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X線使い科学調査 → 2024年度中に結論:高知県立美術館所蔵の絵画 贋作の可能性指摘 → ドイツ人画家のヴォルフガング・ベルトラッキが「自分が描いたものだ」と証言

2024-11-20 10:03:29 | 事件ですか事故ですか
ヴォルフガング・ベルトラッキ



高知県立美術館が所蔵する20世紀初頭のドイツ人画家が描いたとされる絵画について、贋作(がんさく)の可能性が指摘されたことから、本物かどうかを調べるため、専門家によるX線を使った科学調査が行われました。美術館は今年度中にも最終的な結論を出す方針です。

高知と徳島の県立美術館では、所蔵する絵画について、30年以上にわたって贋作を描き続けたドイツ人画家のヴォルフガング・ベルトラッキ氏が「自分が描いたものだ」と証言するなど、贋作の可能性が指摘されたことから、いずれも調査を進めています。

このうち高知県立美術館では、20世紀初頭のドイツ人画家、ハインリヒ・カンペンドンクの「少女と白鳥」とされる絵画について、18日から2日間の日程で、京都大学の専門家らによる科学調査が行われました。

科学調査では、X線を使って絵の具に含まれる元素を調べ、ベルトラッキ氏が好んで使ったとされる絵の具の成分の特徴が現れるかどうか確認したということです。

これまでの調査では、贋作と判断するには至っていませんが、今後、専用の機器で絵の具の詳細な分析を行い、美術館は今年度中にも本物か贋作かについて最終的な結論を出す方針です。

調査にあたった京都大学人間・環境学研究科の田口かおり准教授は「予想していた元素が検出されず、難しい調査だったが、貴重な試料が蓄積できたので、次の調査への準備を整えたい」と話していました。

第一人者の“お墨付き”文書提供 美術館「贋作か議論されず」
高知県立美術館では、問題となっている絵画を28年前に名古屋市の画廊から購入しましたが、作品を描いたとされる画家の研究の第一人者が「本物だと認めた」とする“お墨付き”を示す文書が画廊から美術館に対し提供されていたことが、県への情報公開請求でわかりました。美術館では「本物か贋作かは議論されなかった」と話しています。

高知県立美術館が所蔵するハインリヒ・カンペンドンクの「少女と白鳥」とされる絵画は、28年前の1996年に名古屋市の画廊から1800万円で購入したもので、NHKは当時のいきさつを示す文書の情報公開請求を県に行いました。

公開された文書のうち、名古屋市の画廊から美術館に提供されたものには、画廊が絵画を落札した際に、イギリスのオークション会社「クリスティーズ」から出された絵画の“お墨付き”が含まれていました。

文書には、カンペンドンク研究の第一人者とされるドイツのアンドレア・フィルメニッヒ氏によって「本作品の真性が確認された」と明記されています。

また、絵画の購入前に開催された有識者らによる県の委員会の議事録には、当時の館長が「コレクションにぜひ必要な重要な作家なので購入したい」という発言がある一方、価格の妥当性について言及する発言はありませんでした。

NHKの取材に対して、高知県立美術館は「一番の権威が本物だと言っているのだから間違いなく本物だと考えた。本物か贋作かは議論されなかった」と話しています。
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