鳥のさえずり 「札幌ラーメン 味噌ラーメン」
5月、野鳥は巣づくりに忙しそうです。オスはメスに対しての求愛と、縄張りの主張のためにさえずります。このさえずりを人の言葉に置き換えたのが「聞きなし」です。
「札幌ラーメン 味噌ラーメン」と聞きなしの鳥はホオジロです。
日本野鳥の会『フィールドガイド日本の野鳥』には、ホオジロのさえずりを
「チョッピーチリーチョ、チーツク」「チョッチョッスチョホイツケ」とあります。
これは、読んだだけでは伝わりにくいでしょうね。それで、聞きなしで表現ということに。
「一筆啓上つかまつり候(いっぴつけいじょう つかまつりそうろう)」と古くから聞きなしの本に書いてあります。
高野伸二(著)『野鳥を友に』(朝日文庫)には、上述以外にも
- 「源平つつじ白つつじ(げんぺいつつじしろつつじ)
- 「丁稚賓附(でっちびんつけ)何時(いつ)つけた」
- 「取って五粒二朱負けた」
- 「ちんちろ弁慶皿持って来い」
- 「ちょん米つけもちつけよ」
- 「おらがとと三八(さんぱ)二十四」
が紹介されています。
言い方が古いので、むかしからよく知られた野鳥であったことがわかります。
「札幌ラーメン 味噌ラーメン」というのが、今の聞きなしの表現にあってそうです。
普段は草の中から「チチッ」と2~3回ずつ鳴きながら移動しています。「チチッ」は地鳴きといいます。
5月に「聞きなし」が聞ける野鳥には次のようなものがいます。
ウグイス
ウグイスは早くも2月ごろから「法、法華経(ホー、ホケキョ)」と鳴くため別名「 経読鳥(きょうよみどり)」とも呼ばれています。8月ごろになると地なきになりて「チャッ、チャッ」と鳴きます。
メジロ
メジロの眼を見ると周囲に白いリングのような羽毛が生えています。それで、目白いメジロと呼ばれています。
メジロのさえずりは「長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛(ちょうべいちゅうべい ちょうちゅうべい)」です。
センダイムシクイ
ウグイスの仲間ですが、4月中ごろにやってくる渡り鳥です。
渡り鳥の多くは昼間に餌を食べて、夜間に移動をすることが知られています。
センダイムシクイは「焼酎一杯グイー(しょうちゅう いっぱい グイー)」とさえずります。
ほかに、①「疲れたビー」、②「鶴千代君(つるちよぎみー)」。