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血を通わせるために

2022-03-21 07:52:00 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
生きるとは死ぬとは臭いの発すもの 夏草刈りのあとの夕暮れ (竹田正史)

上句で謎が提出される。
見事に下句で謎が回収される。
「夏草」は生命力が強い。
それを「刈」る。つまり、夏草の死。
「夏草刈りのあと」も、作業の後の汗の臭いを感じるし、「夕暮れ」にもどことなく死の匂いがある。

実体験かどうかは問われない詩形ではあるが、実感が伝わると短歌に血が通う。


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