ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

詩、不在

2012-09-30 14:42:53 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
ここからはゆっくり飛んでいるように見える飛行機も実はものすごいスピードで飛んでいるということ。

もしも君に出会わない今があったとしたら僕は子供のままでいられたこと。

夜にも美術館の数々の絵画は相変わらず美しいが見る人がいないということ。

高い木の枝に巣を張り待ってばかりいる蜘蛛。

秋の街の向こうに夕陽が落ちたら輝きを少しずつ増す月。

太陽をしばらく直視したあと網膜に残る光。

坂の上から下までボンヤリとしたオレンジ色の川のように流れる街灯。

僕はいつでも何も聞きたくなくてイヤホン。

河原には打ち捨てられたスケートボード。

淋しくなっていくばかりの鼻歌。

救われる者の不在。

光り射す場所に間に合わなかった。

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