ニュースなはなし

気になるニュースをとりあげます

うつ病」は、なぜ原因のストレスが消えても治りにくいのか? 脳科学で見えた「一つの答え」

2024年03月21日 23時03分44秒 | メンタルヘルスのこと>心の健康


「うつ病」は、なぜ原因のストレスが消えても治りにくいのか? 脳科学で見えた「一つの答え」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース 



うつ病」は、なぜ原因のストレスが消えても治りにくいのか? 脳科学で見えた「一つの答え」
3/15(水) 7:02配信
0コメント0件

---------- 

注意欠如・多動症(ADHD)、自閉スペクトラム症、統合失調症......。

多くの現代人を悩ませる発達障害や精神疾患について、原因解明や治療法開発のための研究が進んでいます。脳科学の視点から最先端の研究をわかりやすく紹介した話題の新刊『「心の病」の脳科学』(講談社ブルーバックス)のコラムの中から、「うつ病」と「適応障害」の違いについてご紹介しましょう。 *本記事は『 「心の病」の脳科学  なぜ生じるのか、どうすれば治るのか』を一部再編集の上、紹介しています。 

---------- 

【画像】神経細胞が「縮んで」いた!? わかってきた「うつ病」のメカニズム


「うつ病」と「適応障害」の決定的な違い

 私たちは日常の中で、「うつ」という言葉を気軽に使っています。これは海外でもそうで、 depressionという英語は日常用語になっています。それだけに、病気としての「うつ病」と日常語の「うつ」のあいだの見極めは、簡単ではありません。  

日常語の「うつ」というのは、失恋など誰でも嫌な気分になってしまうようなストレス因があって、気分が落ち込んでいる状態です。この落ち込み方が、その原因に比べて不釣り合いに強い場合に、適応障害と診断されます。 

 そして、適応障害の診断基準の中には、ストレス因がなくなれば治る、ということが書かれています。うつ病でも、ストレス因がきっかけになることが多いのですが、うつ病は、ストレス因が解消されたからといって治るものではありません。


適応障害がなかなか治らない理由


 仕事の失敗で損失を出したことが契機となって適応障害になった人は、「あの損失、間違いでした!」と言われたら飛び上がって喜びますが、仕事の失敗で損失を出したことが契機となってうつ病が発症した人は、「あの損失は解消したから大丈夫ですよ」と言われても、「いや、そんなはずはない。自分の損失は決して解消しないはずだ」などと悪いほうにしか考えられません。

  うつ病は、きっかけとなったストレスがなくなったからといって、自然に治るわけではないのです。  このように、適応障害は「ストレス因が解消されたら治る」わけですが、実はこれがくせ者です。なぜなら、適応障害の原因となったストレスは、解消される場合ばかりではないからです。

「うつ病」と「適応障害」をどうやって見分けるか

 ストレス因がなくなれば治る、とひと言で言われても、そのストレス因は、なくなるまで何十年かかるか分からない。いや、なくならないかもしれないのです。となると、「ストレス因がなくなれば治る」という基準では、うつ病と適応障害の鑑別ができないではないか? ということになります。

  そのため、ある程度以上、症状が重く、持続していれば、ストレス因との関係性はさておいて、自動的にうつ病と診断することになっています。

  経験的に、このくらい重ければ、ストレスがなくなっただけでは治らない場合が多い、ということで設定された基準ですので、ひょっとして、ストレスがきっかけにうつ病と診断される状態になった人の中には、ストレスがなくなったら、スカッと治ってしまう人もいるかもしれません。 

 この場合は、本当は適応障害だったのだろう、ということになるわけです。とはいえ実際には、臨床現場でそのような方はほとんどおられないように思います。

それぞれの病気で「脳」はどう変化するのか


 ストレス因がなくなっただけでは治らないうつ病では、脳の中で、神経細胞の形が変わるほどの変化が起きていると考えられています(参照〈実は脳の神経細胞が「縮んで」いた! ついにわかってきた「うつ病」のメカニズム〉)。

それに対して、ストレス因がなくなれば治る適応障害は、ストレスによる可逆的な、機能的な変化に留まると考えられます。 

 適応障害の動物モデルの研究、というのは聞いたことがありませんが、ストレスによって直接的に生じ、ストレスがなくなれば収まる行動変化を適応障害とすると、適応障害こそ、動物実験で山ほど研究されているものといえるのかもしれません。 

 本書『「心の病」の脳科学』では、うつ病が生じるメカニズムや治療法など、最新のうつ病研究の成果も、詳しくご紹介しています。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東大合格者数42年間1位の開成に"深海魚"はいない…入学初の中間試験で「43人中42位」でも全然平気な仕組み

2024年03月21日 22時03分36秒 | 教育のこと



東大合格者数42年間1位の開成に"深海魚"はいない…入学初の中間試験で「43人中42位」でも全然平気な仕組み
2/2(金) 11:17配信

 特に開成中学校は、それまで小学校で一番だった子どもたちが集まってくる学校です。そうすると、5月末の中間試験で「43人中42位」など、それまで見たことのない数字を目の当たりにすることになります。そこで意気消沈しないための仕掛けとして、部活動があり、運動会があるのです。


プレジデントオンライン
撮影=プレジデントオンライン編集部


わが子の自立心や社会性はどうすれば育てられるのか。開成高校の元校長・柳沢幸雄さん(現北鎌倉女子学園長、東京大学名誉教授)はSAPIX YOZEMI GROUP共同代表・髙宮敏郎さんとの対談の中で、

「開成では部活や運動会などを通じて学年の垣根を超えたタテの関係性の構築を大切にしていた。また、子供は生物として自立の本能が備わっているが、親には子離れの本能がないので注意が必要だ」と語っている――。


【画像】開成高校の元校長・柳沢幸雄さん(現北鎌倉女子学園長、東京大学名誉教授)


 ※本稿は、髙宮敏郎『「考える力」を育てるためにSAPIXが大切にしていること 最難関校合格者数全国No.1 進学塾の教育理念』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。


■「社会性」をどう養うか


 【髙宮】都市部では特に、マンションの隣室に誰が住んでいるかも分かりませんし、勝手に出入りできないよう何重にもセキュリティがかかっているので、近隣住民や地域でのつながりをつくりにくい時代になっていますね。


 【柳沢】その通りです。そんな時代に生きる子どもにとって「社会性の育成」が叶う場は、いまや学校くらいしか残っていないということでもあるのです。「知育」の面だけでいえば、一番教え方が上手なのは、予備校や学習塾なのかもしれません。しかし、塾で過ごす時間には限りがありますから、「社会性の育成」までは期待できません。


 そう考えると、生徒と教師の関係と、同年齢の生徒同士の「ヨコ」の関係、先輩と後輩の「タテ」の関係、その三つの関係性から、社会性を身につけることができる学校という場は、「社会性の育成」における絶好の環境といえるのです。年齢や属性の異なる人たちと、どう馴染んでいき、どう存在感を出せるか。それらを体験的に学ぶことが、学校に託された大きな役割になっていると考えています。


 【髙宮】今や地域社会が失ってしまった役割を、学校が背負っているというわけですね。「タテ」や「ヨコ」の関係性でいうと、開成には、ボートレースの応援や部活動、運動会など「タテ」のつながりが目立つイベントや仕組みがたくさんありますね。


 【柳沢】それは、「タテ」の関係性の構築こそ、最良の教育法だと考えているからです。新年度における開成の教員の最大の任務は、新1年生を部活動に参加させることです。その後は、良いことも悪いことも全て先輩が教えてくれます。教師一人では、クラスにいる数十人の面倒を見るといっても限界がありますが、その点、少し年上のロールモデルが近くにいる環境を与え、「自分もああなりたい」という先輩を見つけてさえくれれば、あとは放っておいても自然に成長するものです。


 特に開成中学校は、それまで小学校で一番だった子どもたちが集まってくる学校です。そうすると、5月末の中間試験で「43人中42位」など、それまで見たことのない数字を目の当たりにすることになります。そこで意気消沈しないための仕掛けとして、部活動があり、運動会があるのです。


 【髙宮】現在、学園長を務めていらっしゃる北鎌倉女子学園にも、そういう仕組みがあるのでしょうか?


 【柳沢】実は、今の学校に赴任して一番印象的だったのが「タテ」の関係が弱いことでした。それを受けて、新しく「理系教科委員会」を発足させました。例えば、トップ校には、数学オリンピック出場を目的にしたクラブ活動がありますね。



 それと同じように、数学系・理科系・情報系の検定に、学年を越えてチャレンジする団体をつくろうと考えたのです。数検ならば、1級から11級まで幅広いレベルが設定されており、自分の実力に合わせて挑戦できます。週2回、部活動のように集まって、問題を解いて、実力を上げていく。そこには学年の壁もカリキュラムの違いもありません。


 といっても、ここでの目標は、級の取得を目指すことではなく、いろいろな学年の子どもが集まる場を設け、タテのつながりをつくることなのです。


 【髙宮】鎌倉市の観光ガイドのボランティアにも積極的に取り組んでいるとお聞きしました。それも「社会性の育成」を意識したものですか?



■晴れの入学式で保護者に「子離れ」を訴えるワケ


 【柳沢】そうです。学校以外の場所で、生徒同士が交流しながら一つの目標に向かって力を合わせることと、鎌倉の地域特性を掛け合わせた試みです。また、「生徒広報部」といって、受験生やその保護者が来校した際に、学校紹介や校内案内を担当する高1~3生による組織もあります。入学したばかりの高1生が入部すると、学校の様子も分かるし、先輩とのつながりもできて一石二鳥というわけです。


 【髙宮】どれだけインターネットが発達しても、学校や教室といった「リアルな場所」でしか養えない力があるということですね。そういう意味で、特定のキャンパスを保有せず、オンライン授業のみで展開するミネルバ大学のような学校が、今後どういう人材を輩出し、社会にどんなインパクトを与えるかは興味深いものがあります。


 以前、「開成からミネルバ大学の合格者が出たけれども、その生徒は結局、伝統的なアメリカの大学に進学した」というお話を伺いました。情報が少ない中で判断するのは難しいでしょうが、先生はミネルバ大学についてどうお考えですか。


 【柳沢】前提となる条件を整理しますと、そもそも大学教育が満たすことのできる事柄には二つあります。一つは職業訓練。もう一つは、学問を志す学生に対する教育、つまりリベラルアーツです。


 ドイツはそのあたりの線引きがはっきりしていて、職業教育は高校段階から分けて行っています。リベラルアーツをオンライン授業で学べるかどうかは難しいところですが、職業教育は間違いなくできるでしょうね。国家試験のための勉強などは向いているだろうと思います。


 【髙宮】知識なり、スキルなりを身につけることはできるということですね。


 【柳沢】ただし、仮にそれで医学部に受かっても、患者の顔を見ずに問診するようなお医者さんに育つかもしれません。「診察はできます。でも、患者と目を合わせられません」では困りますよね。


 髙宮「社会性の育成」と関係するかもしれませんが、先生はよく、入学式の場で保護者に「子離れをしてください」とお話しされるそうですね。親離れできない子ども、または子離れできない親には、後々どういった問題が起きると考えられますか?


 【柳沢】動物の成長過程において、子育ての最終的なゴールは何かと言えば、「親が死んだ後も、子どもが一人で生きていく力を身につけること」です。


 では、どういうステップを踏んで子どもは自立していくかというと、一つ目の関門は、2歳くらいから始まるイヤイヤ期。そして二つ目が、10代前半に訪れる反抗期です。それらに共通するのは、「自分の気持ちを説明する言葉を持っていない」ことです。


 例えば、2歳ぐらいの子どもは、身体的な発達が進み、自分の興味があるところへ歩いて自由に移動できるようになります。その一方で、言葉の習得が十分ではないので、思っていることが大人に伝わらず、そのもどかしさから「イヤイヤ」と言って反抗が起きるのです。次に10代の反抗期ですが、これは第二次性徴が引き金になります。体の中で起きている変化を自分の言葉で説明できないので、その戸惑いが反抗的な態度につながるというわけです。


 子どもが反抗するのは、生物として自立の本能が備わっているからです。しかし、親には「子離れ」の本能がありません。なぜなら、子どもが一人前になる頃、動物の親はたいてい死ぬからです。


 ところが、平均寿命が100歳近くなる今の人間は、子どもが自立したあとの時間が60年ぐらい残っていますね。そこで、親が意識して子離れしないとどうなるか。待っているのは「8050問題」です。80歳になるまで子どもの面倒を見ますか? 50歳の子どものパンツを洗いますか? それが嫌だったら、「子どもが離れるときに、親も手を離しなさいよ」と伝えたいのです。


 【髙宮】開成では、母親と息子の関係についてよくお話しされていましたが、今の学校に移られて、母親と娘の関係も難しいと感じられることはありますか。


 【柳沢】一般的に、親というのは同性の子どもには厳しく、異性の子どもには甘いものです。例えば、同性の子どもに対しては、自分の経験が基準になるので、つい余計なことまで口出ししてしまいます。しかし、異性の子どもについては分からないことが多く、特に母親にとっての男の子は宇宙人のようなものです。そうなると、「この子が何を考えているのか、とうてい理解できない。理解できないけれど、そこが可愛い」と過度に甘やかしてしまうのです。さらにたちが悪いのが、そうした言動が無意識に行われていることです。その点を意識するだけでも、親子関係は改善できると思っています。






----------
髙宮 敏郎(たかみや・としろう)
SAPIX YOZEMI GROUP共同代表
1974年、東京都生まれ。1997年に慶應義塾大学経済学部を卒業後、三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)に入社。2000年、学校法人高宮学園代々木ゼミナールに入職。同年アメリカ・ペンシルベニア大学へ留学し、教育学博士(大学経営学)を取得。帰国後、財務統括責任者を務め、2009年より現職。学校法人高宮学園代々木ゼミナール副理事長、株式会社日本入試センター代表取締役副社長も兼務。「教育はサイエンスであり、アートである」をモットーに、これからの時代を担う子どもたちの教育を支える活動を行っている。本書が初の著書となる。
----------


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

65歳以上5人に1人が認知症と言われるのに「なったら人生おしまい」?

2024年03月21日 21時03分47秒 | 医療のこと

樋口恵子×和田秀樹 65歳以上5人に1人が認知症と言われるのに「なったら人生おしまい」?高齢者の「迷惑をかけてはいけない」はマイナスにも働く (msn.com) 


厚生労働省が公開している『令和2年版 厚生労働白書』によると、2040年の平均寿命は男性83.27歳、女性89.63歳と推計されるそう。そこで今回は、老化を受け入れて「うまく老いる」コツを、評論家の樋口恵子さんと精神科医の和田秀樹先生の対談形式でお送りします。和田先生いわく、「認知症になったからといってすぐに『何もわからなくなる』ということはない」そうで――。
* * * * * * *


【書影】「老いの達人」が初タッグ!樋口恵子×和田秀樹『うまく老いる 楽しげに90歳の壁を乗り越えるコツ』


認知症を必要以上に恐れすぎない

樋口 認知症も気がかりです。2025年には認知症の人が700万人となり、65歳以上の5人に1人が認知症と言われています。こういうデータを聞くと、高齢者はもの忘れがあるたびドキッとするんじゃないでしょうか。
以前、脚本家の橋田壽賀子さんが「認知症になったら安楽死したい」と発言して物議をかもしました。認知症への不安と、どう向き合っていくかというのも課題になっていますね。


和田 みなさんが認知症を恐れるのは、「認知症になったら、何もわからなくなる」「認知症になったら人生おしまいだ」と思っているからだと思います。はっきりと言いますが、認知症になったからといってすぐに「何もわからなくなる」ということはありません。もちろん、「人生おしまい」でもありません



認知症の6割を占めるアルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞に脳のゴミのようなアミロイドβというタンパクなどが、10年、20年という長い時間をかけて沈着し、脳が変性していくことにより発症するとされています。


たいていの場合、進行はゆっくりなので、診断されてすぐ突然、生活が一変するということはありません。自分の名前がわからなくなったり、人と会話が成り立たないといった、コミュニケーションがとれない状態に陥るのは、発症から少なくとも5年ほどかかると言われています。


認知症を「病」と考えるより「老化」のひとつと考えたほうがいい、と私は思っています。


2023年9月に、脳のゴミを取り除くというアルツハイマーの新薬の製造販売が承認されました。日常生活の機能回復や症状の進行を多少遅らせる効果はあるとされていますが、軽度の場合が対象で、適用になる人が限られるなど、すべての認知症の人に効果があるとは言えません。


現時点ではできるだけ生活を変えず、今までできていたことを続けていくことが、進行を食い止める最もいい方法です。料理ができる人は料理を、ガーデニングが好きな人はガーデニングを、友人とカラオケに行っていた人はそれを続けるなど、生活を楽しむことがいちばんの薬です。


できることはたくさんある
和田 最近は、認知症になったご本人が顔を出して、どんな思いで、どんな生活をしているのか発信することが少しずつ増えてきました。それを見ると、認知症になってもできることはたくさんあります。


自分でもの忘れがあることを自覚して、買い物に行くときは何を買うかメモを活用したり、スマートフォンのリマインド機能を活用して薬の飲み忘れを防いだり、といった工夫をしている認知症の人もいるのです。


また、長年の経験で身につけた技は認知症になっても忘れないことが多いので、すごい技を持っている町工場の職人さんや、農業や漁業を長くやってきた方は、若い人には真似のできない熟練の仕事ぶりを発揮したりします。



たとえ、その日が何月何日か正確に答えられなくても、9+9の足し算ができなくても、得意な能力はすぐには失われません。


認知症医療の第一人者に、長谷川和夫先生という医師がいました。「長谷川式認知症スケール」という早期診断の検査テストを考案したり、「痴呆症」という侮蔑的な病名を現在の「認知症」に変えたことで知られています。


長谷川先生は、88歳のとき認知症であることがわかりましたが、認知症であることを公表し、もの忘れはするけれど、こうして話せるんですと日本各地を講演して回りました。


「認知症はちっとも不幸なものではない」と、身をもって示されたのです。


高齢になったら「人の手を借りる力」を磨く

樋口 長谷川先生とは、病院と地域をつなぐ中間施設(介護老人保健施設の前身)をつくる委員会でご一緒でした。ほんとうにいろんなことを教えていただいて、すばらしい方でした。


私はもし認知症になったら、長谷川先生のように公表しようと考えています。「まわりに隠さないで、友人や隣近所に告げて、できるだけ公的援助を受けてほしい」と娘にも言ってあります。


公表するかしないかは個人の自由ですが、家族が認知症であることを隠しての「かくれ介護」が増えると、外に向けて助けてと言えない家族が悲惨な末路を遂げたりと世の中暗くなるばかり。


社会学者の上野千鶴子さんからも、私のように「老い」をテーマに仕事をしてきた者には、自身の老い方を公表する責任があると言われ、なるほどと納得しました。


和田 私もそれはいいことだと思います。認知症であることを公表することで、協力者が増え、暮らしやすくなります。



和田「うまく人の力を借りる能力は、老いを生きるうえで、ぜひ身につけてほしい能力です」(写真提供:Photo AC)


80代以降は「老いを受け入れる時期」で、補聴器や 、車いすといった道具を上手に利用することが大切ですが、道具を上手に利用することと同時に、うまく「人の力を借りること」も必要になってくると思います。


日本人は「人に迷惑をかけてはいけない」という思い込みが強く、それはある意味で立派なことですが、年をとったときにはマイナスに働きます。うまく人の力を借りる能力は、老いを生きるうえで、ぜひ身につけてほしい能力です。


依存力
樋口 人にお願いする力ですね。私は「依存力」と言っていますが、すごく大切なことだと思います。本当は助けてほしいんだけれど、自分からその状況を説明せず、何となく雰囲気で察してほしいという人がいます。


勘のいい人が近くにいたら手を貸してくれるでしょうけれど、ほとんどの場合は手を貸してくれません。当たり前ですね、助けてほしいと伝えていないのですから。その結果、勝手に「誰も助けてくれない」と落ち込んだりします。


依存力というのは、ただ人に甘えるというのではなく、きちんと自分の状況を人に伝えて、なおかつ自分と他者との関係のなかで失礼にならないように、どうしてほしいか的確に伝える能力も含まれるんじゃないかしら。その結果、相手が手を貸してくれたら、「ありがとう」とお礼を言うし、ダメな場合でも理由を聞いて、あとくされなく引きます。


お金で解決できることなら、それもひとつの解決方法です。誰か助けてくれるのを期待して待っているのではなく、自分からオープンにかかわっていくという姿勢が大切なのだと思っています。


と、そんなことを言いながら、一方で介護される身になることに、強い抵抗があるのも私です。一時デイサービスを利用していたとき、理学療法士から「ヒグチさん、介護されるのは嫌ですか」と聞かれました。


「嫌かもしれません。介護されるほうは『好きで介護される身になったんじゃない』と、いつも悲しい思いをしていると思いますから」と答えました。


われながら、かわいげのない答えでした。でも、いつかは介護される身になることはたしか。これから、ケアされる身になったとき、しっかりと「ありがとう、お世話かけました」と言えるように、依存力を高め「ケアされ上手」にならなければと思っています。


※本稿は、『うまく老いる 楽しげに90歳の壁を乗り越えるコツ』(講談社)の一部を再編集したものです。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シロツメクサです

2024年03月21日 18時03分03秒 | いろいろな出来事
これから、咲いてきますね🍀



4/24/2022
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「障子に穴開けて記念撮影」神戸大サークル合宿の“迷惑行為”写真が大量流出! 同大広報は直撃に…

2024年03月21日 13時05分39秒 | 教育のこと
「障子に穴開けて記念撮影」神戸大サークル合宿の“迷惑行為”写真が大量流出! 同大広報は直撃に…

3/20(水) 6:32配信


週刊女性PRIME
旅館の障子はボコボコに穴を空けられ、若い男女が満面の笑みで穴から顔を出している(Xより)


《このたびは誠に申し訳ございませんでした。今後このようなことが起きないよう再発防止を徹底してまいります》


【写真】「障子に穴開け、備品ボコボコ…」大量流出した旅館での迷惑行為の数々


 3月19日、神戸大学が突然【重要なお知らせ】として短い文章をホームページに掲載した。ことの発端は、3月18日にネットに流出した複数の写真と動画だった。


“弁償すれば何をしてもいい”
「旅館のような和室で若い男女が次々と障子に穴を開けて、そこから顔を出して写真を撮ったり、建物内で男性を胴上げして天井に穴を開ける動画などです。顔にモザイクはかかっていますが、こうした迷惑行為をして、得意気に映っていたのは、神戸大学のバドミントン同好会のメンバーで、春季合宿での様子だと指摘されています」(ワイドショースタッフ、以下同)


 これらの写真と動画は、拡散されて大炎上。この同好会が80人ほどの大学生サークルで、春と夏の年2回、合宿を行っているという証言を紹介する報道もあった。


「合宿後に弁償代して4年生は5000円、3年生は3000円、2年生は2000円、1年生は1000円が合宿代と別に追加徴収されていたようですが、そこに反省の色はなく“弁償すれば何をしてもいい”といった雰囲気だったようです」


 こうした大学生の行き過ぎた行為に、ネット上では、


《大学生にもなってやっていい事と悪い事の区別もつかないのか》


《これ迷惑行為というか犯罪ですよね?》


《しっかり裁かれてほしい》


 といった声が挙がっている。


「ただ、この写真と動画が、いつ、どの旅館で撮影されたのかは明らかになっていません。その同好会のメンバーが犯人だという証拠も出ていませんが、同好会のホームページとSNSはアクセスできなくなっています」


神戸大学広報を直撃すると…
 こうした迷惑行為が実際に神戸大学のバドミントン同好会によるものなのか。
神戸大学の広報に問い合わせたところ、


「SNSで拡散されている画像や動画については、現状、調査中です。本学の非公認サークルが旅館で迷惑行為を行なっていたことは確認しておりますが、これがいつのものなのか、迷惑行為をしているのは在校生なのかは、明らかになっておりません。在校生が関わっていた場合、何らかの処罰も検討しております」


 とのことだった。ただ、被害にあった旅館からクレームなどは来ていないという。


「該当の旅館についても明らかになっていません。この同好会は大学の非公認団体で、施設の使用許可だけしていました。顧問をつけるなどの指導は行なっていません。本件については、調査が終了次第、ホームページにて掲載する予定です」


 とのこと。広報に話を聞いた数時間後、神戸大学のホームページに掲載されたのが冒頭の文章。そこには、こうも記されていた。


《調査結果により大学として厳重に対処いたします》


 行き過ぎた学生たちには、然るべき処分が待っている。







《障子にパンチ、天井に胴上げアタック》神戸大学のバドミントン同好会が旅館を破壊か 大学側が公式サイトで謝罪「再発防止を徹底してまいります」
3/19(火) 17:20配信




NEWSポストセブン
神戸大学のバドミントン同好会「A(仮名)」 迷惑行為が問題になっている


 カメラに向かって楽しげな笑顔を浮かべる若い男女らの写真。彼らはみんな破れた障子の穴から顔をのぞかせている──。ほかには男性が雄叫びを上げながら障子にパンチして穴を開ける動画や、周囲に胴上げされた若者がそのまま天井にぶつかって穴を開ける動画もある。


【写真】壁はキムチまみれ、障子はボロボロ…“若気の至り”で旅館内に残る数々の痕跡


 施設の備品を破壊する模様をおさめた一連の写真や動画は、神戸大学のバドミントン同好会「A(仮名)」の合宿で撮影されたものだといわれている。どういった経緯でそうした行動をしていたかは不明だが、ネット上では、〈幼稚すぎる〉や〈迷惑行為というより犯罪〉、〈しっかり裁かれてほしい〉など「A」への批判が殺到しており、「神戸大学」がX(旧Twitter)でトレンド入りする事態となった。


 このサークルに一時期所属していたという人物が明かす。


「80人ほどメンバーのいる大きなサークルです。初心者も積極的に受け入れており、ガチな体育会系というよりは、旅行やコンパも楽しむような緩い雰囲気のところです。合宿は夏と春の2回行っています」


 NEWSポストセブン取材班が上記の写真や動画を投稿したXユーザーに取材したところ、「もともとは知人がInstagramのストーリーズで最近公開していたものですが、さすがに一線を超えている行為だと感じたのでXに投稿しました」との回答だった。


「連日発生している物損を踏まえまして」
 このXユーザーから、ほかに〈壁についたキムチ食べに来てんのがち笑う〉と赤い染みのついた壁を映した動画や、学年ごとの“追加徴収”についてアナウンスしたメッセージのスクショ画像も入手することができた。後者のメッセージには、〈合宿おつかれ様でした! ~(中略)~お分かり頂けてると思うのですが、連日発生している物損を踏まえまして、以下の通り追加徴収をさせていただきたいと思います〉と記載されており、1年生は1000円、2年生は2000円、3年生は3000円、4年生以上は5000円の支払いが求められている。


 前出の「A」に一時期所属していたという人物が明かす。


「自分は2022年頃に『A』に顔を出していましたが、旅館の窓から外に向かって放尿したり、旅館の畳を吐瀉物まみれにするといった迷惑行為を目撃し、それで引いて辞めました。『A』は過去にもトラブルを起こしているサークルという認識です。


 今回の炎上のせいで、神戸大学の別のバドミントンサークルにまで濡れ衣がかけられているので本当にいい迷惑です。騒動の中で、『A』はXやInstagramのアカウントを早々に削除していました」


 騒動について神戸大学の総務部広報課に問い合わせたところ、以下の回答だった。


「事実関係を調査中のため、現時点ではご回答できません。今後については、いずれ何らかの形でお知らせする方針です」


 2013年4月には、神戸大学の男子学生が「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」でボートをわざと転覆させたり、乗り物から飛び降りるといった行為を繰り返していたことが本人のSNSから発覚し、大炎上していた。


 3月19日、神戸大学は公式サイトを更新。「【重要なお知らせ】学生の不適切な行為について」というタイトルで掲載された文書には、


《このたび、本学学生による不適切行為がSNS上に掲載されており、関係者の皆様には大変ご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。詳細につきましては現在、学内で調査中であり、調査結果により大学として厳重に対処いたします。このたびは誠に申し訳ございませんでした。今後このようなことが起きないよう再発防止を徹底してまいります》


 との記載があった。今回備品を破壊された旅館ないしホテルの詳細などは不明だが、もしも旅館側が訴えた場合、損害賠償が発生したり、刑事罰に問われる可能性がある。「A」の部員たちは、今ごろ“若気の至り”では済まされない行為があることに気づいて反省しているのだろうか。


*3月19日19時43分、神戸大学が同日夕方までに公式サイトを更新し、声明を発表したため加筆しました。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする