ヤミ金「給与買い取り」執拗に返済督促…役割を分担、組織的に営業 読売新聞 2021/02/28 11:20 https://t.co/yWFDKf0hkQ
— 佐野 直哉 (@pxbrqnaZJT1917W) February 28, 2021
「給与ファクタリング」と称するヤミ金融を営業したとして、北海道警が都内や埼玉県の男女5人を貸金業法違反(無登録)容疑で逮捕した事件で、グループは借金の返済期限が迫った顧客に対し、LINEなどで執拗(しつよう)に督促を繰り返していたことが捜査関係者への取材で分かった。道警は、グループが貸付金の回収や審査などの役割を分担して、組織的に営業していたとみている。(中薗あずさ)
■道警初摘発
道警は26日、「日本強運堂」の店名でヤミ金融を営業していた東京都世田谷区中町4、会社役員野中智昭容疑者(49)ら男女5人を逮捕した。道警が給与ファクタリングの業者を摘発したのは初めて。
発表によると、5人は昨年7月頃までの1年間、渋谷区のビルに事務所を構え、無登録の貸金業を営んだ疑い。同店では客が将来受け取る給与を「債権」とした上で、手数料を引いた額を客に支払い、後日、債権と同じ額を回収していた。道警は手数料が利息にあたると判断している。
捜査関係者によると、同店は2019年5月頃にヤミ金融の営業を開始。全国約1200人の顧客に計3500回にわたり、総額約1億円の「融資」をしたという。
同店は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中でも営業を続けており、資金繰りに窮した人から約1億6000万円を回収したとみられ、道警は出資法違反容疑でも追及する。
■ウェブ広告で集客
捜査関係者によると、グループは、インターネット上で特定のキーワードに関連する広告を自動的に表示する「検索連動型広告」を悪用し、集客していた。
検索サイトで「借金」「ブラック(多重債務者や滞納者)」「貸金」などと調べると、検索結果の上位に同店のウェブサイトへの誘導広告が表示されるようにしていたという。
同店のサイトでは「保証人不要」「即日買い取り」などをうたい、アルバイトやパートの従業員も対象にして、給与を買い取れるなどと強調していた。
「給与ファクタリング」を巡っては、金融庁が昨年3月、「貸金業に当たる」との見解を公表。警察当局が悪質業者の摘発に乗り出している。
◇ 道警は27日、野中容疑者を貸金業法違反容疑で旭川地検に送検した。