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小池光「バルサの翼」転位する夏の歌

2012-01-12 04:51:26 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
一夏過ぐその変遷の風かみにするどくジャック・チボーたらむと

この一首で「バルサの翼」が終わる。この一首の「夏」はチボーたらむとした青年期の終わりだろう。ただ、これで終わりではない。私はこの歌集で短歌を詠む上でのテーマを持ち続ける意味、一首一首の独立性の大切さを改めて感じた。一つの自問をいつも胸に置いていたなら必然、歌は共通項を持つ。連作は作るものではない。気が付けばそうなるものなのかも知れない。

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