6/4(月) 13:53配信 朝日新聞デジタル
森友学園との国有地取引をめぐり、財務省が決裁文書を改ざんしていた問題で、昨年2月下旬、理財局の中村稔総務課長が、取引について照会を受けた政治家関係者のリストを、佐川宣寿・前理財局長に報告していたことがわかった。財務省が4日午後に国会に提出する調査報告書に記載される。
それによると、中村課長からリストの報告を受けた佐川氏が「応接録の取り扱いは文書管理のルールに従って適切に行われるものだ」との考えを示したところ、中村課長は交渉記録の廃棄を指示されたと受け止めたという。中村課長がその趣旨を近畿財務局に伝達し、政治家関係者からの照会を記した交渉記録が廃棄された。
6/4(月) 13:53配信 朝日新聞デジタル
森友学園との国有地取引をめぐる決裁文書の改ざん問題で、問題発覚後の昨年2月21日に大阪府豊中市の現地を視察した国会議員団に対応する際、財務省が「仮に問われれば、政治家関係者から照会を受けた際の応接録は残されていないと回答する」と事前に決めていたことがわかった。
4日午後に財務省が国会に提出する調査報告書に記載している。報告書では「国会議員団からは政治家関係者の関与の有無について厳しい質問があり、対応者は、その後も引き続き質問を受けることになるだろうと認識した」とも記載している。
6/4(月) 13:46配信 朝日新聞デジタル
森友学園との国有地取引をめぐる決裁文書の改ざん問題で、財務省理財局が昨年2月、改ざん作業のために日曜日にも近畿財務局の職員に出勤を要請していたことがわかった。
財務省が4日午後に国会に提出する調査報告書によると、理財局は安倍晋三首相の妻昭恵氏の名前や複数の政治家の名前が書かれた「特例承認」にかかわる決裁文書を改ざんする作業に際し、日曜日だった昨年2月26日、近畿財務局管財部の職員に対して出勤を要請。政治家関係者からの照会状況が記載された経緯部分を削除するなどの具体的な指示をし、近畿財務局職員が指示通りの作業を行ったという。
6/4(月) 13:38配信 朝日新聞デジタル
森友学園との国有地取引をめぐる財務省の決裁文書改ざん問題で、改ざん前の決裁文書の内容を知った佐川宣寿理財局長(当時)が、「このままでは外には出せないと反応」したことが、財務省の調査報告書に記載されることがわかった。報告書は佐川前局長が「改ざんの方向性を決定づけた」と認定し、同省は停職3カ月相当の懲戒処分とする。
4日午後に国会に提出される報告書によると、取引の問題が浮上した後の昨年2月27日、財務省理財局の担当者が、売却の決裁文書の内容を佐川前局長に報告。そのときに佐川前局長は「このままでは外には出せないと反応」したといい、「配下の職員の間では、記載を直すことになるとの認識が改めて共有された」という。
6/4(月) 13:24配信 朝日新聞デジタル
森友学園との国有地取引に関する決裁文書の改ざん問題で、財務省が4日午後に公表する調査報告書と処分内容が明らかになった。報告書は、国会審議の紛糾を回避する目的で改ざんが行われたと認定。交渉記録の廃棄は、安倍晋三首相が自身と妻の取引への関与を強く否定した国会答弁がきっかけだったとした。そのうえで、佐川宣寿(のぶひさ)・前理財局長は「廃棄や改ざんの方向性を決定づけた」とし、「停職3カ月相当」の処分として退職金を減額する。
安倍首相は国会で、改ざんや廃棄は自身の答弁と無関係だと説明しており、野党から発言との整合性を追及されるのは必至だ。
処分対象者は全体で20人に及ぶ。麻生太郎財務相も閣僚給与を1年分自主返納する。
改ざんについて財務省の調査では、佐川氏は昨年2月27日、政治家関係者からの照会状況が記された決裁文書の内容を報告され、「このままでは外に出せない」と反応。部下は「記載を直すことになる」と認識した。さらに佐川氏は理財局の中村稔総務課長らに「担当者に任せるのではなくしっかり見るように」と指示したという。
同時期に進められた交渉記録の廃棄については昨年2月17日、安倍首相が国会で「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と述べたことが契機だったと認定。同24日、佐川氏が国会で「記録は残っていない」と答弁。その後、佐川氏は中村課長に対し、文書管理の徹底について念押しし、中村課長は記録を廃棄するよう指示されたものと受け止めたという。
このため、佐川氏については「応接録の廃棄や改ざんの方向性を決定づけたものと認められる」とし、「問題行為の全般について責任を免れるものではない」とした。中村課長については、佐川氏に最も近い立場にあって「中核的な役割を担っていた」と認定。佐川氏に次ぐ停職1カ月の処分とする。
麻生氏は4日早朝、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開かれていたカナダから羽田空港に到着した。記者団から「財務省から報告は」「自身の進退については」などと質問が飛んだが、終始無言で、まっすぐ前を見据えたまま足早に立ち去った。
麻生氏の帰国を受け、財務省は同日午後、衆参の予算委員会の理事懇談会で調査結果や処分内容を説明した後、記者会見を開く方向で調整している。
■森友学園問題をめぐる最近の動き
3月2日 朝日新聞が決裁文書に書き換えの疑いがあると報道
9日 佐川宣寿国税庁長官(前理財局長)が辞任
12日 財務省が決裁文書の改ざんを認める
27日 佐川氏の証人喚問
5月23日 財務省が学園との交渉記録を意図的に廃棄したと発表
31日 大阪地検特捜部が佐川氏ら38人を不起訴処分とし、発表
6月4日 財務省が調査結果・処分を発表
6/4(月) 13:11配信 朝日新聞デジタル
森友学園との国有地取引をめぐる決裁文書の改ざん問題で、昨年2月に取引の問題が表面化した後、財務省が学園の顧問弁護士に対し、籠池泰典前理事長が不在だと装うよう提案していたことがわかった。籠池前理事長は昨年3月の国会証人喚問で、「財務省の佐川理財局長の命として、10日間隠れるよう顧問弁護士から申し伝えられた」と述べていた。
学園との国有地取引を朝日新聞が最初に報道したのは昨年2月9日。財務省が4日に国会に提出する調査報告書によると、当時の佐川宣寿理財局長の指示により、同局職員が学園の顧問弁護士と連絡をとるなかで、「理事長は出張で不在であるとの説明を提案」したという。
6/4(月) 12:40配信 朝日新聞デジタル
森友学園との国有地取引をめぐる決裁文書の改ざん問題で、朝日新聞は、4日午後に国会に提出される財務省の調査報告書を入手した。題名は「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」で、「書き換え」としてきたこれまでの表現が「改ざん」に改まっていた。
調査報告書は、A4判で51ページ。「改ざん」に表現を変更した理由について、報告書は「国会審議等において『改ざん』と表現すべきとの指摘がある」とし、「経緯や目的等を踏まえれば、『改ざん』と表現することが適当だと考えられる」とした。