ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

福島みずほ社民党党首への問いかけー「護憲の党」だと言われるけれども…(20220403)

2022年04月06日 | 暮らしと政治

◎以下の文は、2022年4月3日早朝、福島みずほ事務所にメールで送りました。誠に残念ながら、応答がありません。勝手ながら本日(4月6日13時)当ブログに掲載します。

 私は社民党を支持する立場というわけではありませんが、議論し、協力できることは協力したいと考えています。(2022年4月6日)

 

(1)はじめに

 私は去る3月26日に行われた「ピース・トークin名護」に参加し、若干の質問と提言をした者です。あのとき、福島さんは「護憲」と言われるが、それが何故無効になってきたのかを問い直さなければ、如何ともしがたいと申し上げました。なんとも水を差す意見で失礼いたしました。だが、これは私の本音です。私は、社民党に対して内在的に意見を述べる立場ではありません。また、外在的に突き放すこともできません。この国に生きる市民の今後を思えば、しっかりと再建して頂きたいと考えます。

 ご面倒だと存じますが、私の意見を読んで頂き、参考になることがひとつでもあれば、幸いです。

(2)社会党から社民党への道と重なった世界大での戦争の変質

 1996年1月、社民党が結党されたことを確認致しました。経過については、皆様方が俄然詳しいでしょうが、社会党が崩落し、社民党に至ったという歴史を見直さなければならないでしょう。

 この問題について、①「総評・社会党」といわれていた、総評労働運動の解体(国労潰しを筆頭とした)②90年代にいくつかの連立政権に社会党が参加し、1994年6月(~96年1月)村山富市首相となり、自衛隊・安保・原発等の重要課題を容認(政策転換)したこと。③土井たか子さんが「女性」を掲げながら、新たな方針、支持基盤を確定・再建できなかったこと、④沖縄との関わりを「新基地建設反対」などの個別課題を超えた包括的な総括から見直す必要があると、私は考えています。

 総評が解体され、根無し草になった社会党は、この時代に、政権の一端を担うという矛盾の中に身を置きました。こうなれば、自衛隊・安保・原発などの従来の主張を堅持できなくなることは自明でした。しかし政権の一端を担う選択を行ったのです。

 福島さんが、国会議員になられたのは、1998年以降のことですから、それ以前のことを申し上げるのは酷かもしれません。しかし以前を知っている私を含む大衆は、「社会党は裏切った」と思っている人がいることを、承知しておいてください。

 また90年代の連立政権、2009年(~2011年12月)の民主党の連立政権を経て、政治権力の今があることは否めません。安倍晋三氏のような誹謗・中傷ではなく、真摯な総括が求められています。

 この時代の流れこそ、1991のソ連崩壊から米ソ冷戦構造が潰れたにもかかわらず、逆に米国の一局支配が強まり、湾岸戦争から対テロ戦争の根っこが増殖されていきました。世界は益々不安定な構造に変化していったのです。

 「村山富市回顧録」(岩波現代文庫)を読むと、村山さんは(私の立場とは随分異なります)、大変興味深いことを縷々言われています。ソ連崩壊で、「当時は米ソ対立の冷戦構造の中だから、日本は武装しないで世界的には中立の立場を堅持するという『非武装中立』というスローガンは生きていた」としていたものの冷戦崩壊を受け、武力の政治である安保・自衛隊を受け入れたのです。この事実は決して過去の判断だからと、やり過ごせる問題ではありません。互角の争いの「中立」から、「強・弱の争いへの『強者』への加担」にスタンスを変えたのです。

 事実、米国のリアリストたちは、この米ソ冷戦構造の崩壊を逆手にとり、日本にPKO法の制定を通させ(1992年)、挙げ句の果てに、米日両国は1996年4月『安保再定義』を行い、日本国は1997年新ガイドラインを経て、1999年の周辺事態法(戦争法)の制定から、「集団的自衛権」を合憲化する解釈改憲を行い、2015年の安全保障法制(戦争法)に至ったのです。

 この時間は、沖縄における辺野古・大浦湾への新基地建設計画が浮上した時間とピタリと重なっています。96年4月のSACO中間報告、同12月のSACO合意は、「沖縄の負担軽減」を打ち出しながら、負担の増強へ。2005年の米軍再編、沖縄海兵隊のグアムへの移転計画は、対中戦争を見据えたものであり、2010年12月の防衛計画大綱における「基盤的防衛力構想」の破棄、「動的防衛力」への転換となり、「島嶼防衛」が打ち出されました。日本国は、琉球諸島を戦場とする対中戦争に構える態勢をつくりあげ、米国との「攻守同盟」を築き上げてきたのです。

 こうした一連の流れの中で、対テロ戦争が煽られ、国民の意識は、戦争へとひきずられていきました。そこに今般のロシアのウクライナへの侵略戦争が起き、米・日VSロシア(中国)との角逐がさらに煽られているのが、偽らざる現状でしょう。米国・NATO諸国は、現下のロシアVSウクライナの戦争に、慎重です。第3次世界大戦(核戦争)が控えているのですから、当然な判断です。軍事介入には慎重ですが、ウクライナに軍事援助を強めている以上、軍事産業の強化に繋がり、次の戦争に繋がっていくでしょう。また、いつどこからミサイルが飛んでくるか分かりません。ロシアによって原発が制圧されるなど、未曾有な事態が起きないと誰も保障できません。今や新たな戦争の時代に入ったと言えるでしょう。

(3)平和を共有し、核戦争を許さない

  今、私たち市民が考えるべき事は、ウクライナの市民を助けることであり、同時にロシアに民主主義を求めることです。そして新たな核戦争を絶対に許してはならないのです。岸田首相は「唯一の被爆国」と述べながら、米日核安保体制への依存に固執しています。

 ロシアの核戦争への脅しを許さず、被爆者たちが叫び続けてきた「ノーモア・ヒロシマ」「ノーモア・ナガサキ」を私たちが真摯に受け止めることが重要です。これは誰もが絶対に核戦争の被害者にも加害者にもならない世界を創ることに通じていきます。「核抑止力」への依存は相互の軍拡を通じて、人類を破滅させうる段階にとっくに到達しているのです。

 私たちは、報復・対立を超え、世界を包み込む平和を共有していく発想に、このまま転換できなければ、世界の終わりを迎えていくでしょう。また、沖縄戦が教えてくれることは、「集団自決」といわれてきたことや、スパイ扱いされ殺された沖縄の住民を思えば、「大日本帝国」が琉球王国を併合した歴史を看過してはなりません。国家への統合と差別が、人を殺人鬼にしむけていくことを想起しなければなりません。「命どぅ宝」について、私の理解を付け加えれば、ただ「命・生き抜くことこそが大切」のみならず、ひとりひとりの人間は、国家の縛りを超えて生き抜いていくことの重要性にあるのだと考えます。

(4)今から参院選以降のことーどう闘うのか

 私は戦後教育を受け、「平和・基本的人権・民主主義」―主権在民を学んだ世代です。しかしこうした原則を身につけた人は、誠に残念ながら少数派にとどまりました。「寄らば大樹の陰」とばかりに、主観的な判断で、強きに近づき、弱きを挫くレイシズムがはびこっているありさまです。新自由主義反対を如何に貫くのかも、態勢を改めて構築しなおさない限り、劣勢を克服できないでしょう。平和・人権・民主主義を三位一体で考え、推進することなくして、現状を打破できないと、私は改めて確認しています。この認識は、福島さんと一致しているようです。

 参院選が目前に迫っています。今回の選挙は極めて重要です。改憲に反対する勢力が3分の1を割りこめば、憲法第9条などの条項が改悪されていくことは必至です。立憲主義そのものが瓦解していきます。この問題は沖縄に直結しています。沖縄の島々が真っ先に戦場になります。再び、沖縄の住民が米・日軍の攻撃の盾にされ、スパイとされかねません。既に重要土地規制(監視)法が成立してしまっています。

 社民党は体制順応の中で孤立させられている人々と、手を携えることが求められています。①女性運動の強化(ジェンダー・フリー)、②労働運動の再生、③市民運動の強化、④反差別運動の強化、⑤自然環境との共生は欠かせません。⑥そして沖縄とのつながりです。

 こうした主体がお互いに接点を作り上げ、連携しあえてこそ、力になるのだと私は考えています。平和・人権・民主主義を日常生活の中から培うことです。ここで重要な点は、歴史認識と、不断に差別を許さないことでしょう。

 私は結論めいたことをまだまだ言えませんが、可能な限り具体的に考え、実践していきます。複雑に錯綜している時代だからこそ、ものごとを深く解きほぐしていく思考回路と関係を共有していきましょう。さもなければ、矛盾が深まり、私たちはますますベールに覆われていくでしょう。私たちは共に学び合い、考え抜いていきましょう。

 どうぞこれからも宜しくお願い申し上げます。(2022年4月3日)

 



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