2014年9月26日(金) 午前10時~12時
秋の気配が次第に濃くなり、さわやかな季節となりました。まさに灯火親しむ読書の秋を迎えました。
第6回読書会は幸田文の 『おとうと』 を読みました。参加者の皆さん7名、スタッフ3名の計10名で行われました。
幸田文は明治37年、幸田露伴の次女として生まれました。早くに母と姉を亡くし、露伴から家事一切を厳しくしつけられて育ちました。清酒問屋に嫁ぎ一人娘をもうけますが離婚。実家に戻って父を介護し最期を看取りました。
露伴の死後、請われるままに露伴を追悼する本を執筆しますが、誠実で感性に富んだ文章は、たちまち世の注目を集め心ならずも作家の道を歩むことになりました。1956年『黒い裾』で読売文学賞を受賞。『流れる』では1956年に新潮社文学賞、1957年には日本芸術院賞を受賞。1973年には『闘』で女流文学賞を受賞しました。他には『北愁』 『木』 『崩れ』 etcの著書があります。娘の青木玉と孫の青木奈緒もともに作家で、文との思い出を綴ったものが数多くあります。
参加してくださった皆さんの感想を一部ご紹介します。
◆初めて幸田文を読みました。最初は少し読みづらく感じましたが、文体に慣れてくると一気に読み進めることができました。幸田文のことも含めて興味が出ました。とても良かったです。
◆小学校のときに幸田文を読み、読書感想文を書いた思い出があります。今回の本 『おとうと』 は初めてですが、自分の弟と重なり合わせて読みました。生と死について考えさせられる作品でした。
◆幸田文さんのことをよく知らなかったので、まず幸田文について紹介されている本を1冊読んでから 『おとうと』 を読みました。幸田文の生い立ちを知ってから読むことで、より深く理解することができました。読書会がなかったら自分では選ばなかった本です。また新たな世界が広がりました。
◆『おとうと』 は幸田文の実体験に基づいた作品ということで、いろいろと胸にせまるものがありました。げんは碧郎にとって姉であり、母親でもあったのだろうと思う。碧郎を愛おしく感じました。
◆読書会を通じて、普段読まないような本をたくさん読むことができました。ぜひこれからも読書会を続けてほしいです。
本日はご参加いただきまして、ありがとうございました。