あちこちで見かけるこの花は「ワルナスビ(悪茄子)」という名前でナスにそっくりな花。
名前からしてすごくワルそうで、害があるような花という気がします。
なぜ? 何が悪いんだろう? 全体にあるトゲかな? それとも何か他のこと?
この花の名付け親は牧野富太郎博士、今話題の人。
博士がこの花を庭に植えたらはびこりすぎて手に負えなくなってしまったし、全体に『ソラニン』と『サポニン』といった有毒物質を含んでいるから、「ワルナスビ」と名前を付けたようです。
よほど注意して触らないと、葉にも茎にもトゲだらけ。
この花は白、薄紫、少し濃い紫とあります。
中でも白と薄紫、それぞれの色だけの群落や2種類が混在している群落をあちこちで見かけます。
だからそれほど珍しいものだとは思わないのですが、ワルナスビの品種で特に純白の花をつけるものには「シロバナワルナスビ」という名前があるそうです。
わざわざ白花に名前を付けているということは、ワルナスビは薄紫色の花がスタンダードなのでしょうか?
シロバナワルナスビの群落です。
シロバナというくらいですから、花は真っ白です。
薄紫色の花。
この花のように、白く見えていても実際には紫色がすこし入っているものも多く見かけます。
だからやっぱり薄紫の花が基本なのでしょうか?
少し濃い紫の花。
学名:Solanum carolinense
英名:Carolina horse nettle、 horsenettle、Apple of Sodom、Devil's tomato
別名:オニナスビ(鬼茄子)
科名・属名:ナス科 ナス属
原産地:北米
昭和初期に牧草に混じって渡来した帰化植物で、ご多分に漏れず「要注意外来生物」に指定されています。
英語では『Apple of Sodom(ソドムのリンゴ)』や『Devil's tomato(悪魔のトマト)』と、日本名と同じように嫌われもののような名前になっています。
ちなみにソドムのリンゴとは旧約聖書からの言葉で、この「ワルナスビ」だけでなく、有毒な実が生る他の植物のツノナス、フォックスフェイス、カナリアナスなどもその名で呼ばれています。