野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

2005年 5月の活動報告

2019-02-23 | 野生生物を調査研究する会歴史

ホームページの扉のページの活動紹介から
2005年5月5日掲載
徳島県の轟の滝に行った時の植物と山の様子です。スギの植林の間にシイの花がきれいに咲いていました。
2005年5月8日掲載
ナチュラリストクラブと合同の里山保全活動〔5月8日(日)〕。たくさんの方に参加していただきました。みなさん、汗をかき、お疲れさまでした。お昼はうどん鍋をみなでおいしくいただきました。いろんな山野草を見ることができました。
 

2019年2月 ナチュラリストクラブ記念講演

2019-02-23 | 野生生物を調査研究する会歴史
2月17日 第11回ナチュラリストクラブ記念講演
「ひと くらし 自然 民俗学の視点から」
アセビ、ネジキ、シャシャンボ
1.県内分布と方言
 アセピ-----------花期3~5月----各地 --- アセボ、アセブ、ムギメシシバ、サイセプ
 ネジキ----------- 〃 6 ----各地 ---- カシオシミ、カツプシ
 シャシャンボ----- 〃 7 ----阪神、東、中、西播磨各地--- ソバノキ、シャンショビ
 
 
2.アセピ
・「牧野新日本植物図鑑」(1961北隆館)
 有毒植物で、その葉を煎じて菜園の殺虫剤に用いる。馬が葉を食べると苦しむといい、馬酔木とも言われる。
・「樹木大図説」( )
 方言--足しびれ説--アシピ(アシシビレから)
 悪しき実説--アシミ、エセミ、エセビ、エセボ
 花、実のなる様--コゴメバナ、コメノキ、ムギメシバナ、ムギメシシバ
 有毒性---ドクシバ、ウジハライ、ウマクハズ、シカクハズ
 この樹の毒性
 毒成分は、アンドロメドトキシン、アセポチン、グラヤノトキシン、アセボプルプリンで、アセビの煎じ汁使った
 毒殺事件が、S7年埼玉県で発生している。
 獣類が食わぬので、放牧園、牧場等に用いる唯一の常緑樹であり、奈良公園の例がそれで、ナギとともに用う。
 「大和本草」(1709貝原益輔--微毒あり、馬此葉食らえば死す、--
 「本草綱目啓蒙」(1803小野開山)--若し牛馬この葉を食えば酔るが如し、故に馬酔木と云、鹿之を食えば不時に角
 解す、又菜園に小長黒虫を生ずるにこの葉の煎汁を冷め潅くときは、虫を殺す。----
・「おばあちゃんの植物図鑑」(1995葦書房)
 椎葉ではエナバ、ミソウシナイという。
 「終戦前後は農薬がなかったから、エナバ(アセビ)の枝を折って、畝のあちこちに指した。そうするとにおいを感
 じて虫は逃げた。それと昔牛のシラミ取りに、エナバを炊いて煎じ、冷やしてから牛を洗うと、シラミが全部死ん
 だ。」.
・「茶ア喰らい爺」(1994初芝文庫).
 S61年聞き取り調査(高知県大豊町出身者)
 畑の菜に虫がわくと、アセビを釜に入れて炊いた汁を菜にかけて殺したり、牛や馬にシラミがわいたときも、この
 汁をかけてシラミを殺した。
2.ネジキ
 ・「牧野新日本植物図鑑」(1961北隆館)
 幹は普通ねじれているので、ネジ木という。新枝、新葉ともに赤いので、塗りばしともいう。
 ・「同名異木のはなし』(1987思文閣出版)
 潅木性の小木で若い枝が紅色、材の色調も淡紅褐色である。一一この木も多くの異名をもっており、アカギのほか、
 アカメ、アカヅラなどアカの付く名が多く、樹皮がつるつるしているのでサルスベリともいう。
 ・「樹木大図説」( )
 方言--  説---カシオシミ、カシオシ、カツオシミ、カシモドキ、カタオシミ
 幼枝赤色から---アカギ、アカメ、アカヅラ、アカネジ、アカキ ---ヌリバシ、ヌリバシノキ、キツネノヌリバシ
 花、実のなる様--メシツボノキ、メシツブノキ、コメゴメノキ ---オジゴロシ
 葉は家畜に極めて有毒、かって山羊はこれを食し死亡した。毒はアンドロメドトキシンである。
・「植物と民俗」(1969地球社)
 ① カシオシミ--ネジキの準標準和名として最も広く分布し、変化にも富んでいる。同一系の方言としてカシオシメ 、カシオズミノキ、カソーシ、カツブシ、カシボシ、カスオシ、カスオシミ、カスホシミなどがある。
 ほぼネジキの天然分布の全域にこの方言が通用する。
「本草啓蒙--この枝を炭となし漆塗りの研ぎ出しに用ゆ、この炭をカシオズミと云--」とあり、山
 城国岩倉の方言にネジキをカシオノキがあることから、カシオで焼いた炭の意である「カシオズミ」→
 「カシオシミ」となった
②ヌリバシ--「本草啓蒙」に「新枝は赤して光あり、朱漆の如し、故にヌリバシと云」とあり。伊勢、山梨塩山
 にこの方言あり、類似にハシノキ(岡山)、アカバシ(三重)、アカハシノキ(福井)、サルノサ
 イバシ(山城上加茂)、キツネノヌリバシ(近江)、シシクイバシ(香川)などがある。
③オジゴロシ--ネジキで焼いた炭にまつわる語源。
 ・ネジキの炭は堅く火がなかなかおこらないので、おじ(オジ)が火を吹きつづけて遂に息が絶えた
 ・ネジキの炭は堅く火がなかなかおこらないので、おじ(オジ)が火を吹きつづけて遂に息が絶えた。
 ・ネジキの炭は堅く火がなかなかおこらないので、炭が売れず炭焼きのおじ(オジ)が死んだ。
 ・ネジキの薪は燃えにくく盛んに煙る、昔山小屋に住む老人があまりの煙に窒息して死んだ。
  方言地--大和吉野、伊勢一志、伊勢度会、伊勢大杉谷、紀伊東牟婁郡、大和十津川村
 
3.シャシャンポ
 
・葉裏の主脈に突起があり、爪先で触るとひっかかる。
・「牧野新日本植物図鑑」(1961北隆館)
 果実は液果となり、小球形、紫黒色に熟し、甘酸っばく食べられる。
 実が丸く小さいことによる。
・「樹木大図説」( )
 シャシャンボとは「小さい坊」の意味、小果の多く生ずる形に由来す。
 方言---ワクラハ、アクラ、
 ---サセンボ、サシプ、ササブ
 果実は外面粉白色で紫黒色、球形、甘酸の味あり小児好んで生食す。

2007年 4月21日(土) 六甲山でスミレの観察

2019-02-23 | 野生生物を調査研究する会の紹介
●2007年 4月21日(土) 六甲山でスミレの観察
今年度最初の活動は六甲山でスミレの観察を行いました。
本日のコースは阪急御影ー白鶴美術館ー住吉川左岸・右岸ー五助橋砂防ダム(昼食)ー打越山ー八幡神社ー阪急岡本。
阪急御影駅に10:00集合
手作りのスミレの写真の資料と学名の入った細かいイラスト入りの資料もいただく。
さあ出発!白鶴美術館を少し上ったところでシロバナタンポポを発見。
アケビの花もたくさん見かけました。秋になったら・・・と食いしんぼうの会員が舌なめずり。
スミレを探しながら山道を歩く
ときたま上に目をやると新緑の萌え始めが微妙なグラデーションで美しい!
 
今回 見つけたスミレ

アオイスミレ発見。少し時期としては遅いのですがよくぞ見つけてくれました。
最も早く咲くスミレのひとつ。果皮片はほかのスミレのような舟形にならず、種子をはじきださないスミレ
花期は3〜4月。
 
ナガバタチツボスミレ
タチツボスミレは根生葉と茎葉がほぼ同じ形。ナガバタチツボスミレは葉が細長く、成長とともに三角形から被針形になる。
また托葉の裂け方がタチツボスミレよりやや粗いのも区別点のひとう
早春のころは葉の裏面が紫色をしているが、初夏には紫色は薄くなる。
 
シハイスミレ
和名の由来は、葉の裏が紫色を帯びることから「紫背スミレ」。
 
オオタチツボスミレ
北方系の種で、日本海側に分布する多年草。六甲では北方系の種も見られることから、氷河期の生き残り。
タチツボスミレと見分けるのに、茎が立ち上がって花はすべて葉の腋から出ること
最上位の葉の上に花を乗せて咲かせるように見えること、
距が白色であること、
やや花の色が薄い点などで見分ける。
 
ツボスミレ
湿った草原などに生育する。
花は小さく、白色で中心部に紫褐色の文様がある。
別名ニョイスミレ。
スミレの仲間の花期が終わったころに花をつけるので、「最後のスミレ」などと呼ばれます。

ニオイタチツボスミレ
花は径2cmほどで濃紅紫色、花の中心が白い。
「ニオイ」は花に芳香がありますが、タチツボスミレと比べると花の形や花色は全く違います。
ニオイタチツボスミレはタチツボスミレと比べて、花弁が丸く花弁がそれぞれ重なっていること、
花の中心が白く抜けたようになっているところが違うので見分けられます