味な湯宿「やすらぎ」は湯田中温泉街から少し離れた場所にあり、ご夫婦で切り盛りしている、全部で6室だけの小さな温泉旅館。
この時期、毎年長野へリンゴ狩りに行くのだが、その時の宿だった。
いつも宿探しをするに当たって、小さくて、食事が美味しくて、価格もリーズナブルなところ、と欲張って宿を選んでいる。
そして、その条件に合ったのが今回見つけたのが「やすらぎ」だった。
長野県の北部にある湯田中渋温泉郷は、温泉に入る野生のニホンザル「スノーモンキー」が有名で、特に海外からの観光客が多い場所。
だからこの日の宿泊客は4組、そのうちの2組が海外組だった。
小さな和風の宿ということでだったが、館内は広々としていた。
玄関の隣には休憩室のようなスペースがあり、自由に飲めるコーヒーやウォーターサーバーなどが置いてあった。
チェックインはこの部屋で行い、その間、奥様はとてもフレンドリーに応対してくださった。
通された部屋は2階で、広々していたがトイレと洗面所は部屋を出てすぐ隣にあった。
まぁ、特に不便は感じなかったけれど、部屋の中にあればもっと良かったのにと思った。
食事について。
宿名が「味な湯宿」とうたっているくらいだから、期待していた通り、食事はどれも美味しかったけれど、味付けがちょっと濃かったかな。
珍しかったのがブドウとリンゴの天ぷらだった。
料理は和風会席だったので、先付けから始まり、メインの信州牛の石焼、最後の水菓子(果物)まで、全部手作りと思われる、ボリュームいっぱいの料理が並んだ。
あまりの量に完食するのに困ってしまうほどだった。
ただ、食事処は大広間で座って食べるようになっていたので、正座ができない人や海外の人たちなどはちょっと食べづらいかな、とも思った。
座敷にテーブルを置くとかすればもっと良くなるのかも。
お風呂は小さい宿ながら、大小2ヶ所の内風呂があり、空いていればいつでも貸切できた。
源泉かけ流し、無色透明のナトリウム‐塩化物泉、源泉温度が68℃となっていた。
最初に入った時は熱かったけれど、だんだん快適になってきて、長湯してしまうほどだった。
[大きなお風呂・檜の湯]
脱衣所にはマッサージ機が置いてあった。
[小さなお風呂・石の湯]
この宿は温泉街から少し離れているので、とても静かだったし、何よりも宿のご夫婦が飾ることもなく、とても気さくだったのが好感が持てた。
このことは最初の宿探しの条件にもう一つプラスされたので、ここは条件以上の宿になった。