山クジラの田舎暮らし

岩手県北の田舎に生息する「山クジラ」です。定年後の田舎暮らしや趣味の山行きのことなど、発信していきます。

ミゾソバが咲いている

2013-09-22 07:22:16 | 自然

 昨日で稲刈りの第一弾である、もち米の刈り取りと「ハセ」架けを終わった。最近では余り使われなくなったバインダー(「自動刈り取り結束機」というのだそうだ)の後をついて歩き、コーナーで方向転換をつるのは結構理からもいる。何せ物が20数年以上も前の機械で、作業開始前の点検を頼んだ業者は刈り取りの歯などに油を送るポンプが故障しているとのことで、今回は手差しで油を注いで乗り切った。しかもおとといは、刈り取りを始めて2周目でまだ乾いていない部分にはまってしまった。足場を運んで何とか抜け出したが、それで1日目の作業がだいぶ遅れるはめになった。

 作業の途中で、田んぼの間いの堰を見るとミゾソバの花が咲いていた。ミゾソバはタデ科の1年草で、日本各地の水田や溝に生える。花がそばに似ているが、ソバが出来るわけではない。アカマンマなどといっしょの時期に咲く秋の花の一つだ。写真はスマホで写したものなので、花はあまりはっきり写っていない。

 明日、依頼してあるコンバインが入るので、コンバインの旋回が可能なように田の四隅を刈り取る作業をする。これは、稲刈り用のぎざぎざのついた鎌でやるまったくの手作業。今年のコメ作りの作業はあと少しである。


『少年H』=妹尾河童著

2013-09-19 07:04:23 | 読書

 先日、映画『少年H』を鑑賞して原作が読みたくなって書店を探したが、文庫本は下巻があるだけで見つからず、上製本もなかった。古書店もあたったが発見できなかったので、大野図書館に問い合わせたところ「書庫にある」という返事なので借り出して読んだ。

 『少年H』の作者は妹尾河童である。妹尾河童は1930年神戸生まれ。グラフィックデザイナーを経て、1954年、独学で舞台美術家としてデビュー。以来、演劇、オペラ、ミュージカルなどで幅広く活躍している日本を代表する舞台美術家なのだそうだ。舞台芸術に詳しくない私の知らない世界である。『少年H』は著者の自伝的小説で著者の最初の小説なそうである。

 神戸の洋服仕立て職人の家に生まれた少年Hは、敬虔にキリスト教徒の母と妹、そして洋服仕立て職人の父の4人家族。この家族が、満州事変に始まる15年戦争に巻き込まれ、軍事優先の政治や社会になじめないまま終戦を迎え、終戦後の混乱の中から後にグラフィックデザイナー、舞台美術家となる道を画家のやっている看板屋で働くことによって見つける。映画もなかなか良かったのだが、原作には映画では描ききれない部分もかなりあって面白かった。講談社刊行の上製版は1997年に刊行されていて、当時かなりヒットしたらしいが、その当時は時代小説一辺倒でこの本に手を出す機会はなかった。憲法改悪、国防軍創設などが狙われている昨今。戦争を神戸の一角にいた少年の目で批判している『少年H』は今読んでもらいたい作品である。


4月からの増税中止で町長に申し入れ

2013-09-18 14:55:24 | 政治

 今日(18日)、日本共産党久慈地区委員会と同洋野町委員会は連名で、水上信宏洋野町長に対し「4月からの増税中止の一点で共同を」のアピールを手渡し、4月からの増税を中止させるためにともに取り組もうと申し入れをおこなった。水上町長は「ご苦労様です」と応じた後、「消費税を増税しない場合、日本の信用が落ちてしまうのではという心配はないのか?」と質問されたので、共産党側は「給与が上がらないなど景気の悪いときに増税を行えば、日本の経済は立ち直れなくなる」として日本共産党の「消費税に頼らない道がある」の立場で、大企業がため込んでいる内部留保の一部を使って働く人たちの待遇を改善するなど、消費が増えるような経済対策をとることが大事だなどと説明をして、意見を交換しました。「いずれにしても安倍総理は少しあわてて仕事をしている」との感想も語られました。

 町長への申し入れの後、町商工会、町職員組合へ申し入れをおこない。共産党の久慈裕子議員以外の議員(全員保守系無所属)17人にもアピールを郵送しました。


『綱領教室』3=志位和夫著

2013-09-17 13:16:53 | 読書

 『綱領教室』第3巻を読み終えた。『綱領教室』は日本共産党の志位和夫委員長の講義を本部の会場の他、全国でインターネット通信を通じて受信できるようにしたものである。毎朝の配達があるので、夜はたいへん苦手になって、講義中居眠りをしたり都合で聞けなかったりで内容をすべて把握していたわけではないので、1~3のすべてを読み通して、改めて改正された日本共産党綱領の価値について考えてみた。

 昨年末の総選挙では、故あって私も岩手2区の候補となり、付け焼刃ながら共産党の政策や日本共産党の価値について可能な限り語った。そして今年の参院選では、結びつき名簿で生まれ故郷の友人知人、大学時代の同期のメンバーなどと政治を語り支持を訴えたものだ。参院選のたたかいを通じて日本共産党のブレない姿勢を党綱領の観点で語ることの重要性を大いに感じたものだ。参院選直前からツイッターにも取り組み、共産党の外の皆さんとの交流でも、共産党とは何者なのかを語る場面があった。そして「共産党という党名を変えれば?」という質問にも出くわしている。

 第3巻の圧巻はやはり「未来社会論」であろう。旧綱領の前提にあった社会主義、共産主義の社会を「分配論」で位置づける国際的常識を退け、「生産の社会化」に位置づける論は、社会主義社会という未来を社会を豊かなものに広げてくれる見解であると思う。ただ、問題はこうした日本共産党の持っている考え方をどうやって多くの人々に知ってもらうかである。私は、1地方の役員として党内外の皆さんにできるだけ機会をつくって語る役割を果たしたいと思っている。その手始めに、明日は学習会の講師をするつもりである。


『蘭と狗』=黒崎裕一郎

2013-09-16 09:53:18 | 読書

 黒崎裕一郎の『蘭と狗』を読んだ。黒崎裕一郎という作家の本ははじめてである。黒崎裕一郎は1942年、東京生まれ。テレビ番組製作会社を経て、1975年『必殺必中仕事屋稼業』第21話『飛び入りで勝負』で脚本家としてデビューし、以後『必殺』シリーズや『太陽にほえろ!』『木枯らし紋次郎』などでシナリオライターとして活躍する。1995年、『蘭と狗』で第6回時代小説大賞を受賞し、作家に転身する。脚本家から『蘭と狗』で大賞を受賞するまでは中村勝行名だったが、ペンネームを黒崎裕一郎とあらためたそうだ。

 『蘭と狗』には「長英破牢」と副題がついてる。岩手県奥州市(元の水沢市)出身の蘭学者・高野長英が蛮社の獄で捕えられ、町医者という町人身分だったため一般の牢に押し込められ、解き放される見通しもない中で牢番を買収し放火をさせ、解き放ちによる脱獄をはかる。たまたま、別の受牢者の差し入れ気に来ていた岡っ引きの女房がこの火事に巻きこまれて焼け死んでしまう。このことから、この岡っ引き・瓢六の執拗な長英追求が始まる。最後は、劇薬で顔を焼いて江戸に潜んだ長英の隠れ家を突き止めるが、長英は瓢六を刺殺し自らも自害して果てるという話。

 高野長英が蛮社の獄でつかまり脱獄をして逃亡したのも事実だし、最後に江戸の隠れ家で捕吏に囲まれて自害したのも事実だが、瓢六は作者が作り上げたものだろう。緊張感のあるなかなか面白い小説だ。

 ところで、台風18号の接近で岩手県・洋野町も8時過ぎからは雨が降り続いている。「晴耕雨読」と言われるように、何もできないので読書に励んでいる。これからは志位和夫『綱領教室』第3巻の後半を読もうと思っているところだ。