この店に初めて連れてきてもらったのは
もうずいぶん昔のことになりますな
高円寺で一人暮らしを始めたころだから
もう9，１０年ぐらい前になるかしら
大学院生活と並行して
仕事もなんとか波に乗せないと食えなくて
とにかく不安な毎日
念願の一人暮らしを始めたはずなのに
晴れて自由な生活を始めたはずなのに
思い出すと
全部が不安だった
思い出は美化されてなんぼなのに
なんだか
つらかったことしか残ってないもの
当時付き合ってた彼女の
不満を聞かねばならない毎日
ただでさえ自分も不安でたまらんのに
待っているのは
いつもの不満
それをなだめるのに四苦八苦した毎日
それでもおさまらない彼女の不満
思い出しているだけで
鬱になってしまうぐらいの
重い毎日だったなと
それを癒してくれたのが
バカで優しい先輩たちだった
朝起きると
全身ラクガキされていたオレ様
それに癒された日々だった
そんな先輩の一人に
あるときやっぱり
飲み屋でグチを聞いてもらって
そのあと
〆で食わせてもらったのが
ここの「ニラソバ」だったなと
慰められながらも
家に戻ったらまた聞かなければならない
彼女の不満を思い浮かべながら食べたそれは
これと同じ？
ホント？
色合いから全くの別物に見える
心が開いてないとき食べるものは
やっぱり
ホントの美味さを発揮しないんだなと
プリプリホロホロと独立する麺群に
濃厚ながらもサラリとしたコクのある醤油スープ
ニラともやしから溶け出す甘みと
こたえられなくシャッキリと立った歯ざわりが交錯して
かぶせるように油が舌を包み込んで
美味いじゃ (゜д゜lll) ないっスカ！！
ああ
確かにオレ様は今逆境にいて
悪意と戦わなければならなくて
体制から旅立たなければならなくて
とっても不安な毎日だけど
この一杯がスバラしく
美味しく輝いて見えるということは
決して心が負けてないからだと思いたい
実に不安だけど
実に晴れ晴れと
ちなみにコチラのお店の品々
どれも
想像を超えた美味さに
久しぶりにフルえました
元気出ます
