2022年7月8日の沖縄2紙は一面で「金武の民家 銃弾か」(事件は7月6日午後発生)などと報じていた。私は、「これは大変、またかよ」と思いながら、急遽現場に向かった。現場については、記事中の概略図とレンジ(射撃場)の位置図を参考に、国土地理院発行の25000分の1地形図「金武」を元に割り出した。バスを「伊芸」で降り(国道329号)、あたりを見回し地形図と突合(11:30ころ)。信号を渡り北に入る。図星か?
なおあたりは静まりかえっている。射撃演習はやられていない。当然だろう。
正面は恩納岳(362m 電柱の陰)。住宅街だ。11:48
とわいえ、あたりは水田と田芋の田が広がる。高圧線の下に沖縄高速自動車道が走っている。奥の山は恩納岳(左・西奥)からの連なりであり右の高圧鉄塔左のピークは224m峰。射撃場はこの方向の東西にかけて約2500mの範囲にレンジ2,3,4,5(右から)と並んでいるようだ。11:49
アップで見る。11:50 この森の奥か。11:50
ガードレールに稲が干されている。のんびりしている。11:51
ガジュマル公園のガジュマル。立派! 高さ15m 横幅30mぐらいある? 11:52
ここらでマスコミの人と遭遇。挨拶する。
さてどっちか? 私の着眼点は被弾地と射撃場の高低差の確認。射撃場の高度は20mから50mと思われる(地形図による)ので、そこの現地確認だ。高いところにまず上がりたい。
この階段を上がってきた。ごらんのように南を振り向くと金武湾だ。美しい。11:58
登り切ると拝所がある。伊芸区の拝所だろう。一礼して。
やや広い場所に動くと
伊芸区の戦没者慰霊碑。沖縄戦で76名が亡くなられている。12:00
今の基地を追いながら、戦争の慰霊碑に出会うと、私の心がきしむ。悔しい気持ちになる。
ここは「さくまつ公園」と言うようだ。ここを出たらもっと高いところがあるようだ。問題は基地の中は高いのだが、我々が入れるところは限られている。
こんなだ。南は金武湾。この道を歩いていたら、路上で作業しているご夫婦がいた。挨拶したら、「何しているんですか?」と聞かれたので正直に答えた。「お散歩でも陸トレでもありません。被弾の取材です」と。「そういえば、報道されていましたね」と、のんびりしている。「いや、ここらも当たりうる場所です」と言いたかったが、やめた。ここらは標高40mほど。レンジと近く、高いから当たる確率は低い。12:07
沖縄自動車道上。東側を見る。この橋はかなり高い位置に立てられている。高圧線の下はキャンプ・ハンセン。というか自動車道の左脇から演習場だ。要するに高さ比べをすれば、明らかに左(北)側が高い。右側(被弾した住宅街)は低い。12:10
橋を渡るとハンセンのゲートが右側にあった。「R51」12:16
この車道を左に行くと伊芸サービスエリア沿いになる(今回はパス)。
この写真の左外れが上記のゲート。高圧線が南北にも(東西と)走っている。右が伊芸サービスエリア方面。「左折禁止」(伊芸区方面)と米軍の標識がある。ここは標高約50m。12:18
東に下る。標高30mほど。沖縄高速道路と高圧線が見える。草原も演習場。12:22
この森を弾が飛び越えれば落ちてくるだろう。問題は米軍が正規に射撃していれば(まっすぐ飛ぶ)、弾は外にでないのだ(いくらなんでも!)。だが、兵隊がミスったり、銃の不具合があったり、不正規に発射されれば、飛び出しうるだろう。米軍は、「いいえ!ありえない」と言いたいのであれば、現場に県や金武町職員の立入の下、説明すべきだ。
なお7月9日沖縄タイムスはこう報じている。「『射撃角度制御』安全対策を強調ー米海兵隊」と。『非常に制限的な発射口がついた『ケージ』を含む安全装置が施されている」と海兵隊は主張。それは子供だまし。軍隊の射撃訓練はスポーツのライフル射撃ではない。固定した場所から一定の標的を狙うのではない。この限りならば、「ケージ」で場外への飛び出しを防げる。訓練にもよるだろうが、走りながら、膝を立てた中腰で、匍匐前進しながらの腹ばいでなどあるだろう。そうした変化のないトレーニングではまったく実戦的でない。
どうか公開して現場を見せていただこう。米軍は「自由使用」に拘っているが、基地外に決して飛び出さない制限の範囲でやるべきです。ここは米国ではないのだ。
やけに米国空軍KC-135空中給油機が飛んでいる。12:35
金武湾上空か。どうも嘉手納基地から同じ機体が繰り返し、周回飛行しているようだ。タッチ・アンド・ゴーをやっているのだろう。
12:43 演習場の一角。
戻って東に。あの奥か。12:50 斜め南へ。
12:55 224m峰。
被弾した場所はどこだろうと探した。あれだ、ブルーシート。住宅街だね。13:13
13:14 ここだ。ブルーシートで見えないがやむおえない。とすればこの一帯があたりうる。
ここから演習場まで最短約350m。
7月11日の沖縄タイムスによれば、このお宅の被弾は2回目だという。1966年にもあったとのこと。この付近半径50m以内に過去に7カ所に被弾。また東に川を渡った250m先も同じく半径50m以内に6カ所も被弾。金武町伊芸区の調べでは1956年から2013年までに計27件あったようだ。
西に来たので、また金武インター方向(東)へ引き返す。
恩納岳方面を振り向く。13:15 西側にもレンジがあるようだ。
もう少し左(西)を向く。左の建物が伊芸区公民館。13:16
もう少し沖縄自動車道から北を見たいのだが。東に向かう。
北に歩いているとCH-53が離発着訓練しているようだ。13:35
失礼、いつのまにかモノクロバージョンになっていた!(失策)。
13:36 ヘリパッドに降りる。高圧線のすぐ脇だ。50m-100mぐらい離れているだろう。高圧線を飛び越えて南(海側)に出てくる。17 3081番機。
高速の下を抜ける。13:37
そこにキャンプハンセンのゲートがある。13:38
先ほどの橋の上から東に直線距離で約1125mの場所。
側道から米国海兵隊CH-53をしばらく撮る。13:59 ヘリパッドが高圧線とどれだけ離れているのか、不詳だが、高圧線の横を東西に何度も何度も飛んでいる。私はしつこく撮った。
この後、金武インターをへて、77番のバスを待って帰宅。