1昨日(8日)は自由民主党が2012年発表した改憲案である日本国憲法改正草案についての本を紹介した。
今日は第27条である。いつものとおり自民党の新旧改憲案と現行日本国憲法の比較表を作成する。
現行日本国憲法を青字で示し、改憲案で削除もしくは変更された文句を太字や下線でアピール、
改憲案では新規追加された条文をこげ茶で現行憲法、旧改憲案から新規付け加えた文句、変更された文句を赤字や太字で表わし、
現行憲法と変更が無い文句を青字で示す。
自民党__新憲法草案(旧案) | 自民党_憲法改正草案(決定案) |
日本国憲法
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(平成十七年十月二十八日(発表)) 2005年 |
(平成二十四年四月二十七日(決定)) |
(昭和二十一年十一月三日憲法(発布)) 1946年 |
(勤労の権利及び義務等) 第27条 ① すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う |
(勤労の権利及び義務等) 第二十七条 全て国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。 |
第二十七条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。 |
② 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律で定める。 | 2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律で定める。 | 2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。 |
③ 児童は、酷使してはならない。 | 3 何人も、児童を酷使してはならない。 |
3 児童は、これを酷使してはならない。 |
【変更内容】
1.2012年改憲案
1-1.第1項:すべて⇒全てのひらがなを漢字化
1-2.第3項:「何人も」が追加される
2.2005年新改憲案では変更なし
現行日本国憲法の英訳を青字で示す。
article 27. All people shall have the right and the obligation to work.
Standards for wages, hours, rest and other working conditions shall be fixed by law.
Children shall not be exploited.*1
*1 3項の変更を強いて英訳すると、主語が変わっているのがわかる。
Every person shall not be exploited children.
(Children⇒Every person 主客転倒である。子供が酷使されてはいけないのである。このニュアンスを大事にできないのが問題である。)
(2005年改憲案は変更を加えてないが、2012年度版は変更が加えてある。また、1項の漢字に直すなど無用な変更である。このような無意味な変更を前面に出している。漢字の使い方、フリガナ、慣用の言い回しなどは変化するものであり、現行憲法がすべて嫌い、すべてに手を加えたいとの意思があると感じるのは私だけか)
(同様に3項では「何人も」を追記している。これも70年問題なかったので無用の修正である。また、内容的には主客転倒である。意地悪く見ると国民はしてはいけないが、国は良いという意味の変更であろうか…?)
良い効果があった条文は一言一句、一切手を付けるなと言いたいやじさん