我想一個人映画美的blog

新作映画レビュー&温泉&ゴシップ+コスメ+旅行記&日記。
blog開設から18年!ありがとうございます✨

4ヶ月、3週と2日/ 4 mois 3 semaines 2 jours

2008-03-06 10:23:06 | 劇場&試写★5


カンヌ国際映画祭で、
最高の賞であるパルムドール受賞!
おまけに、アカデミー賞外国語映画賞ルーマニア代表でノミネート。



3月に観たいリストに入れ忘れてたけど、それ聞いて興味がわいた。
妊娠中絶をテーマにした話ということしか知らずに観たけど、、、、、。

ちょっとネタバレあり




どんなことがあっても、私は前を向いて歩きたい。全女性必見の勇気あるヒロインの物語。

なんて、劇場のポスターには書いてある。
けど、これちょっと違うんじゃない??
観終わって思ったけど勇気ある物語、というのとはちょっと違う、、、、。


舞台はルーマニア。独裁政権末期の1987年を背景に、当時は違法行為だった
中絶行為を決意した女性とその友人2人の緊迫の一日を描いている。

女子大生ガビツァが望まぬ妊娠をしてしまい、ルームメイトのオティリアが中絶の手助けをする。
が、当日の段取りがうまくいかず、オティリアは手術を成功させるために奔走する、、、、。というもの。





そういえば違法中絶がテーマということでは、
2005年にヴェネチア映画祭金獅子賞を受賞したヴェラ・ドレイクもあった。
こちらは人工妊娠中絶が非合法だった国イギリスにおける人工妊娠中絶事情を描いたもの。



当時のルーマニアの“共産主義”という、環境の中で過ごしていた若者がどんなだったか、理解出来てるわけじゃないけど

この映画の中のキャラクターには誰にも感情移入も出来ない!
自分の中絶問題なのに、ルームメイトに任せっきりにしてたり
(自分でなんとかしろ といいたくなる
挙げ句は下ろした胎児に感傷にふけるでもなく、バスルームに放りなげてたり、
それまでにもいろいろ文句を言いたくなるような言動ばかりだし)
手伝わされるその友達(主役)も、恋人の母親の誕生日に招待されても花さえ買わずに、自分を愛してくれてる恋人への態度もひどい。


その恋人も、出産や中絶についての考えは無責任であさはか。
そして、違法の中絶手術を依頼される男、ミスターベベもまた、まけず劣らず頭にくる男だ。

「自分のことなんだから自分でやりなさい」
なんて、自分にばかり頼る友人に言うセリフもあるけれど、
そんなこといいながらも結局後始末をしてあげる、、、
それが友情なのかな? わたしだったらどうだろう?



でもそれは、あとで監督のインタビュー記事を読んでみるとどうやら意図してのキャラクターであり、ちゃんと理由もあった。(当然か)

当時のルーマニアの若い子たちは皆、似たような考え方をしてたという。

監督はまだ若く39歳。この映画の女優二人はまだ20代。
二人は監督に「主人公の下す決断が信じられない」と相談したらしい。
「なぜ主人公は、たかがルームメイトのためにあそこまで身を捧げられるのか…?」

 「あの頃は、そういう時代だったんだ」
それが監督の答え。



時代背景
チャウシェスク政権下のルーマニアでは、多額の対外債務を返済すべく、
国民に必要な食糧まで切り詰めて可能な限りの物資を輸出に回した政策を行っていた。
加えて凶作が続いたということもあり、結果的に国民はひどい飢餓状態におかれていた。
そんな中、工業化に必要な労働力を確保するために出産の奨励と中絶の禁止を法律により義務付けるが、
食料事情が悪いこともあり、結果的にはルーマニアでは孤児や捨て子が大量に発生するという結果を招いた。
このような状況下において、中絶手術を実行することが彼女たちの国家への抵抗や女性としての自由を獲得したいという気持ちの表れだった。




5/10


リアリティを持たせるため、余計な音楽は排除されていたり、長回しによるカメラ効果だったり
実際のルーマニアに住む20代の子の、生活というのをかいま見るような感じはある。
でもーーーー、、、、
前半は何も起こらず、ただ日常を切り取っただけを延々観せられるので
なんだかつまらないし(こういうのニガテ)


胡散臭いオヤジ(中絶手術を請け負う男)が大声で文句ばかり言うあたりから
面白く、、、、、。
といっても、面白いという作品ではない。
やり取りは興味深い。
やっぱり 何を感じるか。

上にも書いたように誰にも感情移入できないので
自分の、自分だったら、、、、という感情や、映画の中の人物への怒りなんかがただぐるぐる廻って、、、、
そして約2時間。   何もなくエンドロール。
んー。
この作品は
映画だからって、何か起こるのを期待しちゃいけないのかも。
あるルーマニアの女の子の、重い1日を描いた作品。

あの、胎児を観たあとで、クローズ間近のホテルのレストランで出された料理、、、、。

あれはブラックジョーク?
嫌いじゃないけど 後味よくないエンドだったなぁ。



 公式サイト
4 mois 3 semaines 2 jours    2007年 ルーマニア   133min
3月1日より、公開中~




アカデミー賞外国語映画賞をとった、『ヒトラーの贋札』が気になるな~。




人気blogランキング←please click


クリックしてくれると嬉しいな