キツネとタヌキの牙狼伝説

2006-03-01 00:00:45 | 日記・エッセイ・コラム

先日、キツネを連想させる20歳ぐらいの女が、電車のシートの一番はしっこに座っていた。細身細面で髪の毛もしっかりキツネ色だ。



目を細めて携帯をバシバシいじっている。誰にどんなインチキメールを送ってるのだろう、、、とひねくれてみた。



キツネの隣に座っていたちょっと太めのショートカットの女。やがてこの女が居眠りを始め、キツネ女に徐々にもたれかかったのが全ての始まりだった。



豹変したキツネ女。



キツネは女同士にもかかわらず、ちょっとでも肩にあたるのが耐えられないらしい。ちょっと触れただけで、超露骨に腕を上げて押し返した。キツネってなわばりに敏感なのだ、きっと。



居眠りした女は押し返される都度、逆に傾くのだが、すぐまたキツネにもたれかかっていった。それを何度か繰り返す。しかしキツネは腕まで細いのか、小太りの居眠り女を押し返すとき、けっこうしんどそうに見える。そのためしまいには逆方向へ体を傾かせ、ひじうち気味に勢いよくど~んと押し返しだした。
むむ。この技はどっかで、、、
思い出した。
アンディーボガードの得意技『残影拳』(NEO GEO 牙狼伝説より)だ。このキツネ、なかなかやる。



それにしても居眠り女は小太りなので、向かいに座ってる人は、タヌキがキツネにちょっかいをかけてるという滑稽でめずらしい光景を目撃したわけだ。



気が付けば、キツネの細い目はつり上がり、スーパーヒステリッキー4倍。もはや周りは見えていまい。一方、タヌキは何度も体当たりされているので、きっと目は覚めてるに違いない。しかしそこはタヌキ神髄の堂々たるタヌキ寝入りで応戦。



さてさて、いったいどいう結末になるのかと、はらはらした我々向かいの席チームだったが、やがて乗ってくる人が多い駅で間に大勢の人が立ったため、残念ながら感動のエンディングを見ることができなかった。



仕方なく続きは妄想の世界へ。
タヌキの度重なるなわばり侵犯に、はげしく抵抗を続けたキツネではあったが、体力は限界に達しようとしていた。そしてキツネが降りる予定の駅に止まる寸前、このままでは全く納得できないキツネはこれが最後とばかりに残された力で残影拳を放った。



「残影 ケーン!!」



ああ、タヌキが!!。。。。



いや、タヌキはこの瞬間をまっていた。待つために耐えた。鳴くまで待とうほととぎすというか、タイミングを見計らい、この駅で降りるとばかりに余裕な顔で席をたった。



キツネの額にはにじんだ汗がキラリ。
タヌキがいたはずの座席へと



それは♪スローモーション
軽いめまい感じるように~(By スターダストレビュー。一部歌詞変更)



タヌキは見事にキツネ渾身の残影拳をすかした。
怒りのあまり、タヌキのタヌキ寝入りを冷静に見切れず、しかもせっかくの残影拳もフェイントさえいれず、単調な攻撃に終始した女キツネの完全敗北だった。



キツネは降りることも忘れ、タヌキの後ろ姿を見送りながら小声で叫んだ。



「コン、コンちきしょーが」



・・・・まぁこんな感じで。



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