学生はそれに出品できるため、私もその作品と後二つは新たなイメージの写真に変えて、出品しました。
 メルボルンまで行くことはできませんでしたので、Judgingのインターネットライブをみてその模様を知ることができました。
 結果は、同じ作品がシルバー賞を取ることができ、後日、シルバー賞のデジタルスタンプが送られてきました。他の二作品は銅賞の点数でした。全国大会は、WAのレベルより5点ほど高いとのことでした。







2016年を振り返って- オークション展示

2017-01-02 02:36:20 | 今日を旅する
2016年を振り返って
 オークション展示

 Graduateコースを修了し、ゆっくりしていたら、もう新年を迎えてしまいました。1月15日に日本へ一時帰国しますが、それまでに、去年を振り返って、久しぶりにプログを書き始めることにしました。

 憶えば、昨年は学校の課題が多く、大変忙しい日々でした。
 サマーキャンプは、既にブログに書きましたが、その後、卒業展示の資金集めのためのオークション展示、コンテストへの出品、1年をかけてのプロジェクトのPhoto BookづくりとVideo製作、卒業展示のための作品づくり、コーマーシャルフォトづくりなど、休む暇がありませんでした。
 それでも、何とか卒業することかでき、良い成果をあげることもでき満足しています。

オークション展示
 展示会は6月8日~15日ですが,その準備は3月から始まりました。スポンサー、寄付金集め、プロの写真家からの、オークションのための作品集め、とやらなければならないことは、もりだくさんです。
 若いオージー達が精力的にやってくれたので、大変たすかりました。
 私は、寄付金集めとイベント(BBQ)への参加と、わずかな役割だけでした。


イベント(BBQ)

 はじめての展示会場は全員で楽しく設営しました。



 我々の展示会の名称も,皆でアイデアをだしあい、"EPOCH EXHIBITION"と決まり、デザインも、グラフィクの勉強をした経験のあるオージーガールのEさんが創作し、FragはArtistのイタリア人Jさんが製作したものでした。正に手作りの展示会となりました。


 最終日のオークション当日には、百人以上の人が集まり大盛況となりました。オークション進行の司会は、さすがにプロにお願いすることになりました。


 学生のそれぞれ二枚の写真展示と、プロの写真のオークションもあり、8000ドルちかい寄付金があつまりました。
 香港出身のIさんの写真が高値で落とされ、彼女は喜んで涙ぐんでいました。ちなみに、作品は日本の清水寺の紅葉の写真でした。







自分のオークション出品作品の前で

Rと彼のお母さんに説明するイタリア人の友J

ケータリング担当