日々是好日

撮った写真や思っていることなどを気の向くままに書いています。

加仁湯(再訪)

2024-10-30 07:00:00 | 温泉・宿

奥鬼怒4湯の中の一つ、「加仁湯」に行ってきました。

奥鬼怒4湯は、加仁湯、八丁の湯、日光澤温泉、手白澤温泉の4つで、泉質の異なるそれぞれの温泉に1軒ずつの宿があります。

その中の「加仁湯」はにごり湯など、泉質が異なる5本の自家源泉を所有していて、温泉が自慢の『秘湯の一軒宿』です。

奥鬼怒温泉郷は環境保全のためマイカーの乗り入れが禁止されています。

だから4軒の宿に行くためには約4.5kmの山道を歩いて行かなければなりません。

ところが加仁湯と八丁の湯は宿泊者のみ送迎バスがあるので、山歩きができない人も気軽に行くことができるのです。

 


 女夫淵温泉駐車場からの送迎バスは8kmの林道を走って、玄関前に到着しました。

玄関の右側には誰でも自由に渓谷を眺めながら利用できる足湯がありました。

おなじみの提灯のぶら下がった玄関です。

玄関を入ると正面がフロント、その前にはソファーが置いてあるロビーと売店があり、左手には囲炉裏の部屋。

囲炉裏のある部屋はこの辺りに生息する動物の剥製がたくさん置いてありました。

山奥の宿なのですが、結構大きくて客室数は52室もあります。

建物も本館と積善館は鉄筋4階建て、あすなろ館は木造2階建てに分かれています。

渓流沿いに建っているため、玄関のある場所は本館の2階で、1階はお風呂や食事処になっています。

用意された部屋は本館2階でしたので、フロント後ろから両脇に部屋がある長い廊下を進みました。

 

 

廊下の一番奥、お風呂に近い部屋で、10畳に踏込みのある和室でした。

 

[部屋の窓から見える紅葉]

紅葉も最盛期だと言われましたが、残念ながら今年の紅葉はイマイチのようでした。

加仁湯のオーナーは「今年は寒暖差がなくて、赤い色が出ない」と嘆いていました。

それでも部屋から見える切り立った柱状節理に映える紅葉は素晴らしいものでした。

 

 温泉のこと

加仁湯は温泉を楽しむ宿です。

5本もの源泉がありますから、お風呂の数も多くて温泉三昧です。

男女別に洗い場とシャワーのある内湯があり、その他はすべて露天風呂です。

その中で第一露天風呂だけが女性専用ですが、その他のお風呂は混浴です。

そして、露天風呂のすべてに洗い場やシャワーなどはありません。

 

[第一露天風呂・女性専用]

すぐに第一露天風呂へ。

まだ明るい内だったので、目の前の赤・黄の木々を眺めながら入りました。

ほのかに硫黄の匂いが香る白濁したとっても良いお湯でした。

宿泊者は同年代が多いようで、初めて会った人同士でも和気藹々と話しながらお長々と風呂を楽みました。

 

『第三露天風呂』

混浴の濁り湯です。

脱衣所は男女別になっているので、入り口は別々、お風呂は混浴です。

男性専用の露天風呂がないので、いつでも誰かが入っているようです。

でも、1人2枚のバスタオルが用意されていますので、バスタオルを巻いて入っても良いことになっています。

 

温泉三昧です。

次は『ロマンの湯』にも入りました。

[ロマンの湯の入り口にあった看板]

 

『ロマンの湯』には源泉の違う5つの小さな湯船があって、”利き湯”を楽しむようになっています。

4種類の泉質の温泉をそのまま小さな湯船に流し込んであります。

白濁した温泉、硫黄分を含まない透明な温泉など成分の違う温泉が4種類あります。

温度もそれぞれ違うので、入り比べるのも面白かったのですが、ここも混浴なのです。

だから、誰もいないのを見計らって入りました。

外は既に暗くなっていたので、星がとてもきれいに見えました。

星を眺めながら温泉に入りました。

このように板塀で囲まれた小さな湯船が5つ並んでいます。

2~3人しか入れないような小さな湯船です。

 

『内湯』

 

内湯は1階にあり、ここだけが洗い場やシャワーがあります。

 

この他にも渓流沿いに『第二露天風呂』、『かもしかの湯』、『貸切風呂』などがありますが、1泊ではとても回りきれませんでした。

 

 食事のこと

食事は全員が一緒に、1階の広間でいただくようになっていました。

長テーブルがグループごとに区切られていました。

食事内容は山菜が中心で、あまり手作り感はなくて少し物足りなさがありましたが、温泉湯豆腐などそれなりの工夫はされているようでした。

山奥ということもありますので、仕方ないと思います。

 

 加仁湯は温泉を楽しみに行くところです。

人里離れた秘境の温泉に入りたい人にはオススメの場所です。

山歩きすることもなく、誰でも気軽に行けますから。

冬も送迎バスが運行されていますので、雪見風呂も趣があっていいかもしれません。

 


 

 翌朝、送迎バスを遅い時間にして、すぐ近くの八丁の湯まで散策しました。

昨日来たときよりも木々の紅葉が鮮やかになっているのが分かりました。

[加仁湯付近の紅葉]

 

 

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アメジストセージ

2024-10-28 07:00:00 | 植物

久し振りに小さな公園に行ったら「アメジストセージ」が満開になっていました。

この時期、アメジストセージはとっても元気で、かなり大きくなりますね。

1.5mくらいもあるでしょうか?

大人の背丈くらいの高さになっていて、紫色が遠くからでも目立っていました。

でも、ベルベットのような紫色の部分、これはガクなのです。

ガクには短い毛が密に生えているから、触るとフワフワとしています。

そのガクから突き出るように咲いているのが花です。

アメジストセージの学名は『サルビア・レウカンサ(Salvia leucantha)』で、レウカンサとは”白い花の”という意味のようです。

だからこの花は白色の花が原種なのですが、良く見かけるのは紫色の方が多いような気がします。

紫色が目立つからかもしれません。

他にはピンク色の花もあります。

 

[ガクが紫で花が白]

 

[ガクも花も紫色]

 

[白いガクにピンクの花]

 

花はシソ科の特徴の『唇形花』なの、アメジストセージもシソ科だとすぐに分かります。

そして、この花はシソ科のハーブで、葉を摘むと爽やかな香りもします。

 


 

学名:Salvia leucantha Cav.

英名:Mexican bush sage

別名:メキシカンブッシュセージ、メキシカンセージ

科名・属名:シソ科 アキギリ属

原産地:メキシコ、中央アメリカ

 

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ナツユキカズラ(夏雪葛)

2024-10-26 07:00:00 | 植物

今年も満開の「ナツユキカズラ(夏雪葛)」を見ることができました。

ウォーキングコースの途中、線路に架かる橋があり、その橋を渡った先のフェンスが真っ白な花で覆われているのです。

まるで雪に覆われたかのように咲く「ナツユキカズラ」、毎年この場所で見られる光景です。

 

10mほどあるフェンスのすべてが覆われているのですから、見応え十分です。

元の木は何本あるのか分かりませんが、枝があちこちに伸びて絡まりあっているのでぐちゃぐちゃになっています。

この花の最盛期は6月〜9月のようですが、この場所ではいつも10月半ばが見ごろになっています。

 

--  ナツユキカズラ ---

中国及びチベットを原産とするタデ科のツル性低木。

日本へ渡来したのは江戸時代で、夏から秋に咲く花を観賞するため稀に植栽される。

白い小花が枝先を覆うように多数咲く様を、降り積もる雪になぞらえてナツユキカズラ(夏雪葛)と命名された。

繁殖力が高く、早期に緑化できるため欧米では古くから壁面緑化やグランドカバーに使われ、日本でも近年、フェンスやトレリスなどに用いられるようになった。

上の方にある葉の付け根付近から多数の花柄を伸ばし、直径1センチほどの花が穂状に集まって咲く。

一見すると花弁のように見えるのは先端が五つに裂けた萼であり、花弁はない。

花の色は白あるいは緑を帯びた白だが、ピンク色の花を咲かせる品種もある。花の後には三角に近い果実ができる。(植木ペディア)

 


 

学名:Polygonum aubertii

英名: Silver lacevine

別名:シルバーレース・バイン

科名・属名:タデ科 タデ属 

原産地:中国・チベット、中央アジアなど

 

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新玉川温泉

2024-10-24 07:00:00 | 温泉・宿

秋田県仙北市には玉川温泉と新玉川温泉があります。

両方の宿の距離は約2km離れていますが、ともに同じ源泉が引かれています。

かつてはこの温泉の泉質が塩酸を主成分とした強酸性なので、ここで療養すれば病気(癌)やケガに効果があると評判になり、全国から大勢の病気の人が押し寄せてきたこともありました。

実はこの2つの温泉の経営者は一緒なのです。

それぞれの温泉に特徴を持たせていて、玉川温泉は湯治が主流の施設で、新玉川温泉はで『温泉山岳リゾート』をコンセプトにした施設になっています。

今回、初めてこの温泉に行くに当たって、どちらの施設がいいのか迷ったのですが、「新玉川温泉」の方を選んでみました。

 


 新玉川温泉に行くまでのこと

田沢湖駅前から玉川温泉行きの路線バスで約1時間、途中はほとんど乗降客もなく、新玉川温泉の玄関前に到着しました。

バスは満員状態でしたが、結局全員が新玉川温泉と玉川温泉が目的地だったようです。

 

山の中なのに、思っていたよりも大きくて立派な施設にちょっとビックリです。

温泉山岳リゾートと銘打っていますから、このようにおしゃれになっているのでしょう。

このバスの乗客はほとんどが「新玉川温泉」で降りました。

 

 チェックイン時のこと

バス1台分のお客が一気に押し寄せたのでチェックインも混み合うのかなとも思いましたが、受付のスタッフの人数も多く、要領も良くて、さすがにこのような状態に慣れているといった感じでした。

フロントでは温泉の入り方や岩盤浴についての丁寧な説明がありました。

温泉は強酸性なため、入り方に注意がいるようなのです。

それを書き記したものは部屋にも浴室にも貼ってありました。

 

[広々としたロビー]

 

[ロビーから見た中庭]

ロビーは広々としていて、売店もありました。

 

 今回の宿、写真はこれだけしかありません。

お風呂や食事など、あまりにも人が多くとても写真を撮れるような状態ではありませんでした。

それほど人気のある宿なのです。

 

 室内岩盤浴のこと

この宿には室内の岩盤浴があって、それも楽しみにしていました。

ところが9月まで無料だったのですが、10月からは有料(800円)になっていました。

利用時にはタオルと作務衣も借りなければなりません、それは両方で700円でした。

それでもせっかくだからと、時間を決めて予約しました。

1回の利用時間は50分間です。

予約時間ちょうどに岩盤浴へ、とてもきれいな施設なのですが、誰もいなくてちょっと拍子抜けしました。

きっと有料になったので利用する人が減ったのかもしれません。

ここは温泉が素晴らしく、それで満足するからわざわざ料金を払ってまで岩盤浴をしなくとも・・・といった感じなのでしょうか。

それに本格的に岩盤浴をするならば玉川温泉の方を利用したほうがいいと思うのかもしれません。

この岩盤浴は熱い温度と低い温度の場所が選べるようになっていました。

一番低い温度の場所を選んだのですが、ジワジワと熱くなってくる間、つい眠ってしまいそうになるほど気持ち良いものでした。

 

 部屋のこと

大きな施設なので、A館からD館まで分かれていました。

今回泊ったのがC館の和室でした。

部屋まではエレベーターを乗り継いで、最初はちょっとわかりにくかったけれど、すぐに慣れました。

部屋は広々した和室に次の間があって、既に布団が置いてあり、自分で敷くようになっていました。

アメニティ類も十分に揃っていて全く不自由はありませんでした。

 

 温泉のこと

思った通り、『最高の温泉』でした。

この宿はやっぱり温泉がポイントで、人気があるのが分かります。

浴室は広く、雰囲気は東北地方の湯治場そのもの。

写真は公式ホームページよりお借りしました。

実際にはもっと暗いイメージです。

全部で14種類のさまざまな湯船がありました。

源泉100%、源泉50%、あつ湯、ぬる湯、気泡湯、箱蒸し風呂、座り湯、露天風呂、等々・・・

飲泉もできましたが、すご~く薄めないととても飲めたものじゃありませんでした。(38倍に薄めるのだとか)

温泉は 98°と高温でpH1.2の強酸性、日本一の強酸性泉のようです。

更に硫黄臭と微量のラジウム放射線が含まれています。

入った瞬間からピリピリとした感覚でした。

温泉の入り方は浴槽によって5分とか10分とかレクチャーを受けましたが、やっぱりそれ以上は無理。

想像以上に刺激的で、それでもピリピリが慣れてくると気持ちよくなってしまい、クセになってしまうのです。

各湯船には短い時間しか入っていないのですが、体が芯から温まったのが感じられ、湯上がりの肌はスベスベになっていました。

 

 食事のこと

夕食、朝食ともにバイキング方式でした。

夕食は開始時間が15分ごとに細かく区切られていたのですが、広い食事会場なのにずっと満席状態。

決められた時間に行っても席が空いてなく、待たされたりしました。

人数が多いせいか、料理に群がったり、大声で話していたり、ウロウロしたりで落ち着いて食べることができません。

このような大型の宿ではしょうがないのかもしれません。

料理はきりたんぽ、いぶりがっこなどの郷土料理以外はそれほど特別なものはなくて、ありきたりの感がしました。

オープンキッチンのメイン料理は日によって違うようなので、当たり外れがあるのでしょう。

泊った日はキノコの天ぷらでしたが、次の日はステーキとなっていました。

場所の広さなどもありますが、料理の並べ方にももう少し工夫があれば、大勢の人が群がらなくともすむようになるかもしれません。

 

 その他のこと

新玉川温泉と玉川温泉間の送迎バス「湯めぐり便」があるので、どちらかの宿に泊れば送迎バスで行き来して両方の大浴場が利用できるようになっています。

 

 昔からの湯治宿を現代風にしたような感じで、思っていたよりも大型な施設でした。

日本一の強酸性の温泉は、想像以上に刺激的だったのですが、とっても良い温泉で、”クセになってしまうような”、”また来たくなってしまう”ような温泉でした。

温泉さえ堪能できれば、他のことはあまり気にしないというような人にはオススメの宿だと思います。

 

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コルチカム

2024-10-22 07:00:00 | 植物

「コルチカム」もヒガンバナと同じで、ある日突然花が開きます。

それも1本や2本ではなく、たくさん固まって咲き出すのですからビックリします。

 

花はサフランとそっくりです。

でも、この花はサフランではなく、別名では『イヌサフラン』と呼ばれています。

名前に『イヌ』がついている植物はたくさんあります。

樹木だとイヌシデ、イヌビワ、イヌツゲなどで、花だとイヌタデ、イヌザクラ、イヌバラなどがあります。

これらのように『イヌ』が付いている場合は、「元のものと比較すると、すべてにおいて劣っている」という意味らしいのです。

だからこのイヌサフランはサフランより劣っているということなのです。

どこが劣っているのかは分かりません。

でも、サフランとイヌサフランは全くの別物なのに比べるのも何だかなぁ~と。

サフランはアヤメ科、こちらはイヌサフラン科なのです。

 

開いた花もなかなかのものです。

サフランには全く劣ってはいないと思います。

でも、花はきれいなのですが、猛毒があるのです。

全草にアルカロイドの一種、コルヒチンが含まれています。

葉はギョウジャニンニクと、球根はジャガイモやタマネギと間違えられて、食べると中毒を起こし、死亡することもあるそうです。

しつこく『イヌ』にこだわるようですが、『イヌ』と付いているのはこの毒のせいということにしておきましょう。

 


 

学名:Colchicum autumnale L.

英名:Autumn Crocus

別名:イヌサフラン

科名・属名:イヌサフラン科(ユリ科) イヌサフラン属(コルチカム属)

原産地:ヨーロッパ、北アフリカ、アジア西部

 

 

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