里地里山の1年 5月下旬里地 田植えのころ
田植えが終わる。田の周りは田植えの前に草刈りをして、作業がやりやすくするため、また害虫などの発生をおさえる。
草刈りは草刈り機で行うが1枚の田んぼの広さが約1反(農家の人はm2の単位でなく、この単位がしっくりいくらしい。300坪、990m2となる。谷筋に広がる田なので、平野部のような広い田の面積はとれない。)畦の長さは30m×4=120mの草刈りとなるので、鎌でかっていた昔の人の作業の力はすごいなと思う。1枚の田んぼの草刈りが45分ほどで、みんなで7枚の田の畔の草刈りとなる。
昔は家族みんなでおこなうという意味がよくわかる。田植えの時は学校も休んでいいという昭和の中頃までそんな時代があったそうな。
田植えも機械で、1枚あたり1時間ですむので、7枚の田植えも2日で終了。
田の周りは、草を刈ったところもすぐにはえてくる。ひと雨降ればイネ科の植物など30CMぐらいは平気で成長するのでおどろきだ。
5月29日近畿は梅雨入りにはいり、農家は草との戦いになる。
5月下旬にであった田植えのころの田のまわりの植物を紹介する。
ウシハコベ(ナデシコ科)
中心から放射状に白い糸の花柱が5本あります。ミドリハコベやコハコベなど、 ナデシコ科ハコベ属の植物のほとんどが、3本なのでみわけがつきます。花びらは5枚、10枚のように見えますが根本でくっついています。
キツネノボタン(キンポウゲ科)
「キツネ」は似ても劣る意味があり、ボタンの花にくらべ貧弱なところから名前がつきました。毒があるのでたべることはできません。
コナスビ(サクラソウ科)
地を這う小型種であることから草刈り機でも生き残ることができる。花びらのように見えるが、先のとがった5裂する萼(ガク)に包まれてできる果実が,なすびの形に似ているのでこの名がついた。
シロツメクサ(マメ科)
「4つ葉のクローバー」が見つかるとラッキーな植物です。本来は3 枚 1組が1つの葉です。
4つ葉のできやすい株が園芸用に栽培されており、中には5つ葉など4枚以上にができるそうだ。
ニガナ(キク科)
茎や葉を傷つけると出る白い汁が苦いので、この名がついた。ニガナの花(舌状花)の数は5個のがよくみられるが、写真は6個。場所によっていろいろなので注意して観察したい。
ミツバツチグリ(バラ科)
関西より西でみかけるツチグリの根は食べることができるが、ミツバツチグリのは食べることができません。ツチグリの根を焼いて食べると栗のあじがするそうです。葉の形が三つ葉状で、葉柄の基部にある托葉に数個の切り込みがるところで見分けます。
ノビル(ヒガンバナ科)
ネギのようなニンニクのような。写真の上部にある膨らんだ白い部分(種球)を細かく刻んでみそに入れてネギみそにして食べるとうまい。地面の下にはラッキョウのような鱗茎がありこれも食べることができる。花がさかないでむかごできることもある。
ハルノノゲシ(キク科)
とげのあるぎざぎざの葉、ちぎると白い乳液がでる。とげに触ってもいたくはないが、中にはいたいものがある。それはオニノゲシ。この葉葉がケシの葉に似ていることで名がついた。「ハル」とついていますが1年をとおしてみられる。