万葉短歌-悠山人編

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万葉短歌0690 照る月を0625

2012年08月15日 | 万葉短歌

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万葉短歌0690 照る月を0625

照る月を 闇に見なして 泣く涙
衣濡らしつつ 干す人なしに  大伴三依

0625     万葉短歌0690 ShuB607 2012-0815-man0690

□てるつきを やみにみなして なくなみだ
 ころもぬらしつつ ほすひとなしに
○大伴三依(おほともの みより)=原文では「大伴宿祢三依」。第552歌参照。
【編者注】題詞原文は、「大伴宿祢三依悲別歌一首」。
【訓注】泣く(なく=哭)。濡らしつつ(ぬらしつつ=沾宇津)。


万葉短歌0689 海山も0624

2012年08月14日 | 万葉短歌

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万葉短歌0689 海山も0624

海山も 隔たらなくに 何しかも
目言をだにも ここだ乏しき  大伴坂上郎女

0624     万葉短歌0689 ShuB602 2012-0814-man0689

□うみやまも へだたらなくに なにしかも
 めごとをだにも ここだともしき
○大伴坂上郎女(おほともの さかのうへの いらつめ)=第380歌(初出)など84首参照。
【編者注】「大伴坂上郎女歌七首」の第七首。
【訓注】ここだ(幾許)。乏し(ともし=乏)。


万葉短歌0688 青山を0623

2012年08月13日 | 万葉短歌

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万葉短歌0688 青山を0623

青山を 横ぎる雲の いちしろく
我れと笑まして 人に知らゆな  大伴坂上郎女

0623     万葉短歌0688 ShuB602 2012-0813-man0688

□あをやまを よこぎるくもの いちしろく
 われとゑまして ひとにしらゆな
○大伴坂上郎女(おほともの さかのうへの いらつめ)=第380歌(初出)など84首参照。
【編者注】「大伴坂上郎女歌七首」の第六首。
【訓注】いちしろく(灼然)。我れと(われと=吾共)。笑まし(ゑまし=咲為)。


万葉短歌0687 うるはしと0622

2012年08月12日 | 万葉短歌

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万葉短歌0687 うるはしと0622

うるはしと 我が思ふ心 早川の
塞きに塞くとも なほや崩えなむ  大伴坂上郎女

0622     万葉短歌0687 ShuB602 2012-0812-man0687

□うるはしと あがおもふこころ はやかはの
 せきにせくとも なほやくえなむ
○大伴坂上郎女(おほともの さかのうへの いらつめ)=第380歌(初出)など84首参照。
【編者注】「大伴坂上郎女歌七首」の第五首。
【訓注】うるはしと(愛常)。我が(あが=吾)。思ふ心(おもふこころ=念情)。崩え(くえ=崩)。


万葉短歌0686 このころは0621

2012年08月11日 | 万葉短歌

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万葉短歌0686 このころは0621

このころは 千年や行きも 過ぎぬると
我れかしか思ふ 見まく欲りかも  大伴坂上郎女

0621     万葉短歌0686 ShuB602 2012-0811-man0686

□このころは ちとせやゆきも すぎぬると
 あれかしかおもふ みまくほりかも
○大伴坂上郎女(おほともの さかのうへの いらつめ)=第380歌(初出)など84首参照。
【編者注】「大伴坂上郎女歌七首」の第四首。
【訓注】このころ(比)。千年(ちとせ=千歳)。過ぎぬる(すぎぬる=過)。我れ(あれ=吾)。


万葉短歌0685 人言を0620

2012年08月10日 | 万葉短歌

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万葉短歌0685 人言を0620

人言を 繁みか君が 二鞘の
家を隔てて 恋ひつついまさむ  大伴坂上郎女

0620     万葉短歌0685 ShuB601 2012-0810-man0685

□ひとごとを しげみかきみが ふたさやの
 いへをへだてて こひつついまさむ
○大伴坂上郎女(おほともの さかのうへの いらつめ)=第380歌(初出)など84首参照。
【編者注】「大伴坂上郎女歌七首」の第三首。
【訓注】人言を(人事)。恋ひつついまさむ(こひつついまさむ=恋乍将座)。


万葉短歌0684 今は我は0619

2012年08月09日 | 万葉短歌

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万葉短歌0684 今は我は0619

今は我は 死なむよ我が背 生けりとも
我れに依るべしと 言ふといはなくに  大伴坂上郎女

0619     万葉短歌0684 ShuB601 2012-0809-man0684

□いまはあは しなむよわがせ いけりとも
 われによるべしと いふといはなくに
○大伴坂上郎女(おほともの さかのうへの いらつめ)=第380歌(初出)など84首参照。
【編者注】「大伴坂上郎女歌七首」の第二首。
【訓注】我は(あは=吾波)。我が背(わがせ=吾背)。我に(われに=吾二)。依る(よる=縁)。言ふと(いふと=言跡)。いはな(云莫)。


万葉短歌0683 言ふ言の0618

2012年08月08日 | 万葉短歌

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万葉短歌0683 言ふ言の0618

言ふ言の 恐き国ぞ 紅の
色にな出でそ 思ひ死ぬとも  大伴坂上郎女

0618     万葉短歌0683 ShuB601 2012-0808-man0683

□いふことの かしこきくにぞ くれなゐの
 いろにないでそ おもひしぬとも
○大伴坂上郎女(おほともの さかのうへの いらつめ)=第380歌(初出)など84首参照。
【編者注】題詞原文は「大伴坂上郎女歌七首」。その第一首。
【訓注】言ふ言(いふこと=謂言)。恐き(かしこき=恐)。思ひ(おもひ=念)。


万葉短歌0682 思ふらむ0617

2012年08月07日 | 万葉短歌

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万葉短歌0682 思ふらむ0617

思ふらむ 人にあらなくに ねもころに
心尽して 恋ふる我れかも  大伴家持

0617     万葉短歌0682 ShuB599 2012-0807-man0682

□おもふらむ ひとにあらなくに ねもころに
 こころつくして こふるあれかも
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。
【編者注】「大伴宿祢家持与交遊別歌三首」の第三首。
【訓注】思ふらむ(おもふらむ=将念)。ねもころに(懃)。心尽して(情尽而)。恋ふる我(こふるあれ=恋流吾)。


万葉短歌0681 なかなかに0616

2012年08月06日 | 万葉短歌

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万葉短歌0681 なかなかに0616

なかなかに 絶ゆとし言はば かくばかり
息の緒にして 我れ恋ひめやも  大伴家持

0616     万葉短歌0681 ShuB599 2012-0806-man0681

□なかなかに たゆとしいはば かくばかり
 いきのをにして あれこひめやも
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。
【編者注】「大伴宿祢家持与交遊別歌三首」の第二首。
【訓注】なかなかに(中々尓)。息の緒(いきのを=気緒)。我れ(あれ=吾)。恋ひめやも(こひめやも=将恋八方)。


万葉短歌0680 けだしくも0615

2012年08月05日 | 万葉短歌

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万葉短歌0680 けだしくも0615

けだしくも 人の中言 聞かせかも
ここだく待てど 君が来まさぬ  大伴家持

0615     万葉短歌0680 ShuB599 2012-0805-man0680

□けだしくも ひとのなかごと きかせかも
 ここだくまてど きみがきまさぬ
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。
【編者注】題詞原文は「大伴宿祢家持与交遊別歌三首」。その第一首。
【訓注】けだしくも(盖毛)。ここだく(幾許)。


万葉短歌0679 いなと言はば0614

2012年08月04日 | 万葉短歌

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万葉短歌0679 いなと言はば0614

いなと言はば 強ひめや我が背 菅の根の
思ひ乱れて 恋ひつつもあらむ  中臣女郎

0614     万葉短歌0679 ShuB595 2012-0804-man0679

□いなといはば しひめやわがせ すがのねの
 おもひみだれて こひつつもあらむ
○中臣女郎(なかとみの いらつめ)=第675歌参照。
【編者注】「中臣女郎贈大伴宿祢家持歌五首」の第五首。
【訓注】いなと(不慾常)。我が背(わがせ=吾背)。思ひ乱れて(おもひみだれて=念乱而)。恋ひつつも(こひつつも=恋管母)。


万葉短歌0678 直に逢ひて0613

2012年08月03日 | 万葉短歌

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万葉短歌0678 直に逢ひて0613

直に逢ひて 見てばのみこそ たまきはる
命に向ふ 我が恋やまめ  中臣女郎

0613     万葉短歌0678 ShuB595 2012-0803-man0678

□ただにあひて みてばのみこそ たまきはる
 いのちにむかふ あがこひやまめ
○中臣女郎(なかとみの いらつめ)=第675歌参照。
【編者注】「中臣女郎贈大伴宿祢家持歌五首」の第四首。
【訓注】逢ひて(あひて=相而)。たまきはる(霊克)。我が恋(あがこひ=吾恋)。


万葉短歌0677 春日山0612

2012年08月02日 | 万葉短歌

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万葉短歌0677 春日山0612

春日山 朝居る雲の おほほしく
知らぬ人にも 恋ふるものかも  中臣女郎

0612     万葉短歌0677 ShuB595 2012-0802-man0677

□かすがやま あさゐるくもの おほほしく
 しらぬひとにも こふるものかも
○中臣女郎(なかとみの いらつめ)=第675歌参照。
【編者注】「中臣女郎贈大伴宿祢家持歌五首」の第三首。
【訓注】おほほしく(欝)。恋ふるものかも(こふるものかも=恋物香聞)。


万葉短歌0676 海の底0611

2012年08月01日 | 万葉短歌

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万葉短歌0676 海の底0611

海の底 奥を深めて 我が思へる
君には逢はむ 年は経ぬとも  中臣女郎

0611     万葉短歌0676 ShuB595 2012-0801-man0676

□わたのそこ おきをふかめて あがおもへる
 きみにはあはむ としはへぬとも
○中臣女郎(なかとみの いらつめ)=第675歌参照。
【編者注】「中臣女郎贈大伴宿祢家持歌五首」の第二首。
【訓注】海(わた)。奥(おき)。我が思へる(あがおもへる=吾念有)。