ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

閉幕

2018-02-24 19:06:13 | Weblog
夢びとたちの白い息
陽光とぶつかり宝石になった

絶望を抱えたまま氷上に降りた天使
羽を広げ飛び立ち、力尽きて雪上に降りた伝説

彼らは風よりも速く
大樹よりも力強く
虹よりも儚く
クラシックよりも上等に
見たこともない世界へ自らを連れていく
短い生涯を大粒の汗で絞り、極限に凝縮された舞台で

時の風が夢を思い出に流していく
見守った人々の記憶もいつしか点にばらけて
しかしそれは彼らの心の夜を金色として照らす

まもなく聖火が消える
そして時の風が吹き始める

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金メダルラッシュ・藤井聡太六段快挙

2018-02-18 22:32:59 | Weblog
まずは先ほど終わった女子スピードスケート女子500m。小平選手金メダル、お見事!オリンピック新記録の36秒94。一昔前の男子のタイムですね。前回大会でメダルに届かなかった小平さんが年齢的にはピークを過ぎてもおかしくない30歳を越えて、なお進化を続ける凄み。そしてプレッシャーに打ち勝った集中力。相手のミスでなく自分の実力を出し切っての金メダル。素晴らしかったです。

昨日のフィギュアスケート男子での羽生選手の金メダル、宇野選手の銀メダルでの日本勢の金銀独占。かつては女子の陰に隠れていた男子フィギュアですが、すっかり立場が逆転しました。やはり羽生選手に尽きますね。ジャンプの美しさが抜きん出ていました。試合後、彼は言いました。「生きていてよかった」と。逆にこの言葉から、怪我をした時の絶望感の大きさが伝わってきました。マスコミは「メンタルが強い」という言い方をするけれど、ちょっと違和感があります。絶望、不安。そうした自分の弱さと堂々と向き合って、それを克服した羽生選手に僕はすがすがしさを感じるのです。まずはゆっくりと休んでもらいたいですね。

少し話は変わりますが、今回のNHKの冬季五輪テーマ曲、セカイノオワリの「サザンカ」。これまではあまり感じなかったけれど、偶然ラジオで流れているのを聴くと、いい曲ですね。オリンピックにふさわしい夢、努力を織り交ぜながら、夏季五輪の活力とは違った冬季五輪独特の儚さのようなものを巧みに表現しています。そういう意味ではセカオワもうまく平昌オリンピックに標準を合わせたなと思います。なかなか彼らは非凡ですね。

同じ日に、将棋界も大きな動きがありました。朝日杯オープン戦準決勝で藤井聡太五段が羽生竜王を準決勝で破り、優勝しました。早くも棋戦優勝を飾り、六段昇進を決めました。藤井君が羽生さんに勝ったことに驚きはありません。実際にはかなり力が接近していますから。現在、将棋界はこの2人を含めた10人から15人が横一線で並んでいるような状態だと思います。ここからだれが抜け出すのか?一番確率が高いのは5人、3人と徐々に絞られていく展開ですかね。最も若い藤井君がそこに残る可能性はかなり高いと思われます。高校生のうちにタイトルも取るでしょう。それにしてもまだ中学生。恐るべき棋士が出現したものだと改めて感じます。

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遠い日

2018-02-15 20:49:35 | Weblog
遠い日
都会のビル群の隙間
見上げた空のかなた

遠い日
寝ころんだ4畳半の天井
目を凝らした夢のかけら

遠い日
机に置かれた白い肘
淡く燃えた恋心

じゃあね
かなたとかけらと淡さ
散らばっていくのを見た夕暮れ

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病院へ・惜しい

2018-02-14 21:10:47 | Weblog
病院へ行ってきました。最近は電車に2駅乗って、通院しているんですが、以前は行きも帰りも電車の中で立っていました。しかし、最近は帰りは座っています。以前は不安から浅く、前傾姿勢に座っていたのですが、最近はできる限り、深く腰掛け、背を伸ばすことを意識しています。昔から、病気であるなしにかかわらず、姿勢というのは、いろいろな意味で大切というのは理解していたのですが、つい忘れがちになります。しかし、それを思い出させたのは長島一茂さんの背筋をピンと伸ばした姿でした。一茂さんも以前はパニック障害にかなり悩まされたようですが、今は日常生活には支障がないぐらいに回復しているようです。

僕は秘かに思い立ちました。2,3駅にとどめている電車の距離を伸ばしてみようと。頓服薬をポケットに入れて。最終的には東京が目標です。1時間以上かかりますが、出来れば実現したいですね。無理かもしれませんが。それで何かが変わってくれればと思います。

オリンピックは惜しい銀メダルが続いています。特に女子スピードスケート。わずか0,2、0,3秒の違いでメダルの色が変わってしまいます。日本人は真面目ですから、どのレースでも全力を尽くします。よって小平選手も、これまでは500m、1000mと高い勝率をあげてきました。しかし、外国勢はオリンピックで力を2段、3段上げてくる。ここで逆転が起きてしまう訳ですね。
小平選手は勝負には負けたかもしれませんが、自分には勝ったと思います。見事な滑りでした。高木美帆選手は銀、銅と2つのメダルは立派としか言いようがありません。あとはパシュートの金で3つそろいますね(笑)最後に沙羅ちゃん、銅メダルおめでとう。感動した。
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平昌オリンピック開幕、金メダル予想

2018-02-11 14:30:50 | Weblog
いよいよ平昌オリンピックが開幕しました。すでに女子のスピードスケート3000mやスキージャンプの男子ノーマルヒルなどが行われました。オリンピック8回目となる葛西選手もよくやったと思います。1992年のアルベールビルが初出場ですから驚きです。この大会は伊藤みどり選手がトリプルアクセルを飛び、銀メダルに輝いたことが記憶に強く残っています。橋本聖子さんがサラエボ五輪から3度目の挑戦で銅メダルを取ったのもアルベールビル五輪だったと思われます。

ここで金メダル予想。女子スピードスケートは小平選手と高木美帆選手で2個、プラスパシュートで計3個の金メダルと予想します。ちょっと欲張りすぎですかね。加えて羽生、宇野両選手を擁するフィギュア男子でも金メダルが期待できます。あとはノルディック複合の渡部選手もいけるとしましょう。しかし、あのキングオブスキーと呼ばれた荻原健司さんですら個人のメダルはとれなかったことからみても、決して容易ではないことは確かですが。これで金メダル5個。この辺でやめておきましょう。これまでの最高が地元・長野五輪での5個ですから。

僕が注目しているのは高梨沙羅選手です。個人的な直感でしかないのですが、もしかしたら彼女、今回が最後のオリンピックになるのではないかと思っています。ひとつには技術的に完成度が高く、これ以上の上積みが望めないのではないかという事。加えて海外のレベルが上がった事。それと、あどけない頃から沙羅ちゃんを見てきて、彼女は現役生活を長く続けるタイプではないという漠然とした予感です。例えば、長らく現役を続けてきたスピードスケートの岡崎さんや、モーグルの上村愛子さんとはタイプが違います。長く咲いて、人々を楽しませる花もあれば、短く咲いて散り際の美しさを見せる花もある。沙羅ちゃんは後者に思えます。勿論、実際に戦って気持ちが変わることもあるので、何とも言えませんが。上記の予想には入れていませんけど、沙羅ちゃんにはぜひ納得のいくジャンプで金メダルを取ってもらいたいです。またその可能性は十分あるとみています。

これだけ見ると、金メダル至上主義者のようですが、前回のソチ五輪で最も記憶に残っているのは浅田真央さんのフリーの演技ですから、メダルと記憶とはまた別物ですね。
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幻想

2018-02-03 14:12:16 | Weblog
気が付けば今日も多差路に置き去りにされている
僕は立ち上がり、横断歩道を渡ろうとする
突然、膨大な壁が立ち、激突する
それに何度もぶち当たり、跳ね返される
毎日、この繰り返し

周囲の人たちは器用に壁をすり抜ける
母親に手を引かれた幼子も笑い声さえ添えて
今日も長い一日になりそうだ
そのくせ人生は短い

僕は移動し、別の横断歩道を渡ろうとする
今度は鏡に激突する
ガラスに少しヒビが入り、僕の額から血が流れる
鏡からは血が滴り落ちているのだが
足元のアスファルトに汚れはない
人々は巨大ガラスさえも器用にすり抜ける

雲間から陽がこぼれた
人生に希望はないのだろう
それでも光がないと生きられない厄介な生き物
だから天からその幻想を落とすのだ

僕の脇にはサザンカが咲いていた
わざわざこの季節を選んで
何の希望も持たずに

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貴乃花、落選

2018-02-02 18:48:41 | Weblog
僕は若いころ、「はやく老人になりたい」と思っていました。何とか大学には入れたものの、のちにパニック障害と分かるのですが、原因不明の病気と友人たちとの板挟みの状態でした。彼らにはエネルギーがあり、必死についていこうとしたのですが、無理でした。老人になれば、皆、エネルギーが落ち、家にいても、何も言われない生活になるだろうと思ったのです。

こういう若者もめったにいないとは思いますが、自分と同世代では、1人だけ知っています。「早く老人になりたいんですよ」。おそらく、当時、貴花田のしこ名であったろう若者は確かにそう言ったのです。僕からは光輝いて見えた彼の意外な告白でした。

あれから、ずっと得体の知れない重い荷物を貴乃花親方は背負ってきたのだと思います。きっと理想は気高く美しいのだろうけれど、生き方があまりにも不器用。若貴兄弟の優勝決定戦。親方から、忖度しろという指示があったのでしょう。貴乃花はあっけなく転びました。敗北の演技すらしませんでした。これが、花田家の崩壊の発端だったような気がします。

時が流れ、日馬富士暴行事件で、被害者・貴ノ岩の師匠である貴乃花親方は、世間の常識とはかなり隔たりのある行動をとりました。勿論、彼なりの考えがあったのでしょう。そして、いつしか貴乃花対白鵬へと焦点が移っていきます。

白鵬も若いころは,双葉山を尊敬し、貴乃花のファンでもありました。しかし、次第に品格云々よりも、結果を求めるあまり、張り手,かち上げが彼の代名詞になってしまいました。その一方、それらを多用した事で優勝40回という前人未到の大記録を打ち立てました。

これに対し、貴乃花の優勝回数は22回。白鵬の半分強です。品格、内容にこだわるあまり、結果としては白鵬に大きく及びませんでした。当時、曙、武蔵丸と体の大きなハワイ勢を相手にも、張り手などは見せずに、体重を増やすことで、彼らの強烈な立ち合いを真正面から受け止めようとしました。そして膝に負担がかかり、故障がちになった彼は、大鵬の優勝記録には遠く及ばず引退しました。

貴乃花親方と白鵬の相撲観の違い。八角理事長を筆頭とする相撲協会との考え方の隔たり。貴乃花はあえて理事選に立候補し、負けを選びました。彼のあまりにも高い理想が、実現する日が来るのか。僕は悲観的な見方をしていますが、彼にしかできない役割は存在するのではないでしょうか。
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