
今年の夏山は、仕事の関係などがあって、どこに登るかはまだ決まっていない。
南や北のアルプスに行くことになれば、真剣な鍛錬が必要である。
それで、取り敢えず鍛練をすることにして、今週の日曜日に、
由布岳とお鉢廻をすることにしていた。
しかし、水曜日の夜から「夏風邪」に罹って土曜日まで寝込んでいた。
どうしようかなと思っていたが、土曜日の昼過ぎにはどうにか動けるようになった。
ただ、咳が残ってはいた。
もし、きつければそこで、私だけ引き返すこともできる。
などと、行く理由をつけて、朝の5時に家を出た。
決して、「由布岳」を甘く見ているわけではない。
参加者は、いつものYさん、Kさん、Aさんと私の4人。
皆さんを順に拾って、5:50に太宰府インターから高速に乗った。
玖珠サービスエリアで小休止の後、7:25に正面登山口についた。

7:45 登山開始。

参加メンバーから、「大丈夫?」との声がかかるが、「ウン!」と答える。
そうだよね! まだ歩いてないから、元気なはずだ!

これから登ろうとしている「由布岳」は雲に隠れている。
草原も、萌えあがるような色合いだ。

ウツボグサがお出迎え。

8:00 日向岳への分岐に着いた。


草原の一角にハンカイソウの群生がある。

今からの苦しみがウソのようなひと時だった。


実は、「由布岳」とは深い因縁がある。
高校山岳部から、ほぼ7年間真剣に山登りに取り組んでいた私は、
就職などでほぼ山登りはお休み状態になっていた。
それが、40歳の時に山登りを再開することになったのだが、
そのきっかけが、職場の若い人達との「由布岳」登山だった。
40歳といえば、まだ若く体力もあった。過去の経験もあって、
「俺についてこい!」みたいな態度で登り始めたが、すぐに「はあ、はあ、ぜい、ぜい」。
息も絶え絶え、常に一緒に登った12名の最後尾。その内に一人おいていかれる。
ヘロヘロになりながら、どうにか「マタエ」までは登った。
が、深い反省が待っていた。
あまりもの口惜しさから、その年の4月に「市房山」、5月に「祖母山」
6月に「黒岳」とこなし、7月には表銀座から「槍ヶ岳」に登った。
つまり、今の私の山登りはこの「由布岳」からスタートしたようのもの。
だから、強い思い入れがある。なのに病気上がり!(なんでやねん!)
まぁ、そんなことは置いといて先に進もう。
登山路は昨日までの雨上りでとても美しい!


まだ「ヤマツツジ」がとてもきれいに咲いていた。


終盤なのだろう、こんな景色も見せてくれた。

ここで今日のお目当ての一つ「シライトソウ」が現れた。

登山路にとっても映える!

登山路から高度で200メートル程度上がってきたところで、
同行のメンバーから離れることにした。やはり、体力は戻っておらず、
ゆっくりペースで登ることにした。彼らは、先に登ってお鉢廻をして、
後から登ってくる私と「マタエ」で再開する予定とした。
分かれ際にYさん曰く「必ず登っておいでよ!」だって。

ここで、3人とは一時さよなら。(見捨てられたといってもいいかも。)
以後私は、超カメさんペースで登っていくことになる。
9:05 飯盛城との出会いに着いた。

ふとこのベンチを見て、先日読んだ川本三郎著「いまも、君を想う」を思い出した。
この本で触れられていたのだが、「思い出ベンチ」というのが東京のある公園にあるそうだ。
故人にゆかりの人がお金を出して、公園に「思い出ベンチ」を設置することができるという。
そのベンチと同じか、山を好きだった人のためのメモリーかな?
静かにこうべを垂れた。
ゆっくり、ゆっくりと登っていくので、多くの人に追い越された。
そんなことは気にもかけず、あちこちをパチリとしながら登る。

いつもの門番さんは、少し弱っているようだ。今日の私もこんな感じかな?

「シライトソウ」は登山路のいろんなところで見れた。

息を整えがてらにこんなのも撮ったりして。


このランは、「ソクシンラン」かな? どうも「ネバリノギラン」みたいだ。


まだ名前を特定できていないけど、


こちらは「ベニウツギ」かな?

これも何だろう?

下山の体力の余裕を考えて、ゆっくり登っているのだが、
樹林帯を出た時、鳥がすぐ目の前で大きな声でさえずり始めた。

慌てて、鳥撮影用のカメラをザックから取り出す。
「どうか、動かないで!」

撮れた!多分「ホオジロ」かな?

ヘロヘロになりながらも、ここまで登ってきた甲斐があった。
と思っていたら、さらに「ホ~、ホケキョ!」との泣き声!

なんと!すぐ近くで「ウグイス」が鳴きだした。

「すごい!」「ホ~」で胸を膨らまし、「ホケキョ!」で息を吐くように鳴いている。

何はともあれ、「由布岳」が素敵なプレゼントを用意してくれたようだ。

先行する3名にも見せたかったね。
11:36 そんなことがあったのち、マタエにどうにかたどり着いた。

マタエの前までは、ほとんどがガスの中。
でも向こう側は素晴らしい景色が広がっていた。


まだ、同行のメンバーとは再会できていない。
お鉢廻のどこら辺を歩いてるのか?
長くなったので、残りは続くということに!
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