我想一個人映画美的blog

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タクシデルミア/TAXIDERMIA

2008-03-30 21:33:33 | 劇場&試写★6以上


こんな可愛いチラシとは裏腹に、この映画
とってもキタナく、エグく、オゾマシく、グロテスク、そしてシュール


予告篇観たときから気になってたハンガリー映画
はりきって初日鑑賞!

この作品、カンヌ映画祭やサンダンス映画祭で上映後、賛否両論を巻き起こしたというちょっとした話題作。
ハンガリーの親子三代の人生を描いた、一筋縄ではいかない物語。

大きく分けて3部構成になっていて

1.祖父は、マスターベーションしか娯楽のない下級兵士の哀れな生活。

夢想でしか人生における楽しみが見いだせない。


炎とたわむれたり。って、、、、おい!  ※よゐこはマネしちゃいけません。

なんと祖父は死んだブタと性交してて、上司の女と1度納屋で寝て、父が生まれた時、ブタのしっぽが生えていた。

2.父は大食いアスリート。
義理の父親に上官の子供として育てられた少年(父)は、肥満体型で
工場で何十キロものお菓子を平らげたりし、その大食い素質を認められまるでスポーツ選手のように養成されていく。
ライバルは多かったが同じく女子大食いチャンピオンの母と結婚し、息子が生まれる。



このひとが『ヘアスプレー』でトラボルタ扮したおデブなママにそっくり!


父はジョン・グッドマン似。


チャンピオン二人でキャビア全部食べきれるか20分早食い


3.その息子は剥製師になり、ますます巨大化して一人じゃ身動き出来なくなった父の世話をしていた、、、。



二人のおデブさんから生まれたのに、なぜか息子はやせっぽちで病的な感じ。
不気味な感じでハマってた。



7/10

なんなんでしょうこの映画(笑)
んーなんというか、、、、シュール。
ウィキペディアによると"シュール"とは、「現実離れしたさま」、「普通の理屈では説明できないさま」、
「難解で奇抜なさま」、「幻想的なさま」、「意外なさま」など、非日常的なものを指す言葉。だそうで。
まさにその言葉がぴったり。
アート作品と呼ぶには耽美さが足りず(というか耽美とっはほど遠い。)
ダークファンタジーと言い切るにはファンタジックっていうよりグロテスク。
それでもテリー・ギリアムや、ヤン・シュヴァンクマイエル映画の方向性にはちょっとは近いかな?



『ハックル』というくしゃみが止まらないおじいさんが主演の作品に続く
2作目のこの映画の監督パールフィ・ジョルジは1974年とまだ若い!



この親子三代に渡る物語は
祖父のマスターベーションや覗き、など性欲。
父の大食する事で得る快楽という食欲。
そして息子の作る剥製という生きたものを永遠に残すという生欲もしくは
永遠の命に対する憧れ。
3つには肉体という共通点がある。

なんて真面目に語ってはいるけど、実は内容はあまりない。
リアルな映像や、奇抜な変態的行動に目を見張る感じ。

わたしは実は剥製というのに興味があって、この息子の剥製を作るシーンをすごく楽しみにしてたんだけど、
剥製作るシーンはほんのちょっとだけ
「剥製シーン少なすぎ!」って文句を言いたくなる前に 違ったものを見せ付けられた。

最近は『いのちの食べかた』や『ファーストフード・ネイション』で
ブタの解体シーンなどを見せられて免疫がついてきて?
これで3度目か。またもブタさんやられてました。
映像的に汚い&グロいシーンが多く、そういうのは全然平気なわたしですら
眉をひそめながらの鑑賞、 大食いシーンではひたすらガツガツ食べまくりー、
スプーンでスープを押し込みー、選手が皆 バケツにガバーっと吐くシーンなど
その異常に太った姿も醜いったら。とにかく観てて不快!極まりない。

けど、剥製師になった息子と、現代において巨漢になってしまった父親とのやりとり、
その結末が 思った通りだな、と思ったのもつかの間、、、、

意外な(衝撃)ラストで幕を閉じた。 
ええ~?ってハトが豆鉄砲食らったびっくり顔になっちゃったわたし。

唸る程の出来とは言わないけど 悪趣味にして芸術か。
この映画 なんだか不思議な作品だ。

前半のじいさんの夢想などどうでも良かったが、後半がとくに良し。
なのでちょっとオマケで☆7つ!
人によってかなり評価の分かれる映画。
これ、91分と元々短い作品だけど 短編向きのような気がするなー。


それにしても、この映画のもう一枚の方のチラシの裏、ヒドすぎ!
重要なシーンの写真載せすぎ!!  わたしは観る前に見なかったから良かったけどあれはけっこうヒドい
タイトルだって あのサブタイトルいらない、、、。結末バラしてるようなもんでしょ
これから観る人はなるべく見ないよう、要注意です。
このレビューは大丈夫な程度に写真載せましたのでご安心を♪

ハリウッドの娯楽作には飽きた!
変わった映画が観たいゾ!っていう人におすすめですー。





CG使ってる映像あれど、それが意外とリアルなのであんまりファンタジー的な感じがしない。

剥製師だけあって、自分の家のキーがリスの頭の剥製だったり、
小銭入れが手のついた動物の剥製だったり、細かいところが面白かった



 公式サイト
TAXIDERMIA   2006年  ハンガリー=オーストリア=フランス合作   91min
3月29日より公開中~
2004年 サンダンスNHK国際映像作家賞受賞
2006年 カンヌ国際映画祭ある視点部門正式出品作品
2007年 アカデミー賞外国語映画部門ハンガリー映画代表






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