ウォーキングコースの途中、板塀の上に出ていた木に緑色の小さな花が見えました。
この辺りではあまり見かけない、ちょっと珍しい木、「モクレイシ(木茘枝)」です。
花は小さくて直径5ミリほど、葉の付け根にまとまって咲いています。
薄緑の花なので、よほど気を付けて見ないと見過ごしてしまいそうです。
モクレイシは雌雄異株です。
雄株には雄花が、雌株に雌花が咲きます。
この場所には雌雄両方の木がありましたが、雄花の方が開花が少し早いようで、雌花はまだあまり開いていませんでした。
雄株に咲いている雄花です。
雄花は花弁が5枚、5本の雄しべとその先に付いている黄色い葯(やく)が目立ちます。
雌株の雌花です。
全体的に雄花よりも小さく、雄しべは目立ちません。
日本のモクレイシ属の樹木は「モクレイシ」の1種だけしか分布していないようなのです。
そしてモクレイシは分布地域が特徴的な樹木として知られているらしいのです。
日本におけるモクレイシの分布地域は大きく2ヶ所に分かれていて、1ヶ所が関東の房総半島南部、湘南地方、伊豆地方、伊豆七島で、もう1ヶ所が関東地方からはるか遠く離れた九州南部、五島列島、琉球諸島なのだそうです。
もちろん自生のモクレイシのことなのでしょうけれども、不思議ですね。
そして、どうしてこのような分布の仕方なのかは今でも謎のようです。
学名: Microtropis japonica
英名:Mokureishi tree
別名:フクボク
科名・属名: ニシキギ科 モクレイシ属
原産地:日本、台湾