3月18日 十六日桜のつづきです。
高昌寺訪問を決めた後、大洲方面の行きたいところをいくつか選んでおいた。雨模様なので五郎河原の菜の花はパス。未訪瀑の滝を求めて山間部へ向かう。
県道56号を東南方向へ。快適な2車線の道が、御祓小を過ぎてから細い山道に。離合するのが困難な道を登っていくと、眼下に雲海が見渡せる。写真の場所は内子町と大洲市の境界近く、大森山の北西斜面からだったと思う。
大洲市河辺町に入り、県道245号に入ってしばらく行くと、道の左側に「赤子滝」の標識。
小さな沢の奥に滝が見え隠れしている。整備された階段を上っていくと、前方に廃屋の様な建物と、その奥に滝。道路から見えていたのは、下の小滝の様で、先に見える赤子滝は思っていた以上に立派。最近雨が多かったせいだろう。
沢に降り、正面から滝に接近。大きな岩が転がっているので、濡れることなく滝前に出られる。
「裏見の滝」と呼ばれるように、真ん中辺りの段差にもぐり込めば滝を裏から見る事ができそうだ。先ほどの遊歩道は裏見の段に通じているようなので、まず滝下からいろいろ撮影してみる。
こういう滝は、正面、左岸、右岸、上部、下部で表情が違うので撮りがいがある。
後で調べると、廃屋の様な建物は、滝見用の休憩所らしい。滝の裏側に入ろうと思ったが、滑りやすそうな場所なので、やめておいた。
赤子滝を後にしたのは正午前。いいタイミングである。次の滝で食事ができる。
1km少し走ると、道路右側に「三杯谷の滝入口」とある。少し先のスペースに車を停め、スリングバックに装備と昼食を詰めて、滝へ向かう。先ほどの入り口とは違うところに、龍神社への降り口があったので、そこから降り始める。滑りやすい木の階段を下り始めてすぐ、眼下に見事な滝。
深い穴の底に降りて行くような雰囲気は、高知・中追渓谷の「しゃくぜんの滝」に似ている。但しあちらの滝には遊歩道はない。
滝正面にある屋根付橋「龍神橋」は絶好の滝見台である。とはいえ、どこでも同じだが、滝見台からの絵は当たり前すぎる気がする。
増水した三杯谷の滝は迫力があるが、滝壺が濁っているのが残念である。正面からよりも、少し斜めから見る姿が、気に入った。
滝を見ながら龍神橋の上で昼食。上手い食事の第一条件は雰囲気であると、こんな時いつも思う。
橋を渡って、左岸側を少し降りると祠がある。そこから見た龍神橋もいい感じである。
両側が切り立った岩壁と、その底を流れる渓流。水音と鳥の声だけが聞こえる、別世界の雰囲気。
ここは「坂本龍馬 脱藩の道」として最近有名になっているそうだが、龍馬の時代なら、この道はもっと険しく、暗く、人気のない道だったろう。少し激しくなった雨のの中、一人でいると、少しだけタイムスリップしたような気分になれた。
そのまま渓谷を下り、龍馬脱藩の道の札を辿って道を登ると、さっきの滝入口に出た。脱藩の道は、いまの車道とは違う、崖沿いの険しい道のようだ。その時代の風景を見てみたいと、何故か思ってしまった。
三杯谷の滝を後にして、次の目的地へ。近場でもう一か所寄るのが時間的に限界。次も未訪瀑の滝だし、水量にも期待できる。