ピーナッツの唄

毎日の出来事や、スポーツ観戦、読書や映画等の感想を中心に、好奇心旺盛に書いています。

北方ワールド「チンギス紀」から

2019-09-17 18:25:48 | 読書
北方謙三著「チンギス紀」5巻を読了した。
大水滸伝3部作を刊行したあと、モンゴル王国の創始者とされる人物「チィンギス・ハーン」を描く意欲作である。モンゴルの大草原に、まだまだ群雄が割拠する時代に、小部族の中に誕生する「テムジン」。5巻では主人公の誕生秘話が書かれていて、実に興味深い内容になっている。
まさに北方氏の描く世界が壮大に広がる気配があり。次巻以降が非常に楽しみである。一度読んだ後に再度読み返す、そんな楽しに満ちた著書である。


                
                
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吉田修一著「国宝」を読んで

2019-02-24 12:54:20 | 読書
朝日新聞朝刊に連載のこの書。多くの方もご存知と思います。今回は単行本となったのを機に、カミさん共々読了いたしました。
大阪歌舞伎の重鎮花井半二郎の元で、ひとりは半二郎の御曹司、もうひとりは博多から逃げ出して来て部屋子(芸養子)となった若者が歌舞伎の道を歩き出す。
当然、師匠のあとを御曹司が継ぐと思われたが、部屋子の弟子が三代目の名跡を継ぐ事に。それが原因で御曹司は出奔。10年を経てようやく歌舞伎界に戻った御曹司と、主人公が互いに芸を磨き上げて、歌舞伎の世界で競い合う。

しかし御曹司は何んと、壊死の病で両足を切断するアクシデントから、早死にしてしまう。三代目花井半二郎が、幾多の苦難を乗り越えて芸を磨き、やがては人間国宝にまで登り詰める。しかし芸の道を探求するあまり、狂気とも思えるような様が出て来る。

歌舞伎好きの小生だが、随所に出て来る歌舞伎の演目や、歌舞伎座の周辺風景が、第三者が語り掛けて来るこの著書に深い感銘を受けている。


    
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読書の事

2018-10-06 10:12:44 | 読書
小生は現在、佐伯泰英著「吉原裏同心」に執着して読んでいる。
既に18巻目を読んでいるが、全部で24巻まであるので、暫く読了に時間が掛かる様だ。

そして小説すばるに連載の北方謙三氏の「チンギス紀」。小説新潮に連載の今野敏氏の新作「隠蔽捜査」9。
この2作はまだまだ連載中の新作だが、雑誌に連載しているのを追いかけて読んでいる。
さらにがんセンター病院文庫から、下記の3冊を借り出して積んでいる。大作だが時間を掛けて読了する。

プロ野球のナイターもほとんど終了。TV番組も参るべきものが少なくなっている。
秋の夜長は、読書に限ると思っている。


              
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乱読の愉しみ

2018-09-03 15:19:25 | 読書
何度も書いているが、7月・8月中の暑さは驚異的だった。
そこで熱中症対策を兼ねて、ただひたすらエアコンの効いた自宅に引き篭もりが続いた。
夜間はTVで、プロ野球の中継や、ドラマを視聴するが、昼の間はひたすら読書である。
本は市の図書館や、がんセンター文庫から借り出して来る。娘宅からも読み終わった本を送ってくれる。
同時にカミさんも、小生同様に読書に嵌っている。小生が読んだ本にも手を延ばす。

小生は、上の娘から教わった読書メーターというWEBで読み終わった本を記録している。
7月に21冊、8月はやはり22冊を読んでいた様である。
読んだ本の中心は、警察、刑事モノが多い。最近は女性作家のミステリーも多く読んでいる。
さらに時代劇モノもポツポツと読むことがある。とにかく乱読なのである。
ある作品を読んで面白いと思ったら、その作家の本を何冊も読み込む事もある。

思えば多くの作家の著書を読み込んで来た。これからも乱読の癖は抜けないのだろうと諦めである。
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おらは おらで ひとりいぐども

2018-08-26 10:22:33 | 読書
芥川賞受賞作の「おらは おらで ひとりいぐども」を夫婦で読了。

24歳で結婚式を3日後に控えた主人公、郷里を捨てて新たな人生を始める。
縁があって結ばれて結婚して31年を過ごしたが、15年前に突然愛するご主人を亡くす
そして2人の子どもも疎遠になって、孤独な日々を過ごす毎日である。
こんな暮らしを、一人称と三人称で難解な方言で表現している。
捨てた郷里の想い出、優しかったご主人との思い出、子どもの事。
その果てに主人公が得たのは、圧倒的な自由な時間だと思われる。

作者の出身が岩手県遠野市とあるから、書かれているのは遠野市方面の方言だと思われる。
それにしても63歳の作者が、新たな「老い」の形を描いた力作だと評価したい。


                                  
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楽しみな「チンギス紀」

2018-07-29 17:25:01 | 読書
「水滸伝、陽令伝、岳飛伝」の大水滸伝シリーズを完成させた北方謙三氏。
この度は新刊「チンギス紀」を刊行している。昨年から小説すばるに連載されている新作である。
ご存知の通りのジンギス・カンとして知られた、モンゴル王朝を打ち立てた人物を描いている。
新刊発売と同時に、図書館に借り出しの申し込みをしていて、ようやく第一巻の順番が回って来た。

モンゴルの一部族の長子として育ったが、14歳の時、ある事件から郷里を出て流浪の旅にでる。
その旅の間に知り合った3才下の男の子と共に、万里の長城を超え金国の大同府に至る。
その城府で知己を得た人物に「史記本記」を教わりながら、字を知り一年間を過ごす。
その間にモンゴルの郷里では、父が亡くなり母親と弟達が苦労しながら部族を守っている。
そして遂に、自分の部族を守り育てるために、砂漠を超えて帰国する。
その後に長大なモンゴル王朝の樹立に奔走する「ジンギス・カン」。その人生が描かれる様である。

第二巻以降の展開が楽しみである。


                                  
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北方謙三「史記」に挑戦

2018-07-21 14:50:52 | 読書
暑い毎日である。必然的に自宅で過ごす事が多くなっている。
クラーの効いたリビングで、夫婦で読書をする。夜もスポーツ中継を観がら本を手にする。
小生はがんセンター病院文庫から借り出した、北方謙三著「史記」7巻を読み始めた。

前漢の中国7代の武帝・劉徹は、16歳で帝王の座に就く。
20歳を超えた後に、外戚の圧力が徐々に外れて、自分の意志で国の治世を試みる。
先ずは、漢の国の一部を占領されている匈奴の駆逐と、領土の奪還である。
自ら選任した武漢衛青、さらには衛星の甥である霰去病による、匈奴のとの闘いに大勝利する。
同時に、西域の地に使者派遣していた使者が13年後にようやく帰還する。
今のところ3巻までしか読了出来ていないが、武帝・劉徹は70歳まで権力を振う様である。

この小説の基になる「史記」の筆者「司馬遷」が登場する。今後の展開に期待大である。


                 
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家康、江戸を建てる

2018-06-25 18:25:25 | 読書
最近読んだ本の中で抜群に面白いと思った本が「家康、江戸を建てる」門井慶喜著である。
小田原攻めの勝利の際に、秀吉より「徳川殿には関八州を進呈しよう」と言われた家康である。
当時の徳川家は「駿河・遠州・三河」の豊かな地を治めていた。
家康は多くの重臣たちが反対するが、その要請を受け未開の江戸に開府すること決心する。
当時は全くの未開の湿地帯だった江戸の地を如何に開拓して、江戸の街造りをしたかが描かれる。

1・「流れを変える」では、大雨の度に洪水を繰り返す江戸の街の治水をはかる取り組みだ。
   後背地の上州の大河の流れを、江戸の地を迂回させる遠大な工事である。
   現在の首都圏を流れる利根川や荒川、さらに隅田川や江戸川の原型を創る。
2・「金貨を延べる」では、貨幣制度の採用で、流通を活発にする事だ。大判から小判小銭造り。
   いわゆる金座、銀座の江戸での育成と、貨幣の全国への流通を図る仕組み造りだ。
3・「「飲み水を引く」では、湿地他の土地ながら、海水の混じる井戸では良水が得られない。
   そこではるか良水を得られる井戸から、暗渠を経た上水道を引く事で飲み水の確保をする。
4・「石垣を積む」では、幕府に忠誠を誓う大小名の力を削ぐため、遠大な江戸城壁の建築を命ずる。
   良質な石の産地である、伊豆半島での石切り師たちの奮闘と、大名たちの奮闘がある。
5・「天守を起こす」では、江戸城に、壮大な天守閣を造るかどうかの、家康と秀忠の論争がある。
   結局は天守閣不要論を抑えて、家康は白塗りの天守閣を造る事を命ずる。
   この白塗りの天守閣こそ、事後260年余に亘る徳川幕府を世に知らせるべきシンボルだった。

これらの江戸の街造りは、実に遠大な計画の基、代々子孫に引き継がれながら進められた。
未墾の土地を如何に江戸の街に変え、そして我国の首都である東京に引き継がれたか。
なかなかと興味が尽きない本である。


                    
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慈雨

2018-06-12 08:25:08 | 読書
最近読んだミステリー、柚月裕子著「慈雨」が面白い。
定年退職した刑事陣場が、四国八十八カ所巡りを奥さんと始める。
42年間の警察官としての活動の中で、16年前の幼女誘拐殺人事件に拘りがあった。
自分等が逮捕し刑が確定した犯人以外に、真犯人がいたのではの疑念をもったままだった。
巡礼中に、かっての上司と部下から、また幼女誘拐殺人事件が起こったと知らせが届く。

巡礼中に、警察官時代の想い出が順次説明される。駐在所勤務時代からの夫婦の生活。
信頼していた同僚夫妻の死、そして娘との出会い、刑事としての長かった生活が語られる。

16年前の事件に類似する、今回の事件。四国を巡礼中ながらアドバイスを続ける。
そして犯人逮捕の報を、結願の寺で聞く事になる。

警察の冤罪を産む土壌はないか?、真剣に業務を目指す刑事の悩みを活写している。


                 
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隠蔽捜査シリーズのこと

2018-04-12 11:10:53 | 読書
カミさんあてに、下の娘が送ってくれた書籍類に「隠蔽捜査」の文庫本があった。
小生は7巻と+2巻(スピンオフの短編集)が発行されている、このシリーズは既に読破していた。
このシリーズは警察モノミステリーとしてはいささか異色である。著者は今野敏である。
これまでミステリーモノとは無縁で来たカミさんは、いささか戸惑っていたが、読んでみる事を勧めた。

警察庁の重職に就くキャリアの主人公が、現職警官の起こした事件の隠蔽工作を阻止する。
あくまでも国家公務員の重責から、周辺の反対を跳ね除けて、彼の主張は胸がすく思いである。
常に正論を貫き通す。これが選ばれた国家公務員のキャリアの使命だ言う。
しかし家庭内で長男の起こした不祥事の対応もあり、左遷人事で大森署長に転任する。
2巻から7巻では、大森署管内の事件の対応にあたる主人公の活躍を描いている。
幸に図書館から全て借り出しが出来て、カミさんに全巻を読破してもらった。
ミステリーモノも案外に面白いわね、と言うのがカミさんの感想である。

このシリーズは、警察モノの小説の歴史を変えた面白さがあると思う。
もっとも最新作「棲月」は新刊が発売されが、小生は小説新潮に連載中のものを読破。
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