2022年7月19日の宮古島市伊良部島長山港での海上保安庁PS-31「しもじ」による20ミリ機関砲射事件について、私は触れてきた。本日の沖縄タイムスに「2市民団体が声明」とある。
2団体とは「宮古島平和ネットワーク」と「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」。23日の記者会見で「軍事行動の自粛を求める」と。まっとうな主張だと私は思う。同感です。
恥ずかしながら今回の誤射事件が起きるまで私は石垣島のPL(大型巡視船)と長山のPS(小型巡視船)の有機的な関係を自覚していなかった。PLは尖閣周辺海域などで(実際は多くのPLは石垣島の周辺海域で演習している)中国交船と対峙、長山のPSは中国漁船等との対峙。あの20ミリ機関砲は分速4000発、6000発を発射できる。十分に小型船をあの1門だけで撃沈できるのだ。PLとPSは、ある種の分業だ。そこで問題になることは、PLは海上自衛隊との連携が想定されていることだ。警察的な海保と、軍隊としての海上自衛隊。これらが連携して事を構えれば、機関砲のみならず、海自のミサイルも飛び出さないとは言えない。こうしたときに、陸自の対艦ミサイル部隊(今の有効射程距離は150km余り。これを伸ばす開発が進められている)が火を噴く(エスカレート)などがあってはならない。
となれば、領海警備から戦争になりかねないのだ。「安全点検」もできない海保がいることを思えば、危険性を思わざるを得ない。頭を冷やしていただきたい。少なくとも海保は海上の犯罪捜査・取り締まりが任務だ。まず射撃では断じてない。緊張を覚えれば覚えるほど、冷静沈着な態度が求められる。そこが肝なのだ。海上自衛隊との演習するにしても、勘違いするな!(海保は、有事には自衛隊の指揮下に入る法令ができている)
宮古島・伊良部島・下地島・石垣島などの八重山には住民が住んでいる。過剰防衛は、住民を危機に追い込みかねないのだ。公海は万民のものだ。争いを起こさない、起こさせない外交が緊要のはずだ。まして尖閣諸島を巡る「領海」の線引きに、両国間で争いがある。文字通りグレーゾーンだから、不断の交渉が重要だ。
歴史的経緯があるが、お互いに「俺のもの」だとにらみ合っていては、けんかになる。争いになる。控えた上で、お互いに漁業を安全に操業できる約束ができなければなるまい。
繰り返すがはじめに軍事行動ありきはダメだ。