最近では街路樹として使われている木の種類が多くなったと思う。
かつては大気汚染や乾燥に強いこと、海辺だと潮風に耐えられること、樹齢が長い、病害虫に強いことなどを考えて、常緑樹などが多かったような気がする。
もちろん最近でもこれらの木は多く見られるが、これに加えて花の咲く木や紅葉する木も多くなったと思う。
サクラ、ハナミズキ、イチョウ、ナナカマド低木ではツツジ等々。
花が咲いたり、紅葉したりするのは季節感や街並みの彩りなどが感じられて嬉しい。
その街路樹の珍しい形を海外で見た。
日本ではほとんどが均整がとられ一列に並んでいて、街並みの統一感や整然とした様子が見られるのが特徴となっているが、これに遊び心を加えたような形だった。
スペイン、マドリードから北にバスで2時間くらい走ったところにブルゴスがある。
ブルゴスにはスペインの三大聖堂のひとつがあり、世界遺産にも登録されている。
また、サンティアゴ巡礼路の要所として知られている街で、その大聖堂に向かう川沿いの歩道にプラタナスの街路樹があった。
分かりづらいかもしれないが、このようにプラタナスの高さを同じにして、隣同士の木の枝を結んで一本一本を丸い形にしてある。
そして全部の木が結ばれているので、何だか手を繋いで踊っているようにも見えた。
この時期はまだ葉が出ていなかったけれど夏になって葉が繁っているところも見てみたいと思う。
きっと木陰ができてその下が憩いの場所になっているのかもしれない。
遊び心でこのようにしたのではなく、このように木陰を作るとか、何らかの意図や目的があるのかもしれないが、とても面白いと思った。
自分も含めて、人はすべての物事に対してこれはこうでなければならないと画一的に考えることの方が無難だと思っているんじゃないかな。
でもちょっと違った視点で見てみると意外と面白く、個性的で素晴らしい物ができるのかもしれない。