シイの森
西南日本の潜在植生は照葉樹林(常緑広葉樹)、東北日本では落葉広葉樹です。
潜在植生とは人間が開発しなかったら成立するであろう植生です。
照葉樹林ではシイやカシの木のトングリ主ですが、落葉広葉樹はドングリのの種類はたくさんあります。
その昔、西日本では照葉樹林の森を人が生活のため伐採が始まります。そして、人が利用した後に再生してきた森林が誕生します。二次林といいます。二次林も自然林ですが、手つかずの天然林は一部にしか残っていません。
宗教的に保護されている場所では潜在植生が残っている場合がります。社寺林です。
照葉樹林は西日本を広く覆っているはずですが、社寺林の樹木の種類が何かを調べることによって潜在植生の分布域を調べることができます。
照葉樹林を構成する主要樹種であるシイ属(Castanopsis)は東南アジアを中心に約130種あります。
そのシイの多くはクリの様に長い刺がありますが、日本周辺〜東アジアに分布するシイの多くはドングリです。日本のシイ類はシイ属の分布の北限にあたります。
スダジイは主として海岸沿いに生育し、コジイ(ツブラジイ)はスダジイより内陸に生育するといった生態的特性がみられるものの、しばしば同じ場所でもみられます。実のほうもコジイスダジイの中間を示すものもあり、見分けることは困難なところもあります。そのため、遺伝子による研究も進められています。
阪神間の社寺林でみられるコジイ群落
生きている武庫川を編集する際にしらべた駒宇佐八幡神社
図面からもほとんどがコジイでしめられていることがわかります。
5月今が シイの花が咲く観察ができる時期
雄花はみつけやすいですが、ぜひ雌花もさがしてみてください。