我想一個人映画美的blog

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ピアニスト/LA PIANIST

2006-04-05 10:45:04 |  DVD,CS,Netfilix,機内鑑賞
え~っ!オバさん、こわすぎ!。
それまで具体的な動きも見せず、けっこう淡々としていたのが
動きを見せたのは約60分後。

暴力の不快さを徹底的に描き出した「ファニーゲーム」の
まさに鬼才!と呼ぶにふさわしい
ミヒャエルハネケ監督作品!
ずっと気になっていて
もうすぐ新作「隠された記憶」が公開になるのでこのタイミングで観ておこうと。。。。(来週試写行きます)
全く内容も知らずに挑んでみた
戦場でも海の上でもない ただの「ピアニスト」 です☆

2001年カンヌ国際映画祭で主要3部門を受賞した話題作

前半も、淡々としていた割にはつまらなくはなくて
「8人の女たち」にも出演したイザベル・ユペール
何をしでかすか分からないという事への観る側の興味☆

エリカは母親の極度の干渉を受けながら暮らし、恋人を作る事、流行の洋服を着ることさえ許されない生活を送ってきた。
結局ピアニストとして成功することが出来なかった彼女は、
名門ウィーン国立音楽院のピアノ教授の職に就き、
たまにサロンコンサートに出演するという暮らしをしている。
未だ独身、過干渉の母親のもとで暮らすエリカには
"倒錯的性癖"という誰にも言えない秘密を持っていた。
ある日、一人の青年と出会い、彼から好意を寄せられ。。。


母親の束縛や抑圧された制度の中で歪められた女の異常な性


以前習ってたこともあって、ピアノの旋律は凄く心地良く和むな~
なんて、観てたらこの作品、単なる青年とオバサンの恋愛ではないのであった、、、。

さすが、ミヒャエルハネケ!
こんな一度もニコリともせず、地味で冷たくお堅い、
ソバカスだらけの年増女(失礼)を
あんな美青年がいきなり本気で惚れるか~??

という疑問がまずよぎるのだけど (笑
不思議なオーラに取り憑かれたんだろうか。


この歳まで男性経験もなく、マゾの趣向への憧れが募っていたピアノ教師。
そのお堅い外見とのギャップにも驚くけど、
生徒でもある青年との会話がかなり突飛で
その異常な行動とセリフには思わず笑っちゃった!
笑ちゃイケナイ作品では決してないと思う。そこも含めて面白い。


2002年日本公開時のキャッチコピー
「ぼくはあなたがどんな哀しい秘密を持っていても愛しています」
これじゃ、泣ける純愛ストーリーだと観客が騙されるんじゃないのかね。

、、、、ハネケ監督、実はこの作品を「メロドラマのパロディ」
と言ってるらしい 

いやホントこの映画、ピアノ教師と青年の強烈なラブロマンスか
はたまた、ピアニストを目指す男女の恋愛かけひきかなんかだと思って
真面目に観ようとしたならかなり痛い目みるというか、
一筋縄でいかない重々しい展開に驚く事になる。

あまり語るとこの作品の面白さが半減しちゃうのでこの辺でヤメときます☆

オバさん、イザベルユペールの後半にかけてのノーメイクでの演技は真に迫ってたし、
対する青年、ブノワマジメルもまた素晴らしい 

ラストカットの空しさはミヒャエルハネケの得意技。
エンディングロールは無音なのもスゴイ。
まるでエリカの心情を表現したかのように。。。

昔はこのなんともモヤモヤした、何だか腑に落ちないどっちつかずのラスト
ハッピーエンドにはならない事の多いフランス映画、
どうも好きじゃなかったんだけど、そういうのもアリだよね、という風に思えるようになった。
ワタシも大人になったもんだ (笑


「愛してるんだ...」


「こんなにカッコイイ僕のどこがいけないんだ...」


※実際の台詞とは無関係※


7/10
けっこう好き。でも全然万人受けする作品ではないです。
今月末公開のハネケ新作「隠された記憶」を観る予定の人は是非その前にこちらも。
感動作ではないので要注意!


4月15日~ユーロスペースにて
ミヒャエルハネケ映画祭開幕 
(詳細はこちら



2001年 フランス=オーストリア合作 132 min
【staff】
監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ
原作:エルフリーデ・イェリネク(鳥影社「ピアニスト」)
音楽監修:マルティン・アッシェンバッハ
【cast】
イザベル・ユペール/ブノワ・マジメル/アニー・ジラルド/
アンナ・ジーガレヴィッチ/スザンネ・ローター/ウド・ザーメル

2001年カンヌ国際映画祭3部門受賞
・グランプリ
・最優秀主演女優賞(イザベル・ユペール)
・最優秀主演男優賞(ブノワ・マジメル)


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