ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

旅から帰って、改めて思うこと(20211205)

2021年12月05日 | その日暮らし

 おはようございます。今日(2021年12月5日)の名護(西海岸)はすっきり晴れています。気持ちがいいです。県外から帰宅後、6日も経ってしまいましたが、わさわさしていて、全然追いつかない。玉城デニー知事が11月25日に「不承認」をだしました。私なりのこの対応も整理しなければなりません。今回の旅の報告は、2つの自衛隊の演習を整理しながら書かないと、殆ど意味がない。これまた大変。そして今回の最後に閃いたこの国の対応への批判も早くまとめたい。「不承認」と絡む問題なので、早く正確に。

 全て、現場観察と資料を読み込むことを併せて行わないと不可能です。資料のひとつに、吉田敏浩著「『日米合同委員会』の研究」(創元社刊 2016年)があります。軍事秘密とされている日米合同委員会の暗部をそれなりに解き明かしています。米軍が日本の空を占拠している空域問題が中心に書かれています。しかしよく読んでみると、色々と応用問題を解けそうで、参考書として使えます。

 沖縄で起きた水筒落下事故と青森県深浦で起きた補助(燃料)タンク投棄事故は、驚愕の事故でした。私は別稿で書きましたが、前者は物理の法則で離陸・上昇時は機内の物は必然的に滑り落ちるのに、米軍は下のことを何も気にせず、後方ハッチを開けている事が問題です。余談ですが、私は那覇空港離陸時に、うっかりペットボトルを床に置き、それが後ろに転げそうになり、慌てたことがあります。

 後者は、パイロットの緊急時の対応が優先され、やはり下のことをおろそかにしている結果の事故です。いずれも米軍の責任ですが、こうした姿勢を容認・無視し、米軍に迎合している日本政府の責任も大きいのです。

 上と下の問題は、物理的な空間の問題でもありますが、政治的な問題です。私の言葉で言えば「米日地位協定」=米国の占領状態に起因しているのです。「空爆」といえば、上から攻撃している側が発しているのであり、「空襲にあい、逃げ惑った」と言えば、下でやられている側の言葉です。この違いは決定的です。この決定的な違いを、私たちは日常的に感じていないのです。これは残念ながら沖縄島においてすら、ほぼ同様です。物が間近に落ちてきたとか、超低空飛行をやられたとかでない限り。

 私は、福岡に行くとき、空の上から福岡空港に下りたり上がったりして周囲の景色を見てきましたが、昨年近くを自動車で走り回りました。道を間違え、福岡空港をほぼ半周してしまったのです。飛行機が低空を(デッカく見える)飛び交っており、怖かったです。ここは、町のど真ん中にある空港です。私たちは沖縄で上を飛ぶ軍用機を日常的に仰ぎ見ているので、軍・民の違いはあれども、恐怖感を覚えました。

 しかしこうした現実が日常だと、慣れてしまいます。無視していなければ、おちおち暮らせません。しかし沖縄などでは事故は起きています。慣れっこになってしまえば、みすみす事故を許してしまいます。命と人権に関わる問題です。

 様々な問題が錯綜していますが、絡み合った問題をひとつひとつ解き明かしていかなければ、実態を見ることはできません。ため息が出たり、涙したり、大変なのですが、論理的に冷徹にやるしかない。旅から帰って、この思いを強くしています。

 玉城デニー知事が行った「不承認」処分を私たちは、歓迎し、どうやって広げていくのかを考え、実践していきます。1月には名護の市長選がありますし、ますます重要になります。ここでも私が気がかりなのは、様々な問題の絡み合いです。



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