里の家ファーム

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学術的危機―政府による学術統制

2017年02月10日 | 社会・経済

大学や研究機関への予算を減らし、防衛費用を大幅に伸ばしている現政権。
政権に有利な大学、研究機関を養成しようと躍起だ。
国防予算からの研究費も問題であるが、外国軍による介入も明らかになった。
まぎれもなく「売国的」政策ではないか。


 

米空軍

大学研究者に8億円超 日本の延べ128人 

                    毎日新聞   2017年2月8日

 10~15年度 軍事応用の恐れ

 米空軍が2010年度以降の6年間に、日本の大学研究者ら少なくとも延べ128人に総額8億円超の研究資金などを提供していたことが、毎日新聞の調査で分かった。また、10~16年度に京都大と大阪大の教授ら11人が米空軍と海軍から計約2億円の研究費を受けたことも、両大学への情報公開請求で判明した。

  米軍からの資金受領に法的問題はないが、科学者の代表機関・日本学術会議は1967年、研究者や学会が米軍から資金提供を受けていたことをきっかけに、軍事研究を禁じる声明を出した。今回、資金受領が判明した教授らは「研究は平和目的で軍事研究には当たらない」と説明しているが、研究成果を米軍が軍事応用する可能性がある。 

米空軍から日本の研究者への資金提供推移

 米空軍が毎日新聞に開示した資料によると、10~15年度(米会計年度)に日本国内の研究者延べ128人に研究費として約7億5000万円を提供していた。さらに国際会議の費用と研究者の米国出張旅費でも計125件、計5000万円以上を支援した。研究者や大学名、個別の研究内容は明らかにしなかった。提供理由について、米空軍のダリル・メイヤー報道官は「米国だけでは手に入らない貴重な知見が得られるため」としている。

 一方、資金受領が判明したのは、京大情報学研究科の男性教授、阪大工学研究科の男性教授ら京大2人、阪大9人(現在は他大学に移った人も含む)。それぞれ米空軍のアジア宇宙航空研究開発事務所(AOARD)、米海軍の海軍研究局(ONR)の出先機関を通じて研究テーマを申請し、1人約150万~4500万円を受け取った。

 教授らの研究分野は人工知能(AI)やレーザー技術など。米国防総省は14年に発表した技術戦略で、AIを搭載した無人兵器につながる自律型システムの重視を挙げた。また、レーザーは砲弾やミサイルに代わる新兵器につながるなど、米軍が将来兵器の技術として重視する分野と重なる。

 京大と阪大はともに「適切な学内手続きを経て、受け入れを了承した」としている。【千葉紀和】

軍備増強に加担するな

 山崎正勝・東京工業大名誉教授(科学史)の話 日本学術会議の声明に反するのは明らかで、日本の研究者が米軍の軍備増強に加担すべきではない。研究費は資金源と共にどういう文脈で出ているかが問われる。米軍資金による研究成果は民生利用できるとしても軍が使うことが前提であり、軍事研究そのものだ。これだけ多くの研究者が受け取っているのは問題で、学術界や国民的な議論が必要だ。


国民を愚弄するのもいい加減にしろ!

2017年02月10日 | 社会・経済

憲法をなんだと思っているのか!

稲田防衛相が

  「戦闘行為あったが憲法違反になるから衝突と言い換え」

        とトンデモ答弁

                     リテラ 2017.02.09

 国民を愚弄するのもいい加減にしろ。そう言わずにいられない発言が、本日、稲田朋美防衛相の口から飛び出した。

 昨日8日の衆院予算委員会で、これまで防衛省が情報開示請求に対して「破棄した」としてきた南スーダンPKO派遣部隊の日報が、じつは保管されていた問題を追及された稲田防衛相。稲田防衛相は昨年10月の衆院予算委において、同年7月に南スーダンの首都ジュバで起こった大規模な戦闘について、「7月には『衝突事案』もありました」などと法律上の定義のある「戦闘行為」ではなく「衝突」だと繰り返し答弁。安倍首相も「『戦闘行為』という定義があるものについては、それにはあたらない」と稲田防衛相と同じ説明をおこなっていた。

 しかし、今回、明らかになった昨年7月11・12日の日報では、ジュバ市内で政府軍と反政府軍とに〈戦闘が生起した〉〈両勢力による戦闘が確認されている〉とし、〈市内での突発的な戦闘への巻き込まれに注意が必要〉と記載されており、「衝突」などではなく「戦闘」と明記されていた。同じように同月12日のモーニングレポートでは〈ジュバでの衝突激化に伴うUN(国連)活動の停止〉と、PKO活動の停止の可能性にまで踏み込んでいたのだ。

 このことによって、現場のPKO部隊が「戦闘」だと認めている事案を、稲田防衛相は「衝突」と言い換えて国民を欺いてきたという事実が明らかになったわけだが、稲田防衛相は壊れたテープレコーダーのように「法的な意味での戦闘行為ではない」と繰り返し答弁。さらに、こんなことを言い出したのだ。

「なぜ、法的な意味における戦闘行為があったかどうかにこだわるかと言いますと、これは『国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為』が仮におこなわれていたとすれば、それは憲法9条上の問題になりますよね? そうではない、だから戦闘行為ではないということになぜ意味があるかと言うと、憲法9条の問題にかかわるかどうかということでございます。その意味において、戦闘行為ではないということでございます」

 そう。稲田防衛相は「南スーダンでは殺傷行為はあったけど、憲法9条に引っかかるから“戦闘行為”ではなく“衝突”と言ってきた」と主張しはじめたのである。

 もう、無茶苦茶すぎて言葉を失ってしまう。「戦闘行為」と言うと憲法違反になるから「衝突」と言った、などという詭弁が通用するなら、どんな法律違反も言葉を言い換えれば罪を問われなくなる。稲田防衛相は弁護士出身だが、とても法を扱ってきた人物の答弁とは思えない。

しかも、稲田防衛相は「(日報では)一般的な辞書的な意味で戦闘という言葉を使ったと推測している」と言いながら、「武器を使って人を殺傷したり、物を壊したりする行為はあった」と認めているのだ。

「武器を使って人を殺傷したり、物を壊したりする行為はあった」のなら、それは辞書的な意味云々ではなく、日本政府が「戦闘行為」と定義する《国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為》そのものだ。さらに、PKO参加5原則では〈紛争当事者間の停戦合意が成立〉していることが参加条件となっているが、停戦合意が崩壊していることは日報の文面からも明々白々である。

 つまり、新任務である「駆けつけ警護」を運用するために、戦闘状態であるという事実を覆い隠し、憲法上問題があることを認識しながら、稲田防衛相や安倍首相は「衝突」などと虚偽の説明を国民におこなってきたと「認めた」のである。明らかに違憲である安保法制を強行するなど安倍政権の憲法軽視はいまに始まったことではないとはいえ、ここまで堂々と開き直れるとは。

 今回の稲田防衛相の答弁は、まさしく辞職ものの大問題発言であり、南スーダンへの派遣を即刻見直すべきだが、それにしても問題なのは、こんな道理の通らない話を大臣が堂々と国会で言ってのけてしまう状況だ。

 今月6日には、法務省がマスコミに向けて、「共謀罪」の国会質疑について「法案を国会提出後に法務委員会で議論すべきだ」とする文書を配布。これは金田勝年法相が指示して作成したもので、批判が集まり金田法相は撤回したが、これは国会への圧力だけではなく、マスコミの言論を封殺しようとする蛮行だ。

 金田法相といい、稲田防衛相といい、安倍政権のやりたい放題ぶりはますます拍車がかかって凄まじいものとなっている。言葉を言い換えることで憲法違反を繰り返し、マスコミに圧力をかけ、国会での議論を抑え込もうとする。──こんな恐ろしい状況を、当たり前にしてしまってはいけない。(編集部)

(墜落も不時着になるし)