回は第38条の比較である。
自民党__新憲法草案(旧案) | 自民党_憲法改正草案(決定案) |
日本国憲法
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(平成十七年十月二十八日(発表)) 2005年 |
(平成二十四年四月二十七日(決定)) |
(昭和二十一年十一月三日憲法(発布)) 1946年 |
(刑事事件における自白等) 第38条 ① 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。 |
(刑事被告人の権利) 第三十八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。 |
第三十八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。 |
② 拷問、脅迫その他の強制による自白又は不当に長く抑留され、若しくは拘禁された後の自白は、証拠とすることができない。 | 2 拷問、脅迫その他の強制による自白又は不当に長く抑留され、若しくは拘禁された後の自白は、証拠とすることができない。 | 2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。 |
③ 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされない。 | 3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされない。 |
3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。 |
・ 本38条の第1項は改変が無く、第2項、第3項も字句、文句の書き直しと思われる。しかし第2項はニュアンス的には微妙に変わっている。現行日本国憲法は強制、拷問、脅迫は並列であるのに対し、改憲案では拷問、脅迫、その他が並列で強制はそれらの行為として使われている。このため「強制」は単純の強制が除外されていることがある。また、その他という内容が明らかにされていない、このため内容が明らかであれば、条文に書き込むべきことである。
(つまり、実質、脅迫拷問のような力ずくの強制だけに限定されることが懸念される。先般行われた、国歌、国旗に関する法律であるが、その審議における質疑応答
では強制するものではない。という回答があったが、現在は教育委員会から、国歌、国旗掲揚を指導がなされ、従わない職員、教員は職務違反に問われることになり、義務ではない納得していただけるまで世粘り強く(実質強制である)ことを行うことを是とする。このような審議の内容が生きない、不可思議な法律のつくり方をする。これ例によれば、様々な罪状による繰り返し逮捕による、長期拘留により、自白するまで粘り強く質問を繰り返すことも是となる可能性が大である。危険な文句の改変である。)
第3項の「または刑罰を科せられない。」が省かれている。(「または」の意味は有罪されないだけではなく当然刑罰を科せられないという意味であるので、除外する必要が無いと考えるがいかがなものか)
現行日本国憲法の第37条の条文の英訳を示す。
article 38. No person shall be compelled to testify against himself.
Confession made under compulsion, torture or threat, or after prolonged arrest or detention shall not be admitted in evidence.
No person shall be convicted or punished in cases where the only proof against him is his own confession.
(またまた繰り返しになるが内容が変わらないのなら漢字、文字、文句など変更する必要がまったく無い。十分に国民に普及しているものを変えることはないと思う。)
こんな訳も分からない怪しげな改変があると読むのがどっと疲れるやじさん2。
誤字、ミスタイプはご指摘いただければ直します。