喉飴と鞭による映画・小説・漫画論評~このブログを見る者は地獄を見るだろう~

タイトルの通り、映画、小説、漫画を観終わった後に、感想を書くだけです。コメント頂ければ幸いです。

PLAN 75 (2022)★★☆☆☆

2022-07-10 01:22:44 | シリアス

まず冒頭に、安倍元総理がトラヴィスのような頭のおかしい犯人に銃殺されるという事件が起こりました。

事件は職場で休憩時間に知った。職場のテレビで助かるかどうか懸命に見守ったが、退勤直後、死亡のニュースを知った。

安倍さんを熱烈に支持していたわけではありませんが、外交は間違いなく超一流であったといって良いでしょう。

そして、戦後初めて元総理が暗殺されるという事態に直面し、とうとう戦前に戻ったかという絶望感に包まれています。

二・二六事件で高橋是清・斎藤実が暗殺されて以来です。高橋是清は財政論かなにかの講義で必ず出てくるので知っていたが、斎藤実は知らなかった。

五一五事件や二二六事件は、陸軍の犯行だが、今回は一般人によって殺された。原敬も頭のおかしい奴に刺殺されている。

総理経験者としては、7人目の犠牲者となった。

だが、トラヴィスが世界中にいることは周知の事実である。

今回ショックだったのは、安倍さんレベルの要人に対して、SPが1人しか付いていなかったということ。

SPは現役の閣僚に主に付くだろうから、人員が足りなかったのか。SPの人員配置は増やすしかない。

遠くからライフルで狙撃されたとかなら責められないが、国家公安委員長、警察庁長官、奈良県警本部長の辞任を求めます。

安倍さんは自民党最大派閥の長であり、実質最高権力者であった。それゆえに狙われやすいのは当然のこと。

今回の事件で安倍一強の自民党、特に安倍派は苦境に立たされるだろう。

日本にとっても強力な外交カードを失った。世界にとって大きな損失だ。

 

安倍さんが狙われた動機は統一教会絡みだというが、安倍さんを狙う動機としては意味不明であり、本当は教団幹部を狙っていたというのだから巻き添えもいいとこだ。安倍さん以外にも統一教会絡みの議員なんているのだから、ただ有名=最高権力者だから狙ったに過ぎない。

一強のリスクは、突然暗殺されたときに起きる。昨日で日本の未来は大きく変わったことは間違いないだろう。

ショックで昨日はなにもできなかったが、これは犯人の凶行のせいで日本の未来が変えられてしまったというショックだ。

 

私自身は、総理経験者は細川、小泉のように即引退するのがあるべき姿だと思っている。安倍、麻生のように総理退任後も派閥の長に居座るのは、再登板を狙っているかに他ならない。後継者が育たなくなるのだ。

原則、国の舵取りは一度切りにしないと、自分の党のクビを絞めることになる。今日の参院選では自民に同情票が集まっても、長期的には野党が有利になるかもしれない。

安倍さん自身の命も、引退して権力放棄すれば狙われにくかったはずだ。

だから私は安倍さんには引退してほしかったが、それは選挙で引退に追い込みたかったということであり、この凶行はすべての民主主義者を否定するものだ。

いずれにせよ、冥福を祈る。奇しくも安倍慎太郎と同じ67歳没。

PLAN75までまだまだ時間があったのに無念だろう。

そして、私も頑張り続けます。では本題。

 

親友が観たというので鑑賞。

 

監督・脚本:早川千絵

製作:水野詠子
   Jason Gray
   Frédéric Corvez
   Maéva Savinien

製作総指揮:小西啓介、水野詠子、etc

出演:倍賞千恵子、磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン

音楽:Rémi Boubal

制作:ローデッド・フィルムズ

配給:ハピネットファントム・スタジオ

上映時間:112分

 

シネスイッチ銀座にて鑑賞。シネスイッチ銀座は初来訪。

チケットをオンラインで購入したのだが、日付を誤って購入するという大馬鹿ミスを犯し1800円をドブに捨てた。こんなことは初めてだ。

これは、TGCグループのインターフェースがやや不親切であったことに尽きる。

銀座というだけあって、ばばあ多すぎワロタ。

館内はビールも気軽に買えるし、最高やん。

 

スクリーンは小さい。ばばあは紙袋をごそごそして手も何度もぶつけてくるし、やかましい。

あまり集中して観ることはできず、最初の一時間は半分寝ていた。

 

なんというか、静かな映画なのである。

音楽もほとんどかからないし、DOMMUNEで柳下毅一郎も言っていたが、淡々としすぎているのである。だから寝るのも無理はない。

そして、本作だからばばあじじいが多かったのだ、ということも理解できた。あ、ちょっと口が悪すぎましたね。前期高齢者と言い換えます。

結構、自分事だと思って観に来るんですね。

 

本作はやまゆり園の事件を彷彿とするシーンから始まる。

あれは障害者が標的にされたが、映画では高齢者施設。

 

75過ぎたら安楽死という。スーパーのパートも75歳まで働ける社会になった。高橋ヨシキが言うように、本当にレジ打ちはシニアばかりだ。

つまり、働けなくなったら死ぬことを推奨される社会が到来すると。

だがこれは既に起こっていて、年金が受給されるのは年々後ろ倒しになっている。それを映画ではストレートに表現しているだけ。

結局、倍賞千恵子演じる角谷は、最終的にPLAN75から離脱するが、その動機が弱い気もする。

岡部は選択する。

高齢者施設で働く自分にとっては、安楽死を迫られるのって、もっと非生産的な人なんじゃないかという気がする。

岡部も角谷も、元気な方の老人でしっかりしている。

年齢だけで社会にとって害と区切られるのは違和感がある。

映画でも、選択制ではあるのだが。

 

 

柳下が角谷が最後、自然と調和して生きようと決意するのは弱いと語る。

成宮との交流がきっかけで生きることにしたい、という風にはならなかったのか。

以上。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ナイト・オブ・ザ・リビング... | トップ | BROTHER (2000) ★★★★☆ »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ぺんたろー)
2022-08-03 15:49:05
監督は実際に「やまゆり園での事件」を見て、命の尊厳について思いを馳せ、この作品を作ったそうです。

もうひとりの主人公とも言える役所の青年やオペレーター、みな善人。
しかしホームレス排除アートや、マニュアル化されたPLANの同意への誘導方法など、「悪意を感じる」モノが挿入されることによって個人ではなく社会的に一つの流れが形成されていくことに、家族に花束を買って帰るユダヤ人収容所のアイヒマンのような恐ろしさを覚えます。

やまゆり園の事件とは、この映画の内容と若干違うので安易な比較に違和を覚えるところもありますが、人の命(特に自分とは一見無関係で遠く思える人間)の尊厳について一考する映画ではありましょう。
返信する

コメントを投稿

シリアス」カテゴリの最新記事