日々是好日

撮った写真や思っていることなどを気の向くままに書いています。

「クサイチゴ(草苺)」と「カジイチゴ(梶苺)」

2023-04-20 08:00:00 | 植物

近所には里山ボランティアの人たちが管理している「○○の森」という場所がいくつかあります。

ウォーキングの途中、ちょっと道を逸れてその中のひとつの森に入ってみました。

細い道の両脇がヤマブキで覆われている『ヤマブキの小径』があって、そこを通り抜けたところには「クサイチゴ」「カジイチゴ」の白い花が咲いていました。

 

[ヤマブキの小径]

 

 クサイチゴ(草苺) 

キイチゴ(木苺)の仲間のクサイチゴ、3~5月に開花して、それが6月頃になると赤い実に変わります。

別名では「早稲苺(わせいちご)」、これはキイチゴの中では実が生る時期が早いためだとか。

花弁は5枚、それぞれが少し離れているのが特徴で、葉の両面と茎には繊毛があるためか、葉を触ったらフワフワとしたような感じがしました。

茎や葉柄にはまばらに棘があります。

キイチゴの仲間にはバライチゴ、ニガイチゴ、カジイチゴ、モミジイチゴなどがあり、それらの花は同じようで見分け方が難しいけれど、葉を見ればある程度区別がつくようです。

 

『クサイチゴの葉』


 

 カジイチゴ(梶苺) 

 

クサイチゴは地面を這うようにして広がっていましたが、その上にはカジイチゴ木があり、大きな白い花も目に入りました。

「カジイチゴ」もキイチゴの仲間ですが、葉が大きく艶があり、手のひらのような形をしているのですぐに分かります。

また、他のキイチゴ類と違って花は大きめで、花びらに少しシワがあるのが特徴になっています。

葉の形が『カジノキ』の若い葉に似ているからとこの名前になったらしいけれど、カジノキってクワの葉のようだから、ちょっと違うような気がします。

カジイチゴを見ると懐かしく思い出されることがあります。

子どもの頃、近所に大きなカジイチゴの木があって、橙色の実を食べたり、葉を刺身の下にシソの葉の代わりにして使ったりもしていました。

その頃は名前も分からず、ただキイチゴだと。

そして花は目に入らずに実だけが目当てでしたけれども・・・

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ムラサキケマン(紫華鬘)

2023-04-18 07:00:00 | 植物

ちょっと湿っているような場所で「ムラサキケマン(紫華鬘)」の群生を見つけました。

この花は葉、茎、花など全草に毒があって、触ったり傷つけたりすると悪臭がすると聞いていたので今までは触ったことはなかったのですが、写真を撮るために近づいた時、どんな臭いがするのかと気になって、触ってみましたが、自分の嗅覚がおかしいのか、全く何も感じなかったんです。

悪臭ってどんなものなんでしょうね。

 

 

花はじっくり見るととってもきれいで、葉っぱも明るい緑色だし柔らかそうで、花が咲いていなければセリと間違えてしまいそうです。

 

花が終わった後、実もできます。

サヤエンドウのようですが、この実ははじけるとクルクルと巻き付き、中からタネが飛び出します。

 


 

学名:Corydalis incisa

英名:Incised fumewort

別名:ジゾウマメ、ムラサキカンコ、カジバナ、ネコイラズ、ハッカケなど

科名・属名:ケシ科(ケマンソウ科) キケマン属

原産地:日本、中国、台湾

 


 

似た花で黄色い「キケマン」

 

これも似ている「ヤマエンゴサク」?

エンゴサクは種類が多いし、ヤマエンゴサクにしても葉の形が変化していたりして、特定するのは難しいようです。


 すべて一緒のキケマン属なのですが、ムラサキケマン、キケマンは地下に塊茎を作らず、エンゴサクの仲間は塊茎を作りとのことでした。

(塊茎---植物の地下茎が枝分れし、先端が肥大して塊状となったもの)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ツタバウンラン(蔦葉海蘭)

2023-04-16 07:00:00 | 植物

冬の間でもずっと石垣やブロック塀の間などで紫色の茎を伸ばし、葉っぱだけが目立っていた「ツタバウンラン(蔦葉海蘭)」ですが、こうして暖かくなってきたら一気に花も開き出しました。

 

紫色の花はあちこちで見られるのですが珍しく白花も見つけました。

これは「シロバナツタバウンラン(白花蔦葉海蘭)」と名づけられているようです。

[シロバナツタバウンラン]

 

とても生命力が強いのでしょうね、石垣などの少しでも隙間があればどんどん広がっていきます。

元はロックガーデンなどに使用するために入ってきたらしいのですが、それが逸脱したのですね。

今では雑草扱いとなっていますが、ガーデニングのグランドカバーとしても使用されていたり、元々の目的であったロックガーデンなどでは今でもまだ人気があるようです。

名前は海岸に自生している「ウンラン(海蘭)」に花が似て、葉が「ツタ(蔦)」に似ているからと付けられたようですが、何だか安易じゃないかと・・・

 


 

学名:Cymbalaria muralis

英名:Ivy-leaved toadflax、Kenilworth ivy

別名:ツタガラクサ(蔦唐草)、ウンランカズラ(海蘭葛)

科名・属名:オオバコ科 ツタバウンラン属

原産地:ヨーロッパ

 


 

実はこの花、花だけを見ると似ているものが多いのです。

本当に似ているので今だに区別のつかないものもあります。

ゴマノハグサ科では「ムラサキサギゴケ」、「トキワハゼ」、「マツバウンラン」にも似ています。

そしてシソ科では「カキドオシ」、「キランソウ」、「ジュウニヒトエ」などにもよく似ています。

ウォーキング中に見つけた花をまとめてみました。

ムラサキサギゴケとトキワハゼは少しあやしい気もします。

間違っていたらゴメンナサイm(_ _)m

それほど区別が難しいのです。

 

ネットからの拾いものですが、見分け方の図を貼っておきます。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヒトリシズカ(一人静)

2023-04-14 07:00:00 | 植物

ウォーキングの途中、道路脇のフェンスの内側に「ヒトリシズカ(一人静)」が咲いているのを偶然にも見つけてしまいました。

昔は春になると雑木林などのちょっと湿った場所でひっそりと群れて咲いていたものだったんですよね。

でも、最近ではほとんど見ることもできなくなってしまったので、こうして栽培されているものであっても見つけられたのは嬉しいものですね。

 

 

日本に古くからあった固有種です。

万葉集に詠われている花が集められている、「市川万葉植物園」にも植えられていました。

そこでは「ヒトリシズカ」の歌として、次の長歌が紹介されていました。

つぎねふ山城道(やましろじ)を 他夫(ひとづま)の馬より行(ゆ)くに 己夫(おのづま)し徒歩(かち)より行けば 見るごとに 哭(ね)のみし泣かゆ 其思(そこも)ふに 心し痛し』

和歌の中の「ヒトリシズカ」はつぎねという古名になっていました。

ここでは「フタリシズカ」も同じ長歌になっていて、『つぎね』とはヒトリシズカとフタリシズカの両方の古名だということでした。

 

[フタリシズカ]

 

 

「ヒトリシズカ」は、茎の先に光沢のある輪生状の葉を4枚付け、茎は赤紫色。

長さ2~3cmほどのブラシのような形の白い花が咲きます。

その花には花弁もガクもなく、ブラシの毛のようなものが雄しべで、雌しべはその根元にあります。

 

 


 

学名:Chloranthus japonicus 

英名:Chloranthus japonicus

別名:マユハキソウ(眉掃草)、ヨシノシズカ(吉野静)

科名・属名:センリョウ科 チャラン属

原産地 :日本

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミツカドネギ(三角葱)

2023-04-12 07:00:00 | 植物

ウォーキング中、あちこちで見かけるのがハナニラ。

薄紫色のハナニラの中に混じって、ちょっと変わった咲き方をしていた白い花を見つけました。

それが「ミツカドネギ」でした。

この花のこと、ずっと「サンカクネギ」だとばかり思っていました。

以前に何かで調べたときに漢字で「三角ネギ」と書いたあったので、素直にサンカクと読んででしまっていたのでした。

でもその方が覚えやすいし・・・

 

 

ミツカドネギ・・・正式な名前はアリウム・トリクエトルム。

日本に入ってきたのはいつのことだかは分かりません。

でも食用として導入されたのは確かなようなのですが、今まで流通しているものを見たことがありません。

食用としては失敗だったのでしょうか?

それが逸脱していつの間にか野生化してしまったのですね。

今では地中海原産の帰化植物扱いになっているようです。

少し湿った場所を好むようで、川べりの土手などでは旺盛に繁茂しているところもあるようです。

名前の通り、茎の断面が見事に三角形になっています。

ネギやニラの仲間なので葉っぱをちぎるとニラのような臭いがします。

もともと食用としてで導入されたのですから、葉・花・球根などすべて食べられるようです。

 

下向きに咲いている花をのぞき込むと、6枚の白い花びらに緑色のラインが入って、とても上品そうな花に見えます。

 


 

学名:Allium triquetrum

英名:White-flowered Onion

別名:アリウム・トリクエトルム

科名・属名:ヒガンバナ科 ネギ属

原産地:地中海沿岸

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする