猪名川回遊魚1(生きている猪名川改訂版より)
川と海を行き来する魚を回遊魚といいます。
このような回遊魚は通し回遊魚とよばれ、4つのタイプにわけられます。
1.遡河回遊魚:海で成長し、河(淡水)で産卵する魚
サケが有名ですが猪名川には遡上していません。近くの川だと由良川に遡上してきます。
「生きている由良川」で紹介して言います。
2.降河回遊魚:川で成長し、海で産卵する魚
ウナギが有名です。
3.両側回遊魚:2タイプ
A)淡水性両側回遊魚:
川で産卵し、海に降りて成長、その後川にそ上してさらに成長したのちに産卵する魚
アユが有名です。猪名川では、トウヨシノボリ(ハゼ科)がこのタイプです。
B)海水性両側回遊魚:
海で産卵し、川にそ上して成長、その後さらに海で成長して産卵
日本には典型例がいません。ボラ、スズキなどがこれに近いと考えられています。
アユ(キュウリウオ科)
体長10~30cm。春から秋にかけて、川の中流域で生活しています。秋になると下流域に移動して産卵した後、死んでしまいます。岩など表面についている藻をたべます。唇をこすりつけて食べるので、石などの表面に独特の「はみあと」が残ります。
藻川ではアユが増えるように環境整備を進めています。
また、猪名川の支流の一庫大路次川はダム湖産アユの遡上が見られます。Blogを見てください。
ウキゴリ(ハゼ科)
体長約 10 cm。第1背びれ後部に黒斑があることと体側に四角形の模様が並んでいるのが特徴です。河口域から下流域の流れの穏やかな場所にすんでいます。動物食で、水生昆虫、小魚、甲殻類などを食べています。
カワヨシノボリ (ハゼ科)
全長約6cm。砂や小石の底にすんでいます。こぶし~人頭大の石の下にひそんでいたり、吸盤状の腹びれを使って、岩の上に付着していることがあります。雑食性ですが、水生昆虫や小魚、他の魚の卵などを好んで食べます。カワヨシノボリは通年川の中で過ごします。