大地一人、作詞家の西条八十を敬愛している。
しかし彼を誉めると、
「いや、あいつは軍歌を作った殺人鬼である」
という人から悪口を言われる。
ところで、昭和10年代の日本は、
しょせん、軍国主義の時代だ。
しかも、生きるためには、生活費を稼がないといけないのである。
その中で、「どうせ戦死するなら、気持ちよく戦死するための唄」
を作ったのが、西条さんだったと思う。
いわば鎮痛剤だ。
しかも戦前の西条さんは、軍歌を超えた名曲を作詞している。
たとえば「東京行進曲」「東京音頭」「サーカスの唄」「支那の夜」などだ。
戦後も、「越後獅子の唄」「この世の花」「王将」などを作詞している。
彼は、やはり偉大な作詞家なのだ。
また大地一人、小泉純一郎さんを誉めると、
「いや、あいつは、良き時代の日本を滅ぼした」
という人から悪口を言われる。
ところが、小泉さんの時代は、
世界的に、「小さな政府」「民間活力」の時代だった。
サッチャリズムとも呼ばれ、レーガン米大統領、
中曽根首相も、同じ思想の持ち主だった。
時代が人を作るのだ。
保守主義のリーダーであるナベツネさんだって、
若いころは、バリバリの共産主義者だった。
護憲派のリーダー土井たか子さんだって、
若いころは、軍国少女だったのだ。
人間は、時代には抗えないのである。
まして日本は親米・親英の国なのだ。