猪名川下流の魚たち2(「生きている猪名川改訂版」より
下流域は水温が高く、餌やすみかが豊富にあるため、様々な魚がすんでいます。
オイカワ(コイ科)
全長約15cm。水の汚れに比較的強く、中・下流域に広くすんでいます。特に成魚は浅くて流れのあるところを好みます。雑食性ですが、アユと同じように、石についた藻が好物です。
冷たい水が苦が手なので下流のオイカワ、上流のカワムツとわかれるようです。
5~8月は繁殖期でオスはきれいな婚姻色になり、川底に砂や小石のある所になわばりを作ります。きれいなオスは多くのメスと繁殖行動をとるのでやがてつかれて死んでしまいます。その結果、秋にはメスの数がオスより多くなってしまいます。(もてるのもよし悪し・・・)
ナマズ(ナマズ科)
全長約50cm。口ひげが2対あり、背びれが小さいのが特徴です。体表は粘液でぬるぬるしています。
流れのゆるやかな淀みや水田につながる水路などにすんでいます。昼間は石の間にひそみ、夜になると出てきて小魚、エビ類、水生昆虫などを食べます。
5月~7月が繁殖期で本流から移動し、水田や岸近くの水面に浮いている藻や水草に産卵します。仔稚魚は水田側溝や用水路泥底などで大きくなります。
ドジョウ(ドジョウ科)
全長約12cm。褐色の体に細かい斑点があり、腹側は白色です。口ひげは5対あります。水田や水田につながる水路の砂泥底にすんでいます。エラとともに、腸でも呼吸することができ、時々水面に浮かんでは泡を出していることがあります。
ドジョウの語源
- 土から生じるので「土生」、②土が長じて成るので「土長」、③髭のある尉(翁)のようであるから「土尉(どじょう)」、④髭があるから「泥髭(どろせう)」、⑤泥に棲むことから「泥津魚(どろつうお)」、など諸説あります。
近年の造伝学的研究で、日本のドジョウは5種類いることがわかった。中島・内山 (2017) は形態学的な特徴を加味して、日本列島でみられるドジョウ属を ドジョウ(本州から九州)、キタドジョウ(北海道から関東北陸)、シノビドジョウ(奄美群島)、ヒョウモンドジョウ(与那国島)、カラドジョウ(外来種)の5種として整理した。