2023年11月9日(水)曇 9日から私用で、私は東京等に出かけた。12日帰宅。要件は11日だったので、2泊3日で行けたのだが、10日の航空券が高く、もう一日増やして木更津駐屯地(千葉県)をみてきた。
私にとって木更津駐屯地は因縁の深い関係になっていた。陸上自衛隊がオスプレイを当面ここに配備しており、これまで2回(2017年2月と22年9月)見に行ったが、不発に終わっていた。ところが去る10月19日と24日、RD(レゾリュート・ドラゴン)演習で陸自V-22オスプレイは石垣島に現れたのだ。私は24日早朝現地入りし、そのまま撮影した(既報)。
以下報告していくが、9日午後と、10日お昼過ぎまでの2日間に亘ってじっくりと見ることになった。普天間基地周辺で見ている姿と何が同じで、何が違うのかも示したい。そして「首都中枢」から琉球列島までの問題にも触れたいと思う。
2023年11月9日(木)晴れ 私は羽田空港に12時前に降り立った。羽田空港は多摩川の河口北側に広がっている。ここから木更津まで東京湾をぐるっと回れば遠い。しかし東京湾アクアラインという海底路(高速道路)ができており、南東に進めば木更津まで1時間も掛らないのだ。バスは内房線木更津駅の東口に着く(13時30分頃)。オスプレイ等の音は聞こえなかった。
駅の階段を上がり、西口へ(木更津港・東京湾側)。まっ過ぐ西進。木更津港の外側へ。
14:15 奥のビルにレストランやラーメン屋がある。「U」の中に居るのは誰か? どうも狸らしい。木更津市のマスコットか。
富士見大橋から中の島大橋をみる。赤い橋の奥が木更津駐屯地だ。14:27
橋はあるけど、渡れないのだ。そんな物を何のために造ったんだろうか。観光仕様だとしても意味がない。中の島までは渡れるのかもしれないが(現在工事中で渡れない)、その先(木更津駐屯地)には入れない。
木更津駐屯地を見る。14:27
格納庫右手にヘリ3機。UH-60JAだ。陰っていてよく見えないが。
よくみたら、中の島の左側は堰堤だね。そもそも渡れる構造になっていないようだ。中の島は観光資源なのか(?)。
私は富士見大橋を渡り、木更津港の西側、木更津駐屯地の南側の公園に入る。じっくりと待つことにしよう。
V-22オスプレイが西から飛んできた。14:39
斜め横を飛ぶ陸上自衛隊オスプレイ。14:40
海上を飛んでいく。14:40
後部ハッチが開いている。米国海兵隊と一緒だな。けじめのなさ、だらしなさは同じだ。海上を飛んでいるから、人の上にブツを落としませんか。
着陸態勢に入っている。奥・右はUH-60JAヘリ。14:41
こちらはちまちま飛んだり下りたりの繰返し。
オスプレイ着陸。14:41
ハッチが開いていることハッキリ見える。手前のカモたちは殆ど飛び上がらなかった。一斉に飛び上がったら飛行に脅威となるだろう。カモもパイロットもよく分かっているのだろう。
頭上に羽田空港に向かう2本の航路があるようだ。JALのエアバス350だ。14:45
ひっきりなしに飛んでいるが、回転翼のヘリが飛ぶ高度と固定翼の航空機が飛ぶ高度が違うので、私はヘリモードだ。
ここらから羽田空港までの直線距離は約20km。
やはり西側から飛んできた陸自OH-1偵察ヘリ。川崎重工+三菱重工(エンジン)の国産品だ。14:48
西側から飛んでくるのは東富士演習場(静岡県御殿場市等)での演習帰りだろう。
14:51 今度は対戦車ヘリAH-1Sだ。シルエットなのでよくみえないが、対戦車ミサイル(TOW)、70ミリロケット弾、3銃身20ミリ機関砲を装備。3銃身とは3本の銃口がぐるぐる回転しながら弾を撃ち出す仕組み。
こちらは富士重工+川崎重工(エンジン)。
尚、先に来たOH-1偵察機も空対空ミサイルを装備している。
CH-47大型ヘリ。西から戻ってきた。15:00
こちらは川崎重工(エンジンを含む)。
CH-47着陸。15:01
ここ撮影地点から着陸点まで約1500m。CH-47の全長は30.18m(胴体15.54m)。
15:01 V-22オスプレイ2機目だ。やはり後部ハッチは開いている。
上を見ればエアドゥの機体。羽田に飛ぶ。15:02
今日は羽田に飛ぶ航空機はたまにしか撮っていません。悪しからず。方角・角度が違うので、両方やると慌ただしい。
西から戻ってきたCH-47。15:09
左旋回して木更津駐屯地へ。15:10
こうなると一度、東富士演習場に撮りに行くか。いやいや那覇基地のCH-47の演習を追う方が先だろう。
土砂運搬船が木更津港に戻ってきた。そこにオスプレイも(左奥)。俄に忙しくなった。16:13
16:13 オスプレイ
16:13
16:14
16:14
16:16 周回飛行だ。同じ機体がタッチアンドゴーしている。陸上にはきておらず、全て海上を飛んでいる。
16:16 私はカメラ2台をフル展開だ。
オスプレイが木更津駐屯地に下りる。16:17
カモたちが飛び上がった。夕方になったので採餌に行くのだろう。
残照の東京湾。16:25
西の防波堤の奥。ニッポンスティール(株)東日本製鉄所君津地区(2020年改組)。夕闇迫る。16:26
16:39 撮影終了。何処で食べるかだ?
ここ木更津駐屯地は第1ヘリコプター団と、東部方面隊隷下部隊がいる。他に防衛大臣直轄部隊の第127地区警務隊(MP)
第1ヘリコプター団は、陸上総隊傘下。陸上自衛隊の基幹部隊であり、陸上総隊は他に水陸機動団、第1空挺団、特殊作戦群などで構成されている。
CH-47は、第1ヘリコプター団の第1輸送ヘリコプター群。あのV-22オスプレイは、同じく輸送航空隊、OH-1偵察機は、同じく連絡偵察飛行隊、UH-60JAは、同じく第102飛行隊に所属している。
AH-1S対戦車ヘリは東部方面隊傘下の第4対戦車ヘリコプター隊所属。
東部方面隊は、首都中枢防衛隊であり、第1師団と第12旅団、他に東部方面隊直轄部隊が組織されている。
第1師団の担任区域は東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・山梨県・静岡県。第12旅団の担任区域は群馬県・栃木県・長野県・新潟県。
政府・防衛省はV-22を佐賀空港に、新たに基地を造り、持ってくる予定だったが、地元の反対が強く、やむなく千葉県の木更津駐屯地に暫定的に配備した。今見たようにV-22オスプレイは第1ヘリコプター団の輸送航空隊だから、同じく陸上総体傘下の水陸機動団と同格だ。陸上総体司令官の命令を受けて両軍とも行動する。
訳分かりにくいが、こうした組織の形式と指揮命令系統は、軍隊の作戦(運用)に直結している。米軍との共同統合作戦に従事する以上、その指揮命令権を誰が持つのかが重要だ。政府はそこを常に曖昧に説明しているが、一瞬一秒を争う敵基地攻撃能力が米国・米軍から求められている現在、我が国政府と、「自衛隊」と称する軍隊は、どうするのだろうか? これは、私たちが刮目すべき重大な問題だ。
(続く)