まるぞう備忘録

無題のドキュメント

新卒候補生の君たちへ。その5。聞いてない2。

2016-10-14 09:40:03 | まるぞう経営学

 新卒候補のみなさんは社会に出た後、周囲から「聞いてないよ〜」と言われないように、まずそれだけを注意して下さい。というのが前回のお話でした。
 そしてその次のステップですが、今度は自分が「聞いてないよ〜」を言わない「段取り」が出来るかどうか。が重要になります。そういう視点で自分の仕事を観察して見ると良いかもしれません。


 なぜなら、あなたたちが実社会で働くようになりますと、あなたたち自身が「聞いてないよ〜」ということばかり多発することでしょうから。そしてそれには大きく分けて4つのパターンがあります。それぞれ対処方法が異なります。

①周囲があなたたちに仕事を覚えて貰いたいケース
②相手が本当に忙しくて手が回らないケース
③残念ながら相手が無段取りの人のケース

以下に1つずつ解説して行きます。





①あなたたちに仕事を覚えて貰いたいケース

 まず一番多いのがこのケースです。あなたたちに仕事を覚えて貰いたいのです。実際の社会の仕事にはマニュアル通りにいかないことばかりです。ですから上司や先輩たちは、早くあなたたちに「自分で考えて判断出来る」人材に育って欲しいと思っています。
 おそらくマニュアル通りの仕事は、これから人工知能にとって代わられることでしょう。私たち人間が最後まで必要とされるのは、状況を見て総合的に判断する能力です。それはまた段取り力でもあります。
 新人のあなたたちに必要とされているのは次の3つです。

・仕事の流れを全体を俯瞰して捉えられているか
(自分のやりとりだけでなく、全体の中で自分はどういう役割をしているかの理解)

・相手の立場で自分の行動を観察することができるか
(これは次回またお話します。)

・社会常識を持って行動できるか
(マニュアルにないことはだいたい社会常識で判断できることが大半です)

 新人のうちは上記のように、まず自分が「聞いてない〜」「マニュアルにないじゃん」と嘆く前に、それは自分が「プロの段取リスト」となるための重要な試金石(チャンス)であると理解してください。
 そしてこの「段取り力」こそが、30年後でも、どの会社どの部署であっても、人から重宝される大切な財産となります。あなたたち新人さんたちは給料を貰ってこの財産を自分で築く立場でもあります。ラッキーですね。



②相手が本当に忙しくて手が回らないケース

 あなたたちに仕事を覚えさせるというためではなく、本当に忙しくて連絡が回らないことも沢山あります。仕事は出来る人に集中していきます。ですから出来る人は常にオーバーフローなのです。ということは、自分に必要な情報が伝達されないケースというのは、事前に予想がつきやすいということでもあります。キーマンが多忙の人の場合は、あなたたちは自分から情報を取りに行かなければならない。ということであります。待っているという受け身だけでは「プロの段取リスト」にはなれません。
 そう、仕事のフローが一通り理解してくると「おや、もうこの時期、この指示がないと回らなくなるかもしれないぞ」と予想がつくようになります。それはもう自分の頭の中で段取りの想像力が進化し始めている証拠であります。新人のあなたはもう随分見どころのある人材になってるということです。
 そしてそういう場合は、自分から「◯◯の件は、□□で準備しておいていいでしょうか?}と聞きに行くこととなるでしょう。
 このように「聞いてない〜」という状況は自分にとって「段取リスト」として腕を磨けるチャンスであります。



③残念ながら相手が無段取りの人のケース

 入社して3年以上たつと、会社によってはもう立派な中堅となります。あなたたちの段取り力もだいぶ向上していることと思います。そうなると遭遇するのが「残念ながら無段取りの人」のケースです。そういう人は全体の流れを見ません。必要な情報も共有してくれません。


 もし私の部下がそういう「無段取りの人」である場合は、彼を教育するためにガツンガツンを叱ることでしょう。鬼上司となることでしょう。しかし自分の部下でない場合、取引先の担当者である場合は、もう二人分の仕事をするしかない。と腹を括るしかないようです。
 なぜなら仕事というのは結果は連帯責任となるからです。無段取りの人が全ての責任をとることはなくて、炎上した火の粉は関係者全員を巻き込むことになるからです。
 ですから不本意ながらも、相手はどうせ必要な情報は共有しないだろう。という前提で、こちらから先回りで「あれは大丈夫ですか?これの日程はいつですか?これはいつ決まりますか?」と一つ一つ聞くしかありません。また相手はこちらが出した情報を社内や客先に共有もろくにしないでしょうから、関係者にも事前に知らせておくことも必要です。もちろん「無段取りの人」の自尊心を傷つけないように。(←ここ重要)


 「無段取り人」が原因であろうとなかろうと、仕事が炎上してしまったらこちらも無傷ではすみません。「本当はこれはあいつの仕事なんだけどなあ」と心では思いつつも、「段取リスト」としては、事前にいろいろ助け舟を出してあげるしかありません。
 仕事上では、関係者は全て連帯責任となります。しかし「無段取りの人」の分まで、準備や配慮ができるようになると、もう「プロの段取リスト」としては一人前と言えます。
 一見腹立たしい足を引っ張る「無段取りの人」ではありますが、実は私達の人生の視点においてはとても重要な役割をしていることがあるようです。自分が自分の人生で昇華するべき課題を凝縮して示してくれているケースが多いように思われます。だから彼・彼女の分まで腹を括って段取りしてあげることは、実は深い意味を持つんじゃないかしらん〜。と思います。妄想ですが。


 さて、見ている人は観ています。「無段取りの人」の分まで、先に気を配って段取りの準備をできるようになったあなたに対して、社内外での密かなあなたの評価はあがり始めていることでしょう。ここまで来ると「いきなりのリストラで右往左往する」こともないでしょう。そして今の会社を辞めるとしても転職先もたくさん選ぶことができることでしょう。


 「段取りが出来る人」は自分と同じ「段取りが出来る人」を瞬間見抜くことができるそうです。



つづく



 ありがとうございます。





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