日々是好日

撮った写真や思っていることなどを気の向くままに書いています。

ワルナスビ(悪茄子)

2023-06-29 07:00:00 | 植物

あちこちで見かけるこの花は「ワルナスビ(悪茄子)」という名前でナスにそっくりな花。

名前からしてすごくワルそうで、害があるような花という気がします。

なぜ? 何が悪いんだろう? 全体にあるトゲかな? それとも何か他のこと? 

この花の名付け親は牧野富太郎博士、今話題の人。

博士がこの花を庭に植えたらはびこりすぎて手に負えなくなってしまったし、全体に『ソラニン』と『サポニン』といった有毒物質を含んでいるから、「ワルナスビ」と名前を付けたようです。

よほど注意して触らないと、葉にも茎にもトゲだらけ。

この花は白、薄紫、少し濃い紫とあります。

中でも白と薄紫、それぞれの色だけの群落や2種類が混在している群落をあちこちで見かけます。

だからそれほど珍しいものだとは思わないのですが、ワルナスビの品種で特に純白の花をつけるものには「シロバナワルナスビ」という名前があるそうです。

わざわざ白花に名前を付けているということは、ワルナスビは薄紫色の花がスタンダードなのでしょうか?

 

シロバナワルナスビの群落です。

 

シロバナというくらいですから、花は真っ白です。

 

薄紫色の花。

 

この花のように、白く見えていても実際には紫色がすこし入っているものも多く見かけます。

だからやっぱり薄紫の花が基本なのでしょうか?

 

少し濃い紫の花。

 


 

学名:Solanum carolinense

英名:Carolina horse nettle、 horsenettle、Apple of Sodom、Devil's tomato

別名:オニナスビ(鬼茄子)

科名・属名:ナス科 ナス属

原産地:北米

 


 

昭和初期に牧草に混じって渡来した帰化植物で、ご多分に漏れず「要注意外来生物」に指定されています。

英語では『Apple of Sodom(ソドムのリンゴ)』や『Devil's tomato(悪魔のトマト)』と、日本名と同じように嫌われもののような名前になっています。

ちなみにソドムのリンゴとは旧約聖書からの言葉で、この「ワルナスビ」だけでなく、有毒な実が生る他の植物のツノナス、フォックスフェイス、カナリアナスなどもその名で呼ばれています。

 

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カバキコマチグモ(樺黄小町蜘蛛)

2023-06-27 07:00:00 | 昆虫

花ではなくて虫の、それも蜘蛛のことです。

蜘蛛の画像があります。

嫌いな人はスルーしてください。

 

川沿いの遊歩道を歩いていた時に、ちょっと変な形の葉っぱが目に付きました。

ススキのような長い葉っぱの途中が丸まっていたのです。

このように1枚の葉っぱの途中が丸くなって中に何か入っているようでした。

そのような葉っぱがあちこちに見られたのです。

そうなると中に何が入っているのか、見たくなってしまいますよね。

葉っぱを引っぱって、平らにしてみました。

そうしたら何と、中から出てきたのが黄色っぽいクモと卵でした。

葉っぱの中に巣を作っていたようです。

虫には全く興味が無いのですが、見たり触ったりするのは平気です。

それで、珍しいと思い調べてみました。

驚きました!!

このクモは毒グモだったのです。(触らなくて良かった)

 

--- カバキコマチグモ(Wikipediaより) ---

カバキコマチグモは、フクログモ科コマチグモ属に属するクモ。

体が黄色いことからカバキ(樺黄)、オスの頭胸部は朱色。

オス・メスとも体長10-15mm程度。

黒く大きな顎を持つことからクチグロとも呼ばれる。

日本全土、朝鮮半島、中国に広く分布する。

在来種中で最も毒が強く、国内のクモ刺咬症例の大半を占める毒グモでもある。

ススキなどの大型のイネ科の植物の葉を巻いて巣にする。

いわゆるクモの巣は張らず、夜間草むらを徘徊して昆虫などを捕食する。

子グモは生きている母グモにとりついて体液を吸い取ってしまうので母グモは30分程度で絶命してしまう。

 

恐ろしいクモだったのですね。

親グモに噛まれると、激痛を伴って赤く腫れたりするそうです。

見つけたら咬まれないように注意してくださいね。

 

 

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サポナリア

2023-06-25 07:00:00 | 植物

道路に面した空き地のフェンス沿いに咲いていた花です。

葉っぱはナデシコやストックなどのようで、ピンク色の花がゴチャゴチャと固まっていました。

数枚写真を撮ったまま名前も分からなかったので、そのままになっていました。

数日後に小さな公園に行ったら、同じ花が咲いていたのです。

その花には名札があり、『サポナリア・別名シャボンソウ・ナデシコ科』となっていました。

 

公園にあったのは八重咲と一重咲の2種類でした。

 

名前が分かれば調べるのはもう簡単でした。

サポナリアには数種類あり、この品種は「サポナリア・オフィシナリス」です。

サポナリアの語源はラテン語で石鹸を意味する『sapo(サポ)』から来ていて、葉を手で揉むと泡立つので、石鹸の代用品だったようなのです。

それで別名が「シャボンソウ」になったのですね。

また、ハーブとしても利用されていて、その時の名前はソートワープやサボンソウとなっています。

薬用と観賞用の目的で日本に入ってきたのですが、その後野生化してしまうほど丈夫な花のようです。

 


 

学名:Saponaria officinalis

英名:Soapwort

別名:サボンソウ、シャボンソウ、ソープワート

科名・属名:ナデシコ科 サボンソウ属

原産地:ヨーロッパ、西アジア

 


葉を揉むと石鹸のような泡が立つとのことで、試して見ました。

一生懸命に揉んでも青臭い汁しか出てきませんでした。

この花は本当にサポナリアなのかとちょっと心配になってきて、更に調べるとペットボトルに入れて振ればいいとなっていました。

そこですぐにやってみました。

ペットボトルに葉と少しの水を入れて振ってみました。

なかなか泡立たなくて、結構な回数を振りましたがやっとこの状態になりました。

オフィシナリス種は全草にサポニンを含んでいて、サポニンには水と混ぜて振ると泡立つ性質(起泡性)があるので、このように泡が出るようです。

 

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ドクダミの花

2023-06-23 07:00:00 | 植物

今頃の時期は白い花が目立ちますね。

クチナシ、テイカカズラ、ガウラなどがあちこちで咲いています。

同じ白い花の中に、厄介者扱いとされるドクダミもあります。

先日も友人が「庭のドクダミを引っこ抜くのが大変」などと言っていました。

でもせっかくきれいに咲いているのだから、あんまり厄介者扱いにしないで、花をじっくりと見てください。

とっても面白いですから。

ドクダミの花をよ~く見ると・・・

白い4枚の花弁のようなものがありますが、これは『総苞』で、花びらではありません。

花序の下につく苞の4つが大きく白く見えているのです。

中心にある穂が小さな花の集まり(花序)になっています。

そして、一つ一つの花のつくりは、白くて先端が3つに分かれているのが雌しべ、黄色い丸いものが雄しべの葯(花粉が入っている袋)です。

この小さな花が中心にたくさん集まって穂になっているのです。

だからドクダミは花弁とガクがない花なのです。

最初にこの時期は白い花が多いと書いたのですが、こうしてみるとドクダミが白い花に入るのかどうか、疑問ですね。

さて、良く見るこの苞が4枚のものを基本形とします。

そうすると、たくさん咲いている花の中から苞が4枚じゃないものが結構な確率で見つかったのです。

3枚のもの、5枚のもの、それ以上のものがたくさんあったのです。

苞が3枚のもの。

このタイプが一番簡単に見つかりました。

白い苞の配置からして1枚取れてしまったものではなく、最初から3枚なのだと思います。

 

苞が5枚のもの。

「ラッキードクダミ」なのだとか。

ライラックの5枚花弁を「ラッキーライラック」と呼ぶので、その真似かな?

 

苞が6枚のもの。

 

花が2つ重なっているもの。

同じ場所から花穂が2つ出ています。

 

苞が大小で2段重ねのもの。

 

苞の枚数が数えられないもの、花穂の間から苞が出ています。

いわゆる八重咲ドクダミです。

 

こうしてたくさんの種類のものが簡単に見つかりました。

だから、あまり珍しいものではないのかもしれませんが、もっと探して違った咲き方をしているドクダミの花? を見つけてみたいですね。

 


 

学名:Houttuynia cordata

英名: Fish mint、Chameleon plant、Heart leaf 

別名:ジュウヤク(十薬)、ドクダミソウ、ドクダメ、ギョセイソウ、ジゴクソバ、ウマゼリなど

科名・属名:ドクダミ科 ドクダミ属

原産地:東アジア

 

 

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トリトマ

2023-06-21 07:00:00 | 植物

何となく南国を思わせるような花、「トリトマ」が咲いていました。

この花、ずっと昔から「トリトマ」と言っていたけれど、今ではこれが流通名になるようです。

それじゃ本当の名前は何? ということで調べてみました。

和名では『シャグマユリ(赤熊百合)』、英名では『トーチリリー(Torch lily)』でした。

なぜ名前が変わったのかというと、この花はかつてはユリ科でした。

それが現在ではツルボラン科に変更になり、科名の変更と同時に属名もトリトマ属から現在はシャグマユリ属に変わったようなのです。

ちなみにシャグマとは牛に似た動物のヤクの毛を赤く染めたもので、そのふさふさとした毛は兜や獅子舞に使う獅子の頭などの装飾に利用されていました。

他にも黒く染めた黒熊(こぐま)、白く染めた白熊(はぐま)などもあるようです。

でも、ヤクって昔は日本にいたのでしょうか?

和名の『シャグマユリ』は、シャグマ(赤熊)のような花穂をしたユリのような花、ということなのでしょうね。

 

花の時期になると、真っ直ぐに伸ばした花茎の先に総状花序を出し、多数の花を下向きに咲かせます。

細長い筒状の花は浅く6つに裂けて、蕾の時はオレンジ色ですが、開花するにしたがって黄色に変化してきます。

梅雨時の鬱陶しい時期には鮮やかなオレンジ色が目立ちますね。

 


 

学名:Kniphofia

英名:Torch lily、Red Hot Poker

別名:クニフォフィア、トーチリリー

科名・属名:ツルボラン科 シャグマユリ属(クニフォフィア属)

原産地:南アフリカ、熱帯アフリカ

 

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