中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

紬の着物の後継ぎ

2019年03月19日 | 着姿・作品


先日の「紬+帯揚げ百彩」の際に、私が以前着ていた紬を引き継いでくださっている方がお越しくださいました。
久しぶりに我が子との再会になりました。
帯はお手持ちのいろいろなものと合うということで「活躍してます!」とおっしられていました。
一回り半ぐらい?若い世代の方です。


この日は落ち着いたモスグリーンのザックリした浮織の八寸の帯を合わせておられました。カジュアルな着こなしです。
この着物は「華かさね」と銘を付けていますが、私の中では少し華やかな場面での装いを想定していましたが、こんなふうに普段にもどんどん着ていただけるのも良いことだと再認識しました。コデマリやリンゴの枝葉で染め、袖口の赤系は茜染めです。

いつも紬塾の初回に黄色系の着物、ピンク系の着物を羽織ってもらうのですが、その際にも使っていた着物です。
身近な植物からは黄色系と赤系(淡い)が染まりますので、ごく自然な無理のない色です。肌映りがよく、どなたにも年齢を超えて似合う色でもあります。


上の画像が紬塾の時のまとってもらっている風景写真です。
この梅染めのピンク系の格子も後継者を探しておりますので、HPからお問い合わせいただければと思います。
ピンクはちょっと、、と敬遠する方も、当ててみるると思わずニッコリ!、「いいかも‥」とおっしゃる方が多いです。
洗い張り、仕立替えまで承ります。

すべて人の手でつむがれた糸を使っています。また長く着て頂けるよう堅牢に染め、織っています。
その仕事を次の世代の方に引き継いでもらえることは大事なことだとです。
繭から命あるものを頂くのですから、そういうものを大切に身に付けたいですし、作り、伝えたいです。


さて、この日私が着ていた紬は、梅染めの絣り刺し子織り(単衣)です。画像は少し青味がかっていますが、こちらもよく着ております。
とても生地感は良く、シワにもならず、重宝なのですが、元々サイズがやや大きめで、またこの一年でかなりスリムになりまして、、洗い張りするほど着てはいないのですが、やはり仕立て替えようかと今年は思いました。また、歳を取ると、身長も縮みます。身丈も今後を見越して少し詰めようと思います。
紬着物はやや小さめが着やすいですね。余った布をあちこち押し込んだり、引っ張ったりの処理をしないで済みます。

この日の取合せは拙作の帯、グリーンがかったグレーの「緑蔭」です。帯揚げは梅染めのオレンジ味のある薄茶、帯締めはグリーンがかったベージュです。
濃厚な凝った紬を、帯や小物たちが静かに見守っているという取合せにしてみました。

この紬もいずれどなたかに引き継いでもらえたらと思います。
この着物の取合せはこちらの着姿ページでご紹介しています。



コメント
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