「突然で一時的な、仮装、物真似などの、笑いを目的とした、戯れ、遊びを〈にわか〉と言うようになった」と定義した。
しかし、全国の祭礼で行われる「にわか」を調べると様々である。。
①山車・屋台をにわかと呼ぶもの
②仮装・即興・滑稽な踊りをにわかと呼ぶもの
③神楽舞の中の演目をにわかと呼ぶもの
④囃子・囃子唄をにわかと呼ぶもの
⑤祭り全体をにわかと呼ぶもの
⑥作り物・短歌・川柳をにわかと呼ぶもの
⑦地歌舞伎をにわかと呼ぶもの
⑧滑稽な寸劇をにわかと呼ぶもの
「祭礼の中で行われる人々の工夫」が「にわか」ということになる。実は「にわか」という言葉が使われる前、この「祭礼の中で行われる人々の工夫」を「風流(ふりゅう)」と呼んでいた。古文で習った「ふうりゅう」とは少し違う。
・風流(ふうりゅう)=しみじみとした情緒(貴族のもの)
・風流(ふりゅう)=うきうきとした気持ち(庶民のもの)
鎌倉時代以降、祭特権階級のものであった祭りに、庶民が積極的に参加していく。その年一回きりの祭りは庶民にとってはハレの日である。
・ハレ(晴)の日=非日常=遊び・戯れ(楽しみ)
・ケ(褻)の日=日常=労働(苦しみ)
そこでハレの日をよりよいものにしようと工夫と趣向を凝らす。それを貴族の「ふうりゅう」に対抗して「ふりゅう」と言ったのである。この「ふりゅう」によって、祭りは「見せるもの」へと変化していく。
現代でも「風流 お好み焼き」とある看板の「風流」は、工夫を凝らしたという意味の風流(ふりゅう)である。
ところが、永い戦国の世となり、「ふりゅう」という言葉はいつしか忘れられて、「にわか」という言葉に言い換えられていった。
俄とは、年に一回の祭礼における、仮装、物真似、山車、神楽、舞、囃子などの人々の工夫、趣向であり、笑いを目的とした戯れ、遊びである。
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