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タクシードライバー コレクターズ・エディション [SPE BEST] [DVD] |
クリエーター情報なし | |
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント |
BSプレミアムで録画したものを観賞。
言わずと知れた名作。
監督マーティン・スコセッシ。
脚本ポール・シュナイダー
音楽バーナード・ハーマン
主演ロバート・デ・ニーロ。
助演シビル・シェパード、ジョディ・フォスター。
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ジョディ・フォスターの真実 |
フィリッパ ケネディ | |
集英社 |
母親がジョディ・フォスターのファンであることから本書が家にあった。
本書に、『タクシードライバー』の大統領銃撃シーンを観て実際にロナルド・レーガンを狙撃した
ジョン・ヒンクリーの話が載っていて、そんなに影響力の大きな映画なのかと興味津々になり、観ることに。
物語の筋書は重い。ベトナム派兵から帰還したデ・ニーロ演じるトラビスが主人公だ。
舞台は70年代の荒れ果てたニューヨーク。
彼は戦争の後遺症で不眠症になり、定職に就けないことから職安で夜勤のタクシードライバーの職を得る。
勤務中に彼は次期大統領候補の選挙事務所に勤務するシビル・シェパード演じるベッツィーに惹かれる。不器用ながら猛烈にアタックするトラビスだったが、不器用さゆえに破局してしまう。
それから彼はますます孤独感を増す。職場の上司に今の生活から抜け出し、とにかく何か大きなことをやってのけたいと告白するトラビス。
タクシーにパランタイン候補が乗車してくる日があった。この荒れ果てた街を浄化してほしいと懇願するが、それは難しいことだと言われる。
不良が車体に物を投げつけてくる日々。
そんな中、トラビスのタクシーにジョディ・フォスター演じる少女アイリスが飛び込んでくる。だが無理やり男に連れ戻され出て行ってしまう。
その出来事を機に非合法に拳銃を仕入れ射撃と肉体の訓練を始める。もはや狂人と化していく。
その後偶然スーパーの強盗を射殺する。さらに偶然アイリスと売春宿で出会い、ここから抜け出し家に戻るよう説得する。しかし説得の効果空しく、相手にされないトラビス。
そしてとうとう大統領候補パランタインを射殺するという計画を実行に移すのであった…
バーナード・ハーマンの音楽が素晴らしい作品です
音楽によって作品全体にけだるい感じをもたらしています。
主人公のトラビスは不器用な性格で危なっかしい雰囲気があり、やることなすこと常識の範囲を超えています。決して悪い人ではありません。
タクシー運転手の上司がトラビスに「俺たちは負け組だということを分かれ」と口説くシーンにぐさっときましたね。僕も負け組です。もう分かっています。しかし、承認欲求がとても高い人間です。心を病んだらいつトラビスのようになるか分からない。。。。。
爆笑問題の太田光が、TVブロスのコラムで最近の銃乱射はトラビスと重なる所があるのではないかということを問いかけていました。同時にトラビスは罪のない人を無差別に撃ったりしていないから全然違うと否定もしていました。
しかし重なる所はあるかもしれません。
人間大きなことを成し遂げたい、と思うものです。私も根底にありますが、大きな望みを持つことはやめました。もちろん目標は生きていく上で必要です。しかし身の程を理解して、あまり高い理想を持たず生きていくのが幸せ…なのか…この映画の結末は、その答えまでは与えてくれません。
トラヴィスに共感できるかどうかは別として、社会に認められないから復讐する(いやむしろ大きな革命のような事件を起こして自分を認めてもらうのだ)という構図はワガママかもしれませんが、社会に必要とされない者の最後の手段なのでしょう。そういった人に手を差し伸べられるのか?あるいは社会にどうやって自分の価値を認めさせるのか?答えは……一生かかっても見つからなさそうですね。