綴ることもないので、20年前の今日の日記を紐解た。
シンポジュームに取材だった。
『「命を守る」2002,8,31
今日は朝から暑い陽射しとなった。午前10から大阪「国際交流センター」において、日本生命財団主催の2002年ニッセイ財団シンポジウム「高齢化社会を共に生きる」ー介護保険と痴呆性高齢者ケアでまちづくりーをテーマに開かれる。朝食とり、マイクロテープレコーダーとカメラをカバンに押入れ、身支度を整えて駅へと急いだ。
9時2分発の淀屋橋行きの急行に乗れた。天満橋で降り、地下鉄・谷町線に乗り換え、谷町九丁目で下車し、千日前通りに出て、ひたすら歩いた。プレスの受付で名刺を渡し、最前列のプレス席に着くと司会者の開会の案内が流された。
日本生命財団の小林幹次理事長の挨拶から始まったが、つい先ごろまで日本生命で重役の任にあった人だ。
正午までの2時間は、二人の講師による講演が行われ、それぞれ持ち時間1時間となっている。
最初に京都大学大学院教授・外山 義氏が「人生を最後まで耀かせるために」ースエーデンの高齢者居住福祉から何を学ぶかーについて話された。
スウェーデンと日本人との気質は似ているところがあるという切り口から話が進んだ。似ているがしかし、日本人は問題が発生しても、「気をつけましょう」ということで、とりあえずその場を収めてしまうが、スウェーデンは、問題の本質を探り、原因を追求して、具体的にその原因となるものを取り除く。とうのだ。確かにわが国は、政治家にしても企業にしても、一般人の我々にても、後回し、先延ばしにしてしまうことが多多ある。このようなことから具体的な高齢者に対するケアのありか方、住居や介護病棟のあり方など等、縷々話が展開され、大いに参考になった。
最後に介護する者のあり方について、「あなた方の親は、あなたが生まれてからというもの、お乳をあげ、オムツを取替え、這えば立て、立てば歩めの親心で、あなた方の命を育み守ってきてくれたはずである。今度は親が赤子同然となり、食事を与え、オムツを取り替えて上げなければならなくなったとき、あなたがしてもらった親の愛を思い出し、命を守って介護して欲しいのです」と締めくくられた。
午後昼食を摂ってから、引続き講演と実践報告。最後にパネルディスカッションが行われ、閉会したのが4時30分。いささかくたびれた。
今、わが家では、私の母と家内の母がそのような状態になってきている。親に受けた愛と同様な愛を親に返すときなのかも知れない。』