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「古都逍遥 京都・奈良編」「花の詩」「日常のこと」や花や風景写真

 京都・奈良を中心に古刹・名刹や「花の詩」等の紹介。花や風景写真、オリジナルの詩、カラオケ歌唱など掲載しています。

「京都府立植物園」(きょうとふりつしょくぶつえん)

2006年06月11日 18時21分30秒 | 古都逍遥「京都篇」

 京都市北部の平坦地に位置し、東は比叡山、東山連峰を望み、西に加茂の清流、北は北山の峰々を背景とした景勝の地にある「京都府立植物園」は、京都府開庁100年記念として、大正6年(1917)に着工し、同13年1月1日に一般有料公開された。

 戦後、昭和21年(1946)から12年間連合軍に接収され、昭和36年(1961)4月、憩いの場、教養の場としてその姿を一新し、再び公開した。再開後も園内整備事業を推進し、昭和45年(1970)に「日本の森」を、56年には、「洋風庭園」を造成した。最近では平成4年(1992)4月に「観覧温室、「植物園会館」を竣工、12月には「北山門」を完成するなど、名実ともに日本の代表的な植物園となっている。

 園内の南半分には、正門付近の一年草を中心とした四季の草花が鑑賞できる正門花壇、世界の熱帯植物の生態系に基づき、一巡すると熱帯の数々の植生が鑑賞できる観覧温室、さらにはバラを中心とした造形花壇、噴水や滝のある沈床花壇よりなる洋風庭園などの人工的な造形美で構成されている。 これに対し、園の北半分には、園内唯一の自然林であるなからぎの森や日本各地の山野に自生する植物をできるだけ自然に近い状態で植栽した植物生態園、およびその周辺地域は、わが国の風土に育まれ、古くから栽培されてきた桜、梅、花菖蒲などの園芸植物や竹笹、針葉樹などを植栽した日本の森として、より自然
的な景観を形づくっている。また、北西部には宿根草・有用植物園などがあり、園内には約12000種類、約12万本の植物が植えてある。

 中でも私が好きな所は「なからぎの森」。
大小四つの池に囲まれた、なからぎの森は古くから、流れ木の森ともいわれ、ここ下鴨の地に残された山城盆地の植生をうかがい知ることのできる園内唯一の貴重な自然林です。ニレ科の落葉樹であるエノキ、ムクノキ、ケヤキの古木やシロダモ、カゴノキ、シイ、カシ類の常緑樹が混生する森の特徴が見られる。春の芽出しの美しさ、緑陰の涼しさ、秋の紅葉、冬木立の静寂さなど落ち着いた森の雰囲気は入園者の憩いの場、思索の場となっている。
 森の広さは約5、500平方㍍で、中ほどには、この地域の鎮守の森の社であり、また京都の伝統産業である西陣織の神を祀った半木神社の小さな社がある。また、池の周りはカエデ類が多く、池に映えた色彩は非常に美しく、特に秋の紅葉は水辺に紅の影を映しこみ美しい静寂をかもし出す。

 入園料は一般200円、高校生150円、小・中学生80円。

 所在地:京都市左京区下鴨半木町。
 交通:JR京都駅(阪急「烏丸」駅)から地下鉄「北山」駅 又は「北大路」駅下車、京阪出町柳から市バス1号系統・京都バス「植物園前」下車。