里の家ファーム

無農薬・無化学肥料・不耕起の甘いミニトマトがメインです。
園地を開放しております。
自然の中に身を置いてみませんか?

資産準備額に究極の格差

2014年04月25日 | 社会・経済

 ZaKuZaK by夕刊フジ

 50代の資産準備額に究極の格差 4割が残高0円「老後難民」予備軍

2014.04.16 連載:どうする退職金、年金… 老後資金講座

http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/images/20140416/ecn1404161140001-n1.jpg
退職後の生活のために準備できている資産【拡大】

 サラリーマンは老後に必要な生活資金をどれくらい準備しているのか。自分を振り返りながら表を見てほしい。2013年4月に実施したサラリーマン1万人アンケートでは、退職準備額の平均値は627・6万円だった。10年の調査結果515・6万円と比べて大幅に増えているとはいえ、とても十分とは思えない。
 しかし、それ以上に気にしなければいけないのは、40・3%のサラリーマンが老後の準備資産0円と回答していることだ。10年のアンケートでも4割が残高0円と回答していたので、相変わらず準備が進んでいないことが分かる。
  もちろん、20代のサラリーマンが退職後の資産0円というのなら、それほど心配する必要はないだろう。今から準備を始めれば、資産運用で最も力になるといわれる「時間」を味方につけられるからだ。
  しかし、本当に心配なのは50代の資産0円の人たちだ。50代のサラリーマンのうち男性で28・2%、女性で23・4%が老後資産0円と回答。老後のための資産形成にそれほど時間が残されていない50代のうちの4人に1人が、公的年金以外に資産を持たないで老後に突き進もうとしている。このままでは、老後難民になりかねない予備軍といえる。
  人生90年時代の30年近い退職後の生活を、資産がほとんどないままに続けられるか。しかも、高齢化がさらに進んでいくことから、現在約4人に1人となっている65歳以上比率は、あと数年で3人に1人程度に上がる。その時には高齢者向けのサービスの価格は、需給を考えれば上がっていることは避けられないだろう。新しい高齢者向けサービスが登場しても、「その価格が高くて、受けられない」といった事態になればまさしく「老後難民」だ。
  一方でちょっとうらやましさも含めて気になるのが、老後の資産を1000万円以上保有している50代だ。男性では50代の28・8%。50代ともなると3割近くの人が1000万円以上の老後資産を用意でき、5000万円以上という50代男性も3・9%いる。
  ちなみに、50代男性で1000万円以上の老後資産を確保している人が28・8%で、老後資産をまったく保有していないという人が28・2%と、ほぼ同じ比率となっている。4人のうちの1人が0円で、同じく4人のうちの1人が1000万円以上。その格差は本当に大きい。退職すると新しい収入源はほとんど見込めないだけに、この老後資産準備額の格差は「究極の格差」と呼んでいいかもしれない。

 ■野尻哲史(のじり・さとし) フィデリティ退職・投資教育研究所所長。1959年生まれ。一橋大卒。82年、山一証券入社。山一証券研究所でエコノミスト、ストラテジスト、米ニューヨーク在住アナリストなどを経験した。98年からメリルリンチ証券調査部、2006年にフィデリティ投信へ入り、07年より現職。『老後難民 50代夫婦の生き残り術』(講談社+α新書)など著書多数。